二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ギルティクラウン-Everlasting every days- ( No.44 )
- 日時: 2013/01/07 18:30
- 名前: ウルフラム (ID: mVHy..WT)
「なのに……、あん時はみんな、自分達のことだけに一生懸命でさ。
……ちゃんと、王様を見ていなかった。集を、見てあげれてなかった。友達なのに、集が泣いているのに……。それに気づいてさえあげられなかった。
………『大丈夫』って、優しい言葉さえ、かけて、あげられなかった。
本当に、ハレの為にも、一生懸命みんなを救おうと頑張ってたのは、集だったのに。あたし達は、そんな集から距離を境目を自分からつくっちゃったんだよ。
でもね、……………………それでも、あたし達が集を拒絶すらしてても。いのりんは、さ。ずっとずっと、集を見てたんだ。
優しい集も、王様の集も、泣いた時の、弱虫の集も、全部、ね。」
ツグミはそう言うと、窓の夜景に向いていた自分の体を綾瀬のいる方に反転させ、今まで窓を向いていたせいでわからなかった涙を、両目に微かに光らせながら、綾瀬に言う。
「だから、あたしにもわからせて欲しい…………。いのりんが、集を想っていたみたいに、綾姉を……。
今日、初めて集も一緒になって、みんな揃って、ハレのお墓に行けたんだよ……?みんな一緒に。
……それなのに、なんで綾姉は、さみしそうな顔をするの?……何か、困ったことがあったら、あたしにも言って!あたしにも、わからせてよ……!!
あたしだって…………!綾姉が不安そうな顔してたら、いのりんみたいに、綾姉を励ましたいっ!
大丈夫だよって、心配しないでって…………綾姉ぇに………………」
先が出てこない。
聞こえるのは、綾瀬の部屋中に響き渡る微かな、けれど想いの籠もった床を見て俯いている一人のツグミの喘ぎ声のみだった。
そんな少女の泣きっ面を初めて間近に見た綾瀬は、刹那ではあるがツグミを凝視し驚愕していた。
しかし、すぐに彼女の表情は何事もなかったかのように、いつも通りの、ほわんとした微笑みを浮かべている篠宮綾瀬の表情に戻っていた。
全てを暖かく包み込み、その後ろで決して自らの足の械を外すことない篠宮綾瀬に。