二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ギルティクラウン-Everlasting every days- ( No.34 )
- 日時: 2012/12/10 16:22
- 名前: 多寡ユウ (ID: mVHy..WT)
午後4時02分39秒。
ある程度の高さがあるビルその6階のとある一室で、頬に傷のある灰色スーツの若い男と、年がかなり過ぎていると思われる中年小太りの女性が、膨大な書類の山が幾つも連なるデスクを挟みながら、笑顔を交え談笑していた。
傷の男は真っ直ぐ背筋を伸ばして立ち、それに対し女性はシステムデスク特有の高めの椅子に腰掛けている。
「はいっ。この方向で、はい。宜しくおねがいします。…………っ、すみません社長、少し外してもよろしいでしょうか。……はいっ、すみません。では」
その最中、頬に傷のある男の右胸のポケットからタブレット端末型の通話機器が激しくムーブ音をたてた。
男は、自分より一つも二つも上司である小太りの女性に一礼と断りをいれ、彼女の部屋を一時的だが静かに出る。
『遅かったですね、いつもは早く出るのに。……まさか、依頼されて逆探知でも?』
いつもの奴からの電話。ここ最近、この人物からの連絡が多かった事もあり、少々憤りを感じながら応対する。
「んなワケあるかっ!……第一、なんで俺があんたの敵になんねぇといけないんだよ。理由がないだろ理由が。……ほら、あれだよ。ウチんトコのお偉いさんからの呼びたし。……一応、これでも信頼、置かれてる方だからな。時々相談のってくれーつって、呼ばれんだよ。それで…」
そこまで言った後、電話越しに相手の深いため息が伝わって、その直後、妙に鬱陶しそうな声が右耳に響いてくる。
『少々周り口説いです。簡潔に言うと、「呼びだされてる時に自分の電話が鳴った」。これでいいですね』
なんともいいかえせない男は、一応の肯定と否定を通話中の相手に向ける。
「……あぁ、まとめ過ぎたし、その前に一悶着あったがな。まあ、んな感じだ。……なんか、少し変なんじゃねえか。前より、あんた」
傷の男は先程の言い詰めに応戦するべく、それに対応したドスの効いた声で、相手に話しかける。
『さすがです。が、朗らかになったと言って頂きたい。それに、貴方も、昔より生意気になったんじゃないですか…………アルゴ』
ここで、アルゴといわれた男の方もため息をつく。タブレット端末型通話機器を右手に持ち、右耳に当てながら、ワックスで立っている金色の紙をクシャクシャと軽くかき、言う。
「ほっとけ。……で、なんなんだよ今回は。……いつもそっちから連絡してきても、後日話しますぅばっかだったじゃねえか。用があるならさっさと……」
『えぇ、前置きが長過ぎましたね。いいでしょう、ここからが大事な話です』
突如として、会話の先駆が相手の方に変わり、声色がより神妙な近寄り難い、キリっとした声になったと思うと、それにアルゴは、若干だが背筋を凍らせる。
『近日、私はある理由で行動を起こす予定でいます。…………そこで……、アルゴ。突拍子もない事を聞いてしまいますが、貴方は……、この言葉に聞き覚えがありますか?』
相手がより言葉を詰め、言う。
『「三人のヨハネ」、the fifth Revelation,the fifth Apocalypse.簡単にいえば、黙示録の再来』
神妙な声の男は、少しの間をもって、言い放った。
『「5度目の黙示録」、です』