二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ギルティクラウン-Everlasting every days- ( No.9 )
- 日時: 2012/11/06 22:48
- 名前: ウルフラム (ID: mVHy..WT)
東京都内ビルの一室。
真っ暗な大きな部屋に一人の男が、一画面しかないスマートフォンタイプの携帯型通信端末を右手にとりながら、電話越しの相手と話している。
存在する道具は全部で四つ。
ビジネスデスクと、携帯型通信端末の充電器、ぼんやりと光る白熱灯に、卓上に置かれた
30ページ程度に及ぶ書類の山。
そんな中、この場所にいた男が声を発した。
「どうですか?この甘ったるい世の中は…。GHQさえも撤退したこの地には、安息が、平和が、救いがあって、絶望や欲望や原罪なんて重たいなんてものはないでしょう?……ですがね、そんな事象は脆い幻想に過ぎない。…私はそんな風に思いますがね。なんたって、つまらないじゃないですか……。こんな世の中。…罪意識のない世の中は…、ただの言い訳でしょう。…ならばそれをこのつまらない地にも再起させなきゃいけない。あの時を手本としてね。」
「そして、そいつをどんな風に再起させ、拡張し、巨大化させる。…そうすれば、このつまらない土地を変革し、少しでも興味深い所に変えていくことが出来るっていうもんです……」
男は薄く笑みを浮かべながら、卓上の書類に少し目を通す。
「そう。……とっても興味深い、罪深くて孤独な孤島にね」
男は左手を頬に当て、しばし考えている風な姿勢になると、もう一度話し出す。
「そのためには、この子の復活が最優先事項だ…。あの少年を……、舞台に引き戻す道具としてね…………。うん?あぁ、そうですか……。…いや……、いい。問題ないでしよう。インターフェースは折角ですし、そっくりさんを作ろうじゃないですか…。……その方が」
先程まで読んでいた書類を閉じると、男の顔が笑みを浮かべた不可解な顔になる。左右不対称な色の目は大きく見開き、紫色の口は裂け、スマートフォンタイプの携帯型通信端末を強く握りしめながら、まるで劇を終えたばかりの道化師のように。
「集くんも……、喜んでくれるでしょうから。ね」
笑いながら、言った。