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ここに居るのはあの日笑ってた君じゃない。

無邪気に、この劣悪な環境に屈せずに。

僕が死んだと思ってきた君はもう本当に居ない。


「一緒に帰ろう……って、約束、したのに……」


横で彼女が呟いてる。何で話せるのか解らないけど、聞いたことがある。本当は強制更生牢獄は『本当に危険な能力を隔離するための牢獄』だって。『辛い労働の代わりに特別に名前を貰える』って。じゃあ君も、彼女も、彼女が手を握ってる少年も……。


「君……は何の能力なの？彼女は？そいつは？本当は———名前あるんじゃないの？」


「私、の名前……はマリー。『目を合わせる』……で、目が合った人が、石になっちゃ、うの……。こっちは、セト。セトはね……『目を盗む』で、情報を読み取れる……んだって。でも……」


マリーが泣きながら君の手を握った。涙が一層ぽろぽろと滴り落ちる。


「ユキが……ユキが一番『危険分子』って……！『目を潰す』。能力者の目を一生使い物にならなくする……潰す。……貴方のことも話してた。自分が連れ去られた時に、弟も来るはずだった、けど……」



ちょっとネタバレるので、本編書いてから書くわ。