二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【カゲプロ】人間冷凍ショコラ【オリジナル】 ( No.74 )
- 日時: 2012/11/10 17:22
- 名前: noeru (ID: uhhJuQTr)
[marionette serial№07 light snow bud]
[marionette serial№07 darkness rain tree]
記憶が目まぐるしく更新される。僕らの存在の正体はこれだったんだ。大きな大きなビーカーの中で小さく呼吸する球体。本当はこうやって生み出されるはずだった。それが雨樹が生まれなかった。このビーカーの中で……死んだんだ。
楽しかった
愉快だった
滑稽だった
爽快だった
幸福だった
なら返してよ
僕の完全犯罪を
「僕は壊したかっただけだよ。ユキの世界を。」
眼の前に立つのはもう1人のユウキ。
僕はユキの魂が具現化したもの。右腕がジャンクだ。
あいつは雨樹の魂が具現化したもの。左腕がジャンクだ。
僕らの魂は、死んだ。
雨樹の魂はあのビーカーの中で。
ユキの魂はあの日、あの箱庭で。
そして2人は再開する。本来の姿に戻る。
[GAME]の為に造られた駒に。
2つの、光と闇に。
崩れつつある電子世界で、2つに分かれたデータが向かい合う。
「ユキが望んだのは人間として生きることだよ。」
「雨樹が望んだのは駒として生きることだよ。」
つまり僕ら[ユウキ]と、ユキと雨樹の双子は別人。
ユキと雨樹の魂が消滅、または人間に戻ればユウキの駒は消える。
生きるか死ぬか—————これこそ[GAME]の駒。
「ユキでの世界をぶち壊してあげたかったの。そうすればユキはユウキの駒を選ぶ。僕は生き残る。」
ユキの意思を誘導して、様々な記憶を制御して。世界と時空を巡り、絶望を味わせるのは容易ではなかった。僕とユキをうまい具合に絡め、それでいてユキにダメージを与え、ユキの記憶を取り戻しそうなものにわざと接触させ、記憶の抹殺を図った。まさかこんなところで邪魔が入るなんて。
「ユウキの闇……ううん、雨樹の魂の方のユウキ。僕の邪魔をして楽しいの?」
「だってこうじゃないとユキとずっと一緒に居られないから。ユキがかつての雨樹の状態になるには、雨樹は人間にならなちゃいけないし、何よりユキは14日と15日の境界線に閉じ込められるから。」
「ちっ……ふざけんな!!僕の完全犯罪を邪魔しやがって!!」
電子核が大きく抉れる。空間がぐらりと歪み、体勢を崩した。
「しまっ……!!」
その状態でユウキに撃った弾丸は軌道を外れて、
まっすぐにユキの半導体を破壊した。