二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【カゲプロ】人間冷凍ショコラ【オリジナル】 ( No.72 )
日時: 2012/11/10 13:40
名前: noeru (ID: HuULwKXc)



[私は今、紅い月を見てるの。]↓

[見つかれば殺されちゃうけど]↓

[安心してね、必ず連れ戻すから。]↓

[大丈夫だよ(^^)v]↓

[うまくやるから。]↓

[だから、ケーキ買って待っててね!]↓


メールにはそれだけ書いてあった。呆然と、何度も何度も読み返す。見つかれば殺されちゃう?殺されることにあんなに怯えてたあいつが、こんなに淡々と、ありえない。でもこのアドレスは間違いない。ユキのものだ。ふいに、その下に続きがあるのが見えた。


[ハリボテの正体が知りたいなら、私の部屋の鏡を覗いて。]↓



「ねえ、本当だって!!」

大きな声で意識が覚醒する。そうか、今日もあの日のようにメカクシ団の団員たちがうちに来ているんだったか……そんなことをモモが言ってた気がする。それにしてもあの声は、カノは何を叫んでいるんだろう?

「そんな訳ないだろう、馬鹿か。」

「いやいや、あれは絶対ユキだった!」

「でも、ユキはそんな姿じゃないですよ。カノさんの見間違いじゃないんですか?」

部屋から飛び出した。痛い程に携帯を握りしめ、リビングに駆けこむ。かなり驚かせてしまったようだが、この際関係ない。

「お、お兄ちゃん。どうして……」

「ユキを見たって、それ本当か?!」

「う、うん。絶対あれはユキだった!!」

「でも容姿が矛盾してるぞ。」

キドが言ったその『ユキらしき人物』の容姿というのは、真っ赤な髪をしている少女で、長さが腰まで広がるとんでもなく長い髪らしい。服がまた変わっていて、ノースリーブのシャツなのだが袖や襟、裾など大量に黒いフリルがあしらわれているそうだ。スカートも大量の黒フリルがあり、腰にベルトのように鎖が巻きつけてあったらしい。長いハイソックスにハイカットのエンジニアブーツ、とりあえず全部真っ黒だった……まあ、簡易的に言うとゴスロリだ。それから、左腕の関節がなんと球体関節で、その上右腕は……

「そんなの絶対在り得ねえよ……。」

綺麗に腕がなく、代わりにまるで生えているかのようにコンセントのプラグが伸びていたらしい。追加だが、眼は塗りつぶされたように真っ黒だったそうだ。

ちなみにユキは、赤黒い髪色でモモよりも長い髪を適当に結んでいる。眼はヘーゼルで、本人曰く母親が西洋人だったから。それになにより両腕とも正常だ。

「でも、何も言ってないのに僕を名前で呼んだんだよ!カノって!!」

「そんなのお前が忘れてただけで、本当は名乗ったんじゃないのか?」

「絶対ない!本当に!!」

「でもそいつ飛び降りたんだろ?」

その言葉に、まるで重い何かが圧し掛かったような気持ち悪さに襲われる。じゃあそいつはユキじゃない。アヤノが飛び降りた時あんなになってしまったユキが、自ら飛び降りるなんて……。

「そうだけど、消えたんだよ!飛び降りて駆け寄ったら、跡形もなく!!下に行って調べたけど、何ともなかった。」

「じゃあそいつはお前の幻覚だな。」

「……」

キドは完全にカノを信用していないようだが、さっきのメールの件といい、ユキは生きていて何か隠しているのだろう。画面に映し出された文字は確かに存在している。そこで、画面の端にいつの間にかエネがいるのを見つけた。しかし酷く驚いている。

「エネ、どうしたんだ?」

「……カノさん、その子、自分のこと僕って言ってませんでしたか?!」

「え?ああ、そうだよ!なんでわかったの?!」


「やっぱり、その子ユウキですよ!!私の友達です!!みなさん会ってますよ!!」