二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ギルティクラウン-Everlasting every days- ( No.20 )
- 日時: 2012/11/19 22:04
- 名前: ウルフラム (ID: mVHy..WT)
「これから仕事再開かい、八尋は」
魂館颯太の未だに子供じみた声が耳に届く。
すると八尋は頭を右手でかきながら、まいったという表情を颯太に向け、言った。
「あぁ、まあな。一応のところは立ち位置としては班長の代行ってことになってるし。休む訳には、いかないよ」
八尋がそう言うと、今度は八尋の隣を半ば速足で歩いていた花音が二人の話に得意げに首を突っ込んでいく。
「いやー、やっぱり八尋は違うね。超エリートコース、真っしぐらじゃん。それに引き換え、あんたはなんなのよ、颯太」
「ちっ、違げぇよ。俺はな、昔からコツコツ努力していくタイプなんだよ。何事にも一歩ずつ、それが俺の22になった上での新しいモットーなんだ」
「言う人が違うと、こんなにもカッコいい言葉は落ちぶれていくのね。勉強になったわ、魂館くん」
「お…、お前な……」
颯太と花音の二人が歩を合わせながら、八尋を挟んで仲良く喋っている。
「……あんまり、居心地は良くないな……」
八尋は二人の会話が続いている中には聞こえない程度の小声で言った後、会話を続けている二人に向かって少し小さめの声で運んでいた足を止めて言う。
「ごめん、二人とも」
そして、笑いかけるように。
「今日は、ここで僕だけお開きでいいかな。時間、間に合わなくてさ」
花音と颯太は進めていた足と口を止め、八尋の方を向く。颯太はやれやれといった感じで頭をぽりぽりと右手でかきながら言う。
「頑張るね、八尋は」
それに続けて花音が明らかなさみしげな顔を浮かべて。
「そっか」
とだけ言った。
ここから会社までは歩いていける距離にある。
しかし、予定していた時間よりも早く事が済んでしまった。
時間がある、奇妙な感覚。
久々に、そこらを動いてみるか。
八尋は二人に「じゃあ」とこえをかけ背を向けて速足でその場を後にした。
一刻も速く、この雰囲気から抜け出したかった。