二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 風任せの青年 ( No.66 )
- 日時: 2013/06/03 01:50
- 名前: 盾無桃李 (ID: 17jRVk42)
だいぶ時が経ったが、どうやらなにも無かったようだ。
あの叫び声は一体なんだったんだろうか。
朝食も抜かして腹が減った。
少し早いが昼食用の菓子パンを3つ並べて何から食べようか悩んでみた。
その内メープルがタップリ染み込んでいて、中にはプリンが入っているパンを選び出し袋を破った。
一口頬張ると、その甘ったるい味が口全体に広がり少し舌が勘違いしたんじゃないかと違和感を与えるが、その後に再度甘さが認識され幸せな感覚が襲ってくる。
さらに一口食べるとプリンが現れメープルのしつこい甘さとプリンのほんわりしたカスタードの利いた甘さが混ざり合って美味しい。
充分に味を堪能していると、親友の友人─小鳥がねだるようにジッと俺を眺めていた。
仕方なしにひとつまみちぎって与えてみた。
そいつは少し不器用にツンツンとクチバシでつつき、モゴモゴと口を動かして呑み込んだ。
それでも、一々俺の様子をうかがう。
一口食ったのなら全部食えよと心の中でツッコミを入れた。
食うなら食う、見るなら見る。
どちらかにしろよ。
こっちまで気分悪い。
でも、祝福の甘さに迎え入れられるとそんなのは結局は気にしなかった。
俺は俺で次々食事を進めた。
そうすれば安心したかのように小鳥もパンの欠片をチョビチョビ食べ進めた。
最後のクリーム入りメロンパンに手を出し始めた頃。
何やら大型の自動車の音が聞こえた。
しかも、一台だけではないようだ。
その騒音は不愉快極まりない。
その重音は辺りに反響して不快音の輪唱が響いた。
幸せな一時をまたとなく崩されてはイラつく。
再び窓際から身を乗り出して外を睨んだ。
大きな建物の目の前の駐車場には大型トラックが乱雑に止まっていた。
引かれているラインを裏切るようにトラックはそれぞれ我先にとたかっているようだ。
しかも、荷台からは人間が次々に出てきた。
武装したその姿は今から一狩り行くぜっとでも言いたげだ。
もしかして、今から目の前の建物をハイジャクするつもりか?
頭おかしいんじゃないか?それが何か分かってんのか?
まるで悪いことしますので捕まえてください、だ。
行動起こす前に帰ってくれ。
そう思っていた。
それは思いだけでは済まなかった。
トラックの運転席からはサングラスの奴らが次々に出てきた。
これはまさしく最悪状況となっての夢とのデジャヴだ。
思わず乗り出した身を隠した。
リムは、どうした?
あいつは今どこにいる?
そればかりが脳裏を叩く。
携帯を取り出すと場所確認のため早速メールを送信した。