二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【魔法少女】嗚呼、きっとそれは【まどか☆マギカ】 ( No.6 )
- 日時: 2013/01/25 23:19
- 名前: おなかへった ◆scEpNWmRjQ (ID: hc4T1ZG6)
第二話
——ぱっと目覚めると、まずクリーム色の天井が目に入る。心地よい肌触りを右頬は感じ取っているのでそちらに視線を移すと、ピンク色の兎の抱き枕が。つい最近贔屓にしている雑貨屋さんで購入したのを思い出す。
まだ覚醒しきれていない脳で窓の外を見つめる。朝日が眩しい。視界に広がるのは自然豊かな緑と高層建築物。どれも皆太陽の光を受けててかてかと輝いている。勿論、何一つ壊れてなどいない。
(・・・・・・あれ?)
ふと疑問に思う。
先程まで少女と怪物の攻防戦が、この街で繰り広げられていたのだ。街も滅茶苦茶に破壊され、一瞬で再構築するのは不可能である。
なのに何故、街は何事もなかったかのように存在しているのか。
何故私は無事でいるのか。
答えは私の半ば眠っている頭でも出すことが出来た。
「はうぅ・・・・・・夢オチ?」
パジャマ姿と低反発の寝具、それとぼんやりした意識が何よりの証拠である。
「おはよう、パパ」
「おはよう、まどか」
まだ眠りに就きたいという体をすっきりさせるため、日光がさんさんと降り注ぐ家庭菜園へと足を運ぶとパパ・・・・・・鹿目知久の姿が見える。目を擦りながら挨拶をすれば落ち着いた返事がくる。パチン、パチンという軽快な切断音が聞こえたのでパパに近づいて見ると赤く熟れたミニトマトを収穫していた。今日の朝食にするのかと尋ねればうん、と肯定の言葉が返ってきた。
「もうすぐしたら作るから、それまでにママを起こしてやって。タツヤもいってるから」
「はーい」
踵を返し、ママの寝室へと赴く。寝起きの悪いママのことだ、きっとタツヤが起こしに行っても布団の中でうずくまっているに違いない。
木製のドアを勢いよく開けると、案の定ママは寝台で惰眠を貪っていた。その上に私の弟・・・・・・鹿目タツヤが布団越しに揺さぶっているもののなかなか目覚めようとしない。
それでもまだ齢3歳の弟は健気に可愛らしい声で意識の覚醒を試みる。
「ままー、ままぁー。あさ、あーさぁー!」
——甘いぞ、タツヤ。
心の中で唯一の兄弟に言葉を投げる。まだ彼は精神も身体も未発達の幼児だ。いくら全体重をかけようがいくら懸命に揺さぶろうが軽い刺激にしかならない。故にママの意識を覚ますまでには至らないのだ。
「もっと頭を使わなきゃね、タツヤ」
さて、弟ができないなら姉である私がやらなければ。何だかよくわからない責任感を感じ、ママを起こすという任務を遂行するため行動に出た。
とまあ仰々しく表したものの、その行動は至って簡単で。
「起きろおおお!」
ママがくるまっている布団を体全体から引き剥がし、朝の光を完全に遮断しているカーテンを最高まで開けるだけである。さすれば彼女は急激な体温の変化と強烈な光に襲われ、奇声を発しながらも意識が覚醒するのだ。
「・・・・・・あれ」
「まま、おきたねー」
「おはよ、ママ」
毎朝恒例となっているこの行為。最初は面倒だったものの、最近は楽しくなりつつある。