二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【カゲプロ】人間冷凍ショコラ【オリジナル】 ( No.71 )
- 日時: 2012/11/10 12:38
- 名前: noeru (ID: HuULwKXc)
「———じん、ごしゅじん、……ご主人!!」
エネの叫び声で眼が覚めた。時計は10時近くを指している。随分寝過ごしてしまったようだ。でも……それもどうでもいい。どうせずっとベッドの中に籠ってるんだから、もういっそ一生目覚めない方が楽な気もする。
いなくなってしまった。アヤノもユキも。
もともと友達が少なかったが、友人が全員亡くなる人間は俺だけだろう。滅多にあることじゃない。異常だ。いや、まだユキは死んだわけじゃない。でも、ユキはあの日眼の前で……
突然タッチパネル式の携帯が聞き慣れない音を流す。かなり前に勝手にユキが設定した———メールの着信音。一体誰が、いや、誰からもメールなんて来るはずが……エネの悪戯か。
「———え?」
違う。エネはたった今、PCの中から俺を叩き起こしたばかりだ。じゃあなんで、まさか本当にメールが……来ている。衝撃だった。画面には[メール受信 1件]の文字。何かのチェーンメールか、悪戯以外は在り得ない。
「ご主人にメールなんて、何かのドッキリですか?!」
「……俺もそう思うよ、本当に。」
「は、早く開いてみて下さい!!気になります、内容!!」
エネに後押しされ、恐る恐る[受信ボックス」をタッチしようとする。おかしいだろ、メール1つ開くのにこんなに勇気がいるものなのか。「ご主人どうしたんですか?!」とかエネが言ってるが、こっちは今史上空前の衝撃から立ち直ってもいないのだ。緊張するに決まってる。それでもあいつが静かになるわけもなく、俺はメールを開いた。
内容は随分と短い。本当にただの悪戯メールだったようだ。思わず大きなため息を着く。それにしても意味不明だ、なんなんだよこれ……。
「ご主人、誰からですか?!」
「は?見てねえよ。」
「何でですか?!ご主人気にならないんですか?!」
「いや、どう見てもただの悪戯だし……」
エネに指摘され何気なく差出人のアドレスを見て、俺は携帯を落とした。
「ご主人?!どうかしたんですか?!」
「…………」
「聞いてるんですか?!ご主人?!」
「……これ、 からだ。」
「えっ?よく聞こえな……」
「これ…………………」
「—————ユキからだ。」
[今、私はあの場所にいるよ。]