二次創作小説(映像)※倉庫ログ

潜入捜査 ( No.61 )
日時: 2013/06/02 12:18
名前: 盾無桃李 (ID: hDIDYMPI)

 どうやら四階は会議室のようだ。
 ホールのような大きな部屋が連なる。
 連なるって言っても三部屋しかないが、大きく分けているから仕方がない。
 表入り口付近に立て掛けてある題名にはそれぞれ犯罪などの事件名が張り出されてあった。
 こんなの奴らの情報なんてなかなか拾えないだろうと諦めてしまう程の限定資料だ。
 この三種で必要なのが無かったのならすぐさまキドの元へ逃げ帰りたい。
 そう思いつつも、題名詞には全て目を通した。
 <強盗囚人全脱走事件>
 わぁっヤバいねぇ……。
 なんか、恐ろしいものがあるよ。
 強盗捕まえたんなら逃がすな。
 市民の平和を守っとくれよ。
 <連続爆破殺害事件>
 あっ、ここまで明白なら解決は時間の問題かな?
 爆弾なんて所持しているの少ないだろうし、ルートさえ掴めばあっという間だよね?
 頑張れ!警察!
 <記憶不明誘拐事件>
 あっ、これ………
 これには、実に覚えがあった。
 そっとドアを開けて中へと入り込む。

 「───家族は行方不明で警察へ相談していたが、見つかった約四名はサングラスを掛けた共通の不審者に誘拐されたと主張。この四名は共通と言えば酷い仕打ちなど精神状況が安定してないなどから我々は、ネット環境目下で行われたと判断して今まで大きく取り扱わなかったが───」

 目の前のホワイトボードには見覚えのある人物の写真も貼ってあった。

 「しかし、実際一部目撃情報が入り男性二名からはしぶとく着いてきたのこと。なにか執着心があり、また何やら目的があると思われる。誘拐された全員は、年齢性別もバラバラ、住む地域もかなり北側や南側まで東西南北それぞれ違った。被害者は近辺ここの地域で発見され他のことから犯人はここへ連れてきたの事が推定される。犯人の特定はまだできず、一番厄介なのは皆総出で記憶喪失や一部くり抜かれたかのように忘れてしまっているなどの損傷が─────」

 「当たり前だよ、能力を消されて、その能力の存在も消されたんだもん、被害者は約十三人以上と見ている。ボクが捕まった頃にはもう八人は居たから。いつから奴らは、被害者を手放すようになったんだろうか。なんで消すようになったんだろうか?その能力のこと知っているのか、その技術をどこで手に入れたか、疑問は沢山あるんだよ?今も活動しているんだよ?気付いて欲しいなぁ………」

 能力で存在を薄くしている。
 この発言も誰も聞いてくれないだろう。
 でも、表沙汰にされればボクら能力者は蔑まれるに違いない。
 助けて貰いたくても、迷惑な事だ。
 警察の方がボクより衰えているなんて……
 溜め息つきたくなる。
 でも、仕方ないか、現場を見なくては知らないのは当たり前だ。
 いっそ誰か被害者になってみたらどうだ。
 そんな事を思うが、否定する。
 これ以上、人を粗末にするな。
 ボクらはけして化け物ではない、人間なんだ。

 ゆっくり来た道を戻った。
 あの組織へ直接関わることなど無いだろうと判断した。
 いそいそとキドの元へと向かった。