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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ギルティクラウン-Everlasting every days- ( No.55 )
- 日時: 2013/07/18 23:16
- 名前: ウルフラム (ID: mVHy..WT)
午後5時22分12秒。
「どうなっているんだ・・」
白杖をつきながらようやく爆発現場のビルまで来た集は、まだ興奮冷めやらぬ多勢の観衆から少し離れた位置で息を荒げながらビルのあるであろう方角を光が届くことの無い目でじっと見つめる。
観衆の中には多数の報道陣が存在するのであろうか、所々で記者らしき声が乱雑に耳に届く。それ以外にも至るところから、この状況をもの珍しそうに話している人々の声も聞こえ、どの程度の人々がいるか粗方想像するが易い。
(っ、何か手がかりは無いのか。なんでもいい、なにか、あそこに上る手段は——!)
焦っても何も答えが出やしないことくらい集はわかっている。導かれるのはいつも問題であり解こうにも何かを探そうにも探せる目も、ましてや光も彼には届くことは無い。
あの時に培った全ても、激しい悲しみや慈しみや怒りも、そして自らの罪でさえも、今はもう黒色の義手となってしまったこの右腕とともに乗り越え、償ってきた。
しかし今はもう。この右腕に頼ることはできなくなってしまった。友達を傷つけ、時には叱られ、悲しんだ心の力は使うことはもうかなわないのだ。
だが、それでももう一歩くらいなら、歩き出してみよう。この罪の右腕を遍く天に伸ばして。そうすれば、きっと失われた最愛の人に、近づけるはずだから。
そう心に決め、集は立ち止まっていた足をもう一度動かした。
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