二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 玩具は武器、口は災い ( No.12 )
- 日時: 2013/02/26 00:13
- 名前: 盾無桃李 (ID: 7Hzptsk2)
サングラスをした男がボクへと接近してきた。
これは、ヤバい。
まだ息は整わず、足はガクガク、脈は早く打ち続けていた。
ハッキリ言ってしまえば今にも倒れたいほどに疲れ切っていた。
ボクの単体では抵抗出来るわけがなかった。
手で顔を覆って右目を覗かせた。
もう、相手は手を伸ばせば届きそうな距離にいた。
恐ろしさを隠せず大きく息を吸った。
相手は慣れた手付きで顔を隠す両手を片手で剥がして、ハンカチを口元へと押さえてきた。
ボクたってそう簡単にやられる者かと息を止めた。
自信が持てるくらい水中に長時間潜っていられるのだぞ!
甘くみるな!
だからといって、この先何をすればいいのか判らなかった。
息を止めることだけに集中し過ぎて頭が働かなかった。
こうなったら作戦ナシ作戦!
というのが唯一の考えだった。
手を精一杯口にあてられた腕へと伸ばし剥がそうとした。
なかなかくたばならないのが予想外なのだろう、苛立ち始めていたのがわかった。
「くそっ、このまま連れて行くぞ!」
相手が声をあげると、もう1人サングラスをしている人が来た。
きっと無理にでも運ぶつもりなのだろう。
それならと、華麗なコンボを見せつけてやろうと思う。
足に手を置き、タイミングを取って身を翻した。
そしてできた小さな隙は都合良かった。
突き飛ばして隠してあったハンドパースエイダーを取り出して発砲した。
バァァアン
渇いた音が辺りに反響して聞こえる。
もちろんながら、これは音だけの玩具だ。
しかし、そのリアルな音は充分に恐怖心を与えた。
相手は自然と距離を取ってくれた。
一応カッコ良い感じだが、実は立ち上がるほどの気力はなく横向に倒れてしまっていた。
ここでようやく一息ついた。
が、ハンカチに付いていただろう薬品を軽く吸い込んでしまったのだろう。
クラッとして、急いで袖で口を拭いた。