二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【魔法少女】嗚呼、きっとそれは【まどか☆マギカ】  ( No.35 )
日時: 2013/04/17 20:35
名前: おなかへった ◆scEpNWmRjQ (ID: L7bcLqD7)

「はい、それじゃあ自己紹介いってみよう」

 黒板の前に直立する転校生は、 明眸皓歯と表すに相応しかった。艶やかな黒髪は腰まで伸ばし、髪よりも色の濃いカチューシャを装着している。伏せがちな、しかし大きな紫の眸子は強い光が宿っている。
 スタイルも申し分ない。引き締まったウエストと華奢な腰。制服のプリーツスカートから覗かせるすらっとした脚は黒レギンスを履いていることもあり、見事な脚線美を描いている。胸はまだ発展途上だがそれを除けば非の打ち所がなく、誰もが美しいと認めざるを得なかった。現に生徒は次々に口にしている。
「すごい美人」
・・・・・・と。

「暁美ほむらです。よろしくお願いします」
 彼女は一言そう放った。挨拶をする、ただそれだけの淡白な自己紹介だった。それからは無言で前を見つめている。
 他に何か言うことはないのか、と転校生の名前を書いている和子は手を止めて見やる。
 もう何も伝えることはないと返事するようにほむらはペンを取り、自らの名前の続きを記す。

“暁美 ほむら”

 ホワイトボードに密着させていたペンを離し、彼女は腰を曲げ頭を下げる。それらが元の位置に戻ると、生徒たちは手を控えめに叩いて歓迎の意を示した。

「ええっと、じゃあ次は瑞原さん! よろし・・・・・・あら?」
 空元気に振る舞う和子。二人目の転校生でクラスの雰囲気を明るくしようと考えているのだろう。しかし、見慣れない人間がいないのだ。

「瑞原さん? もしかして遅刻かしら・・・・・・」
 誰もがそう思っていた。きっと少女漫画のパターンだよとか、じゃあ食パン咥えてイケメンと衝突してるんだとか生徒は声を潜めて伝え合う。しかしそれは最初だけだった。
 
 一人の男子生徒の可愛い女の子がいるという声を合図に、ほかのクラスメイトも次々と発見したと口にする。

「えっ、皆さん見えるんですか? もしかして私だけ見えないの?」
 終いには和子一人だけが目に捉えられないという状態になったのだ。

「何処にいるのかしら・・・・・・」
 きょろきょろと不安そうな顔で辺りを見渡す。先生まだ見つけていないの? という生徒の声に煽動され、彼女が混乱しかけた時。

「すぐ近くにいますよ。見つけてくれないだなんて、少し悲しいですねぇ」
「え、近く・・・・・ひゃ!?」
 くるり、と和子が振り向くとそこには初めて目にする少女が存在して。驚きのあまり、おもわず彼女は悲鳴に近い声をあげた。