二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【魔法少女】嗚呼、きっとそれは【まどか☆マギカ】 ( No.4 )
- 日時: 2012/12/29 17:07
- 名前: おなかへった ◆scEpNWmRjQ (ID: htYXwhzX)
「彼女一人では荷が重すぎた。でも、彼女も覚悟の上だ」
白い生物の言葉に耳を傾けていると、より一層大きい轟音が響く。音の方を振り向けば調度白黒の少女が攻撃の衝撃で吹き飛ばされていた。そのまま流れに逆らうことができず、壁に激突。かすかながらも、苦しそうな声が耳に届いた。
「そんな、あんまりだよ・・・・・・、こんなのってないよ!!」
悲惨過ぎだ。どのような理由があり彼女は一人で戦うのか。私はつい声を荒げて意見を主張する。そして少女の方へと視線を投げかけると・・・・・・
———不意に、視線が合う。こんな時大丈夫だとか、怪我はないですかとか伝えればいいのだが、口にはしなかった。否、出来なかったのだ。
複雑な感情を孕んだ紫の瞳。整った顔を歪めて何かを訴える彼女に引き寄せられ、言葉など発せられなかった。
何と叫んでいるのだろうか。い・・・・・・あ・・・・・・。駄目だ、分からない。目を凝らして彼女の口唇の動きを確認するも、どこぞやのスパイのように読唇術など取得していないため、解読は無意味に終わってしまって。想像で彼女の伝えたい言葉を想像するほか手段はなかった。
「私、なんで見てるだけしか出来ないんだろう・・・・・・。
あの子はあんなに一生懸命戦ってるのに、なんで私、助けられないんだろう・・・・・・!」
「貴女は助けたいと願うのね」
無力感に心が蝕まれる中、白い生物とは違う声が鼓膜を震わせる。女性的な、抑揚のある平静とした声だ。
「情け深い子だ。大抵は自分が可愛くて一刻も早くこの場から逃げ出したいと願うのにねぇ。うん、今時珍しい良心のある子だ」
「だけど私、何もできないよ・・・」
そう言ってうつむく私に帰ってきた言葉は。
「諦めたらそれまでだ。でも、君なら運命を変えられる。避けようのない滅びも、嘆きも、君が覆せばいい。そのための力が、君には備わっているんだから」
「本当なの? 私なんかでも、ほんとに何かできるの? こんな結末を変えられるの?」
震える声で尋ねた疑問を、白い生き物は一切の迷いもなく返した。
「もちろんさ」
正体不明の柔らかな声も、こう告げる。
「貴方が望むならね」
「だから……」
「僕と契約して、魔法少女になってよ!」
絶望の街で、優しい声が残酷に告げる。
「まあ、どうなろうが知らないけどねぇ」
第一話
(in the dream)