二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【魔法少女】嗚呼、きっとそれは【まどか☆マギカ】  ( No.21 )
日時: 2012/12/29 16:04
名前: おなかへった ◆scEpNWmRjQ (ID: htYXwhzX)

無数に並び立つ高層ビルディング、密度の大きい交通量。それらからこの街・・・・・・見滝原市の文化の発展が伺える。一言で表すなら、都会というべきだろうか。しかし典型的なそれとは違う点が一つ、ある。

あたりを見渡すと、人類の進歩の結晶とともに視界に映る物。形こそ統一性を持たないが、色は全て同じ緑だ。数も高層ビルディングと同じ程度存在していて、バランスのよい景色が成り立っている。とどのつまり都市部には数少ない自然が潤沢しているのだ。

そんな街を、鹿目まどかは駆け抜けていた。動くたびに、二つに結んだピンク色の毛髪が揺れる。呼吸は少し乱れているが、表情は元気そのものだ。
「おはよー!」
彼女が言葉を放った先には、二人の少女の姿が。

「おはようございます」
丁寧に返すのは抹茶色のセミロングへアの少女・・・・・・志筑仁美。控えめに発する艶のある声と共に、やや垂れている髪と同色の瞳が、ゆっくりと細まる。
「まどかおそーい」
軽口を叩くのはもうひとりの少女・・・・・・美樹さやかである。こちらは仁美と対照的に、明瞭で主張の強い声だ。容姿もそれに見合った青髪のショートで、鞄を肩に担いで持つ姿は活発な少女を思わせる。

「ごめんごめん、二人共」
「まっ、まだ時間あるからいいんだけどさ。・・・・・・ん?」
疑問符を浮かべるさやか。彼女の目線はまどかの頭部に向いている。
「リボン、変えた?」
「うん、あ、でも・・・派手すぎない、かな?」
どうやらまどかはまだリボンの色について気掛かりになっていたようだ。
しかし、その心配は杞憂に終わる。

「可愛いリボンじゃん」
「とても素敵ですわ」
二人が褒誉の言葉を送る。思ってもみなかった返事に、声が少し上ずる。
「ほ、ほんとに!?」
「ほんとだってば、」
「似合ってますわよ、まどかさん」

——よかったー・・・・・・。
確かに聞き取った二度目の褒め言葉。まどかは顔がおもわずほころぶ。
表情には、安堵と嬉しさの二つの感情が浮かび上がっていた。

「ありがとう、ふたりとも!」
自然に作られた柔らかい微笑をさやかと仁美に向ける。

——ママも、ありがと。センスはピカイチだね!
そして密かに、母親への感謝の意を述べ、改めて感心するまどかであった。