二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【魔法少女】嗚呼、きっとそれは【まどか☆マギカ】 ( No.2 )
- 日時: 2012/12/29 17:06
- 名前: おなかへった ◆scEpNWmRjQ (ID: htYXwhzX)
では書いていきまっす!
【第一話】
白い世界を。黒い世界を。モノクロの世界を私は駆けていく。はあはあと喘ぎながらも、体力が底を尽きそうになっても脚はまだ動き続けていて。何故かは解らない。意識がある頃には既に驀進していたのだ。
いつまで走ればいいのだろうか。
苦しい、苦しいと体中の臓器と筋肉が悲鳴を上げている。脳は止まれと命令を送るが、下半身が静止することはない。動き続ける部位も限界が迫っているのだが、まるでそうすることが義務だというように、止まらないのだ。
その見事な仕事ぶりには敬服し、そのうち気絶するまで走ってしまおうかとさえ思えてくる。・・・・・・否、実際に行動に移し、ただひたすらに動作を続けていた。
筋肉への命令送信を止め、無心で足を前に出し続けると永遠のように続いていた2色の1本道ではなく、楕円形の台が見えてくる——コンサートのステージだろうか?——その上までたどり着くと、私は脚を止めていた。
——やっと、とまった・・・・・・。
疲労とともに、身体を循環していた空気を吐き出す。
あまりにも酷使しすぎたからだろうか。まだ走り続けようとする慣性と相まって上半身が支えきれなくなり、倒れてしまいそうになる。
しかし僅かに残った力を使い、地面との対面は何とか免れることができた。
十分に息を整えた後、あたりを見渡してみる。景色がモノクロなのは相変わらずだ。
だが周りには一つ、変化が見られる。緑色に発行する直方体の看板。公共施設によく見られる非常口のマーク。それが私の瞳に映った。
コツン、コツン。靴音を響かせながら非常口看板に近づく。早くここから抜け出したい。そんな思いが、私を“EXIT”と表示された光に引き寄せたのだろう。
一歩、二歩とゆっくり階段を上りながら確実に歩み寄っていく。コツン、コツン、コツ——。
此処から出られる、やっと。
地面が平になると私は期待とともに力を込め、重い扉を押しあけた。