二次創作小説(映像)※倉庫ログ

二つのスピカは相対する。:その1 ( No.263 )
日時: 2014/03/05 18:28
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: 3CAtWHbZ)

08:35 某所


?『ここか……』

某所に立ち、豪勢な屋敷を見る者が一人。白く、胴体のいたるところに赤と黒のラインが引かれた無骨な人型のアンドロイドだ。左手首にカードを読み込む機械を着けた装置と腰に下げたデッキケースが特徴だ。
そのアーマーは屋敷の扉を開き、中に入ると同時にギルド員全員が一斉に入り口に注目する。

?『犯罪ギルド“ハーデス”。スキャニングマシンを使ってのテロ行為を中心とする洗練された大型ギルドですね』

ハーデス員「何だ貴様?こんな所に来るとは、ここがハーデスのギルドと知ってここへ足を踏み入れたのか?正義の味方気取りか?」

?『いえ。同じスキャニング装置を使うので、これは丁度いい実験材料があったと思っただけです。と言うわけで、ここにいる皆さんには僕の実験材料にさせて頂きます』

ハーデスリーダー「なんだと?ふざけやがって!お前ら、一気にたたんじまえ!」

ハーデスのリーダーが声を掛けると同時に複数のハーデス員がそのアーマーを相手に装置にカードを読み込ませる。すると瞬く間に様々なユニットが現れる。

アーマー『テストバトル・オペレーション。テスト01、単体武装開始。クリプトン!』

腰に下げたデッキケースから1枚のカードを左手首の装置に読み込ませる。同時に質素な槍が頭上から落ちてきて、地面に突き刺さる前にアーマーが掴んだと同時に駆け出し、槍の薙ぎ払いで瞬く間に数対のユニットを倒す。

アーマー『テスト01、スコアグリーン。——うごっ!?』

その次の瞬間に横から突進をまともに喰らい、屋敷の壁に叩きつけられる。

ハーデス員C「よしヒットぉ!」

スパイクブラザーズユニット、チャージング・ビル・コレクターを召喚したハーデス員がガッツポーズをとる。
煙が上がり、コレクターが煙から出ると同時に赤と黒のリングがコレクターを包み込む。

アーマー『呪縛(ロック)!』

声と同時にコレクターが赤黒いリングが交差した物体に変わってしまった。
それと同時に壁の板の破片を蹴飛ばして先ほどのアーマーが出てくる。だが、姿が違う。背中に人為的な翼を装備し、さながら機械仕掛けの戦天使だ。

アーマー『テスト02及びテスト23、装具憑依及び呪縛。スコアグリーン』

ハーデスリーダー「あの野郎……!オメェら何してやがる!相手はたった一人だ!ぶっ潰せ!」

リーダーに激を飛ばされたギルド員が総出で一気にユニットを召喚する。

アーマー『リンクジョーカーのテストは一旦置いておきましょう。次は……チェンジ、エイゼル!』

さっきまで腰に下げていたデッキを外し、もう一つのデッキを装着する。その途端に先ほどまでの白いアーマーとは違う鎧を装着する。
金色の鎧に頭部は獅子を象り、真紅のマントが翻る。金色のアーマーは腰の後ろに回したふたふりのトマホークを構える。そして10分後……



アーマー『テスト49。メガブラスト。スコアグリーン。残りは幹部とボスだけですか』

ハーデス幹部A「殆ど全滅だと……!?」

雑魚や下っ端を瞬く間に全滅し、残りは数人の幹部とリーダーだけだった。

アーマー『テストも後一つですし、これで決着をつけましょうか。“Ω”グレンディオス!』

再びカードを装置に読み込ませるアーマー。すると邪神の如き形相が施された鎧を重ねる様に身に纏う。
そして右腕を掲げると、掌からクレイ式の魔法陣が展開される。

アーマー『テスト50。アルティメットブレイク。スタート!』

『Final burst. world end.』

電子音声と同時に空を覆い尽くす様に漆黒の剣が刀身を地面に向ける。

アーマー『世界の、終わりだ……』

掲げていた手を下ろすと同時に剣が一斉に降り注いだ。
戦いが終わった時はもう既に屋敷は見る影も無く、完全に廃墟と化していた。

アーマー『オペレーション・コンプリート。トータルスコア、オールグリーン』

廃墟となった屋敷の門を出て行き、デッキをベルトから外す。一陣の風と共に鎧の姿が破片となって消える。そのアーマー、タクトがディスプレイを見て先ほどの戦闘を見ていた。

タクト「これで全部のテストが完了した。とりあえずVFグローブでのテストはオールグリーンの結果が出ましたね。後は各デバイスの機能がうまく働くかどうか……」

廃墟となった屋敷に警備部隊が到着したのは、タクトが立ち去ったその30分後だった……。



この冒頭はあとで意味を示します。

二つのスピカは相対する。:その2 ( No.264 )
日時: 2014/03/05 18:32
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: 3CAtWHbZ)




翌日。


タクト「これを使って頂きたいんです」

なのは「え?」

クロスオーバー館のファイト施設に呼ばれたなのはと櫂の前に2つのデッキケースを渡す。
プラスチックらしきもので作られて中のデッキもよく目を凝らせば見える素材だ。タイプは片開き式で、プラスチック素材の留め金を外せば中のデッキを取り出せる仕組みになっている。

タクト「これは僕が個人で極秘裏に製作したデッキケースです」

なのは「デッキケースって……これの事ですか?」

もしやと思ったなのはが自分のバトルシスターデッキを渡す。
それにタクトは肯定する様に頷いた。

櫂「何故俺達に渡す?」

タクト「本当は貴方たちの他にも連絡を入れたのですが……連絡が取れないんですよ」

なのは「それで私達に連絡を入れたんですね」

タクト「そう言う事です。早速セットして模擬戦——」

タクトにそう言われ、早速デッキを出されたケースに移し変える。そして模擬戦をしに外に出ようとしたその時……!






ドッゴォォォォォーーン!!!!!



タクト「——をぉぉぉ!!!?」


突然大爆発が轟き、その衝撃でタクトは思わず座っていた椅子から転げ落ちてしまった。

櫂「一体どうした!?」

タクト「館内に魔力反応感知!この反応は……なのはさん!?」

なんと館内に2つの同じ反応が見られたのだ!
その反応の主であるなのははここにいて、他の場所が襲撃されている。これを説明できる理由は……。

櫂「別世界のなのはか……!」

その理由を悟った櫂がファイト施設を飛び出した。
そしてクロスオーバー館の廊下に出ると……!






タクト「うわ……;」

櫂「文字通り、惨劇だな……」

そこにはギタギタに叩きのめされた捜査局の隊長、副隊長クラスの魔導師(ウィズとレンは用事で外出中であり、免れた事を追記)が倒れ、壁や床、天井もボロボロとなっている。
その中にただ一人、大人の姿のなのはが杖を構えたまま立っていた。

大人なのは「やっと見つけた……!」

タクト「申し訳ありませんが、どうしてこんな真似をしたのか聞きたいですね?我々もただ呆然と倒される訳には行きませんからね」

大人なのは「私は、そっちの小さな私との決闘を挑みに来たの……!」

なのは「私に!?」

大人なのは「ええ。私は同じ自分として貴女が許せない……!叩きのめして目を覚まさせる為にここに来たのよ……」

櫂「だが、それなら連中を倒す道理が見つからないな。それが望みならコイツに直接話した方が早いだろう」

大人なのは「一応全員と話す時間が無かったからとりあえず一撃で倒してきた」

タクト「何ですか、その『降りかかる火の粉を払うまでだ』的な事を言ってるんですか;」

正直タクトも頭痛が起きた様に頭を抱えた。
だが頭を抱えている場合じゃない。相手はなのはとはいえ、捜査局の隊長達を瞬殺した実力を持つから侮れない。
もう一人のなのはに聞かれない様にタクトは小さななのはに耳打ちする。

タクト「なのはさん、決闘を承諾して下さい。このままじゃこっちの被害がますます増大してしまいます。それに、彼女の気も治まらないようですよ」

なのは「大丈夫なんですか?」

タクト「ええ。それを試すいい機会です。それと、手加減しない方が身の為ですよ。向こうのなのはさんの実力は計り知れませんから」

なのは「……解りました」





大人なのはの決闘を承諾した子供なのは(※区別する為に分けました)。
今彼女達は人里離れた岩場の上空にいる。今2人は向かい合い、カウントが0になるまで自分のデバイスを構えたまま微動だにしない。タクトと櫂も彼女達の戦いを見守る為に同行している。

れい「何の騒ぎなの?」

櫂「黒騎。何でこんな所に来た」

れい「何でって、遊びにきたら大惨事だったのよ。何事かと聞いてみたらここに当たったんだよ」

手頃な石に座り、上空を見上げるれい達。その時櫂の携帯から連絡が入る。

櫂「もしもし?アリンさんか?」

アリン『櫂!?そっちになのはが来てないか!?』

櫂「なのは……ああ、今こっちのなのはと決闘が始まろうとしている所だ」

アリン『なんだって!?——仕方ない、今アクリとビートがそっちに向かってるから、来たら連絡を入れてくれ!』

アリンさんは携帯越しでも解るような険しい声で連絡を入れ、通信を切ってしまう。
事態は相当深刻らしいのかと思った直後、バイクが岩場に到着した。

ヒュー「作者から呼ばれて連れてきたよ!」

れい「ヒューさん!」

ヒュー「実はアリンさんに頼まれてね。ビート君を連れて止めようとしたんだ。だけど、遅かったみたい;」

岩場に到着したヒューとアリンさんのオリキャラ、ビートも上空を見上げる。

ビート「あいつらの決闘か……多分こっちのなのはが圧勝するんじゃないのか?」

櫂「どうだかな……」

櫂が呟いた瞬間にカウントが一桁に達する。そして……




3………


2……


1…


0!!



決闘スタート。

二つのスピカは相対する。:その3 ( No.265 )
日時: 2014/03/05 18:42
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: 3CAtWHbZ)



Wなのは「アクセル……シュート!!!」

カウントが0になった途端、2人のエース・オブ・エースが愛機レイジングハートから桜色の魔力弾を複数放つ。
それらを全てコントロールして本人に突入させるも、お互いの魔力弾がその全てを相殺してしまった。

なのは(ア)「コントロールは申し分無いね。幾つか死角に向けたけど、それも全部消しちゃうのは凄いよ」

なのは「自分に褒められるなんて、なんか変な気分がするけど……」

なのは(ア)「じゃあ……これはどう!?」

なのは(ア)が言うと同時に一気に加速してなのはの懐に迫る。そこから先端に魔力を溜めたレイジングハートをフルスイングし、なのはを打っ飛ばす。
女性とはいえ、大人と子供ではその力の差は歴然。まるで弾かれたように地面に向かって一直線に飛ばされる。

なのは「うぐっ……!」

なのは(ア)「レストリクションロック!」

なのは「きゃぁ!?」

そこに追い討ちを掛ける様になのは(ア)が拘束魔法を発動。地面に叩きつけられる前に空中に縛り付けられる。
その少女に続けてカートリッジを1発使用しての収束砲撃を放った——高町なのはの十八番の魔法を。

なのは(ア)「ディバイン……バスターーーーーーーッ!!!」

掛け声と同時に魔力砲がなのはに向かって襲い掛かってくる。

レイジングハート(八)『Exelion.Sield!』

その砲撃が当たる直前、こちらのレイジングハートがシールドを発動。丸い盾がディバインバスターと衝突し、なのは(ア)のディバインバスターを防ぎきる。

ヒュー「……あれ?ちょっと!?流れ弾が来てるよ!?」

れい「ちょちょちょちょっと!あんな砲撃魔法の残滓をどうやって防ぐの!?」

だが、ディバインバスターが防がれた勢いで魔力が零れ、流れ弾の様にれい達に襲い掛かってくる。タクト以外が慌てる中、櫂が前に飛び出した。

櫂「ワイバーンガードガルド!」

一枚のカードを取り出し、それを湾刀の柄に取り付けた装置に読み込ませ、シールドを発動させる。
そのシールドに砲撃残滓が衝突すると激しい雷がほとばしり、瞬く間に残滓が消滅してしまった。

ビート「スゲェ、あの砲撃を相殺した!」

櫂「流石にカートリッジ込みの砲撃はキツイな……センチネルバリアが少し削れている」

砲撃を防いで少し削れてしまったバリアを見てその威力の凄まじさを物語るように呟く櫂。
彼らのいる場所以外でも砲撃の流れ弾が直撃したらしき場所では地面が抉り取られた様な痕を残していた。



なのは「私が決闘を受けた代わりに、一つだけ教えてくれる?どうして私にその怒りをぶつけてくるの?」

砲撃が終わり、なのはがバインドを破ってなのは(ア)と同じ所まで飛ぶ。

なのは(ア)「……貴方は昔の私だから、その時の自分の気持ちは解るよ。あの時のフェイトちゃんの出会いと別れ、闇の書事件でのフェイトちゃん達との再会とはやてちゃんや守護騎士との出会い、リインフォースとの別れ……」



タクト「だったらここにいるアインスさんは何者になっちゃうんですか;」

ビート「え?設定違うのか?」

タクト「そこは後で話しますよ。今はあの決闘が何故行われたのかが知りたいですし」

タクトがさらりと呟いた言葉にビートが食いつくが、彼はそれを何事も無かった様にスルーし、再び2人のなのはの観戦に移る。

なのは(ア)「一つだけ許せないものがあるの。同じ自分だからそれは共感できる。だけどね……」











なのは(ア)「なのフェイはだけは許せないんだあああああああーーー!!!」

Wなのは以外全員「……は?」

エコーが掛かった声が静かな岩場にこだました。
2人のなのは以外の全員の心境を語る様に一陣の空しい風が吹き流れる。

なのは(ア)「私はフェイトちゃんは大好きだよ!だけどそれは『親友(『』内を強調』として!恋人としてなんてどう考えてもおかしいよ!ピクシブでもよくそういうのは使われるけど、私は違う!断じて違うんだ!!だから取り戻すの……!こんなはずじゃない過去を!!」

エースオブエースの叫びに沈黙が走る。
観戦しているキャラ達は呆れ果てた表情だ。つか、プレシアの台詞を使うなよオイ。

タクト「……;」

櫂「俺が言うのもアレだが、人の恋路に首を突っ込むのは良くないぞ;」

れい「シリアスがなんなのか問い質したいです;」

ヒュー「八つ当たりに管理局の魔導師攻撃するのはダメだろオイ」

ビート「あいつ、ここに来るまで語らなかったけど、動機がそれって……;」

これには観客のキャラも呆れ顔。だが、一人だけそのエースに真っ向から立ち向かった人物が一人……












なのは「そんなの……そんなの間違ってるよ!!本当にフェイトちゃんが嫌いなら、そんな事言わないもん!!」

ビート「シリアスに言っても説得力ねぇよ」

全くだ(by作者)。
だが、周りがくだらないと思っていても当の本人にとっては大切な、譲れない真剣勝負である。飛行魔法をフル活用してぶつかり合う。

なのは「そっちの私……そこまで私を倒して過去を塗り替えたいのか良く解ったよ……」

幾つ物ぶつかり合いを終えた2人。なのは(ア)がフェイトとの恋仲を否定されても折れず、真っ向から立ち向かうなのははレイジングハートに取り付けられたある機能を作動させる。その機能を作動させると同時にレイジングハートにカードを入れるタイプのカードローダーが取り付けられる。

なのは「だったら私も、全力で未来の自分を倒す!!この手で未来を切り拓く!!」

なのは(ア)「その未来、私が粉微塵に粉砕してあげる!!」





なのは(ア)の決闘の動機がwww

二つのスピカは相対する。:その4 ( No.266 )
日時: 2014/03/05 18:56
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: 3CAtWHbZ)


こっちのなのはの本領発揮!




Wなのはの決闘は第2ラウンドに入る。なのはが腰に下げた、タクトから貰った1枚のカードを読み込ませる。
そして、なのはが再び鋭く突き進む魔力弾を放つ。

なのは(ア)「こんなもの、シールドで弾いて……!」

シールドを展開しようとした刹那、脳裏に一瞬自分が貫かれる姿が浮かんだ。何故この映像が浮かんだのかそれを考える余裕は無い。とりあえずそれに従ってシールドを使わず身体を捻って魔力弾の軌道上から身体を避ける。
その直後に魔力弾が先ほどなのは(ア)のいた場所を通過し、後にある岩を貫通した。

ビート「貫通した!?」

なのは(ア)「何今の!?私の魔法にあんなの無かった筈……!」

先ほどの魔力弾にアリンサイドの2人が驚愕する。なのはの魔法タイプは砲撃系。それ以前にあの魔法を体得した覚えは無いのだ。

タクト「使い始めましたね」

アリンサイドの2人をよそに、タクトはこれからのなのはの行動への期待と自分の試作品の完成度に作為的な微笑を浮かべていた。
今使ったのはクレイ式カードロードシステムという『カードファイト!!リリカルなのはjoker』でキーとなる魔法なのだ。カードを装置にセットし、そのユニットの魔法を発動させるのだ。

この世界のアイチや櫂も魔導師で、時空管理局本局でも一つまみ程度の人間しか知る者は無い極秘裏の管理局支部、クレイ特別捜査局の局員として勤めている。
では何故なのは達がその魔法を使っているのかと言うと、それは『[新訳] カードファイト!!リリカルなのはjoker』をご覧頂きたい(催促乙byヒュー)。

なのは「次!アックスフォーム!」

装置から先ほどセットしたカードが飛び出し、それをキャッチしたなのははそれをデッキケースに戻し、また別のカードをセットする。
その瞬間レイジングハートが杖から紅い水晶を填め込んだ斧へと変形する。

なのは(ア)「斧に変わった!?」

なのは「アックスブレイク!!」

巨大な斧を最上段から振り下ろし、なのは(ア)に攻撃する。

なのは(ア)「絡束盾(ホールディングシールド)!」

なのは「うっ!?」

咄魔力で構成された巨大な刃を、咄嗟に絡束盾で防ぐ。

なのは「ぐぅぅぅ!!」

なのは(ア)(引き抜かない?と言うか、寧ろ押し込んでいる様な……)

過去の自分の行動に矛盾を感じるなのは(ア)。ふと、攻撃を抑えつつ良く盾を見てみると……









なのは(ア)「——!嘘、亀裂!?」

なんとシールドに刃が絡まった場所から徐々に亀裂が走ってくるのだ!
このアックスフォームは防御無視性能があり、文字通り叩き潰す先方を得意とする『バトルシスターめーぷる』のスキルの影響で、この能力が付加されているのだ。他のカードも例外なくスキルが付与されるが、これ以上語ったらキリが無いので割愛させて頂きます。

なのは「あと少し……!」

なのは(ア)「させない……っ!ストライク、スマッシャー!」

なのは「!?——っきゃあぁぁ!!!」

絡束盾が粉々に粉砕される直前に放ったゼロ距離魔法がなのはに直撃。吹き飛ばされると同時に絡束盾が粉々に粉砕された。
何とか直撃は免れるも、肩をかすってダメージを受けてしまっている。

なのは「まだまだ!シュート!」

なのは(ア)「こっちも負けてられないよ!ディバインシュート!」

ゼロ距離魔法攻撃を喰らい、腹部を押さえつつも死に体に鞭打って先ほどの魔力弾を放つ。
対してなのは(ア)も最初のアクセルシュートと比べて速度は遅いものの、切れのあるコントロールでなのはの魔力弾を全て撃ち落とす。
だが、エースオブエースの後方上空で何かが光る。

なのは(ア)「!そこっ!!」

狙いに気付いたなのは(ア)が振り向き様にシールドを展開する。普通なら弾かれてしまうと思うが、魔力弾がシールドに触れた途端にそれが光を増す。そう思った次の瞬間にその魔力弾が大爆発を巻き起こした。

なのは「エクスプロージョンシュート……流石にこれは効いたよね?」

先ほどの魔力弾で発生した爆煙に声を掛けるなのは。その煙が風に吹き流れてなのは(ア)が肩で息をしながら彼女の言葉に答える。

なのは(ア)「爆発に貫通、おまけに斧にまで変身するなんて……変わった戦法だね。昔の私だからってちょっと油断してたかも……。おまけに大気中の魔力を使うからSLBも使えない……」

過去の自分だからと油断していた自分を戒(いまし)め、改めて杖を構える。
対してなのはもまだ油断ならないとレイジングハートを持つ手に力を込める。
お互いダメージ量は多く、次の一撃が最後になるだろう。崖上の石がからからと転げ落ち、地面に落ちた瞬間、二人が今使える最大の魔法を繰り出す!!




次でラスト。

二つのスピカは相対する。:その5 ( No.267 )
日時: 2014/03/05 19:36
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: 3CAtWHbZ)


ラスト!






なのは(ア)「カートリッジフル活用!ディバイン…………バスタァァァァァーー!!!!!」

なのは「バンカーフォーム!ディバイン…………バンカーァァァァァーー!!!!!」

十八番の砲撃と魔力を収束した杭が真っ向から衝突。お互いの全力がぶつかり合う。
2人ともダメージが多いとはいえ、魔力量は多く、双方一歩も引か無い様に衝突した所からお互いの魔力は動かない。

なのは(ア)「うぐっ……ぐうぅぅぅ……!!!」

なのは「うぅぅぅぅぅ……!!!」

全力を出した一撃はやがて衝突地点からズレていき、なのは(ア)の砲撃は空の彼方に消え、なのはの杭は崖に直撃し、壁を粉々に粉砕した。

タクト「……勝負あり、ですね」

ビート「え?」

タクト「2人とももう魔力が残っていません。飛んでいるのがやっとの状態ですよ」

なのは(ア)「ぜぇ……ぜぇ……」

なのは「はぁ……はぁ……」

よろよろと降下していって地面に着地する2人。
レイジングハートを杖に立っているのもやっとだ。だが、やがてなのは(ア)が声を上げる。

なのは(ア)「……もういいや」

なのは「え?」

なのは(ア)「そっちの私がどれだけフェイトちゃんの事を大切に思っているか解ったわ。落ち着いて考えてみたら、そんな事で頭に血が上った私も大人げ無かった見たいだし」

なのは(ア)はバリアジャケットを解除すると、ビート達のいる所に向かう。

なのは(ア)「タクト局長……ですね?先ほどはご迷惑を掛けてしまい、申し訳ありませんでした」

タクト「正直貴方の襲撃は予想外でしたが……まぁ災い転じて福となすと言う奴です。お陰でいいデータが取れました」

ビート「まぁ、一件落着だな」

ビートも安心したかのように彼女達の元に向かう。
タクトが満面の笑みなのがいささか不気味だが。

タクト「では最後にちょっと失礼♪」

ビート&なのは(ア)「え?」

その笑顔のままでタクトが指を鳴らす。
その瞬間に2人は呆然と立ち尽くし、声を掛けるまで某の様に立ち尽くしていた。

なのは(ア)「あ、あれ?私……確かこっちの私と決闘を挑んで……」

タクト「結果は引き分けに終わったみたいです。もう気も済んだでしょう?」

なのは(ア)「そう……なんだ……」

ビート「何か消化不全だな……まぁいいか。すまないな、迷惑掛けて」

タクト「お気になさらずに♪」

幾つか消化不全な事はあるものの大まかな事件は解決したのは言うまでもなかった。





その夜、特別捜査局局長室。

タクトのレポート『今回の結果は上々だった。異世界の高町なのはが訪れたお陰で様々なデータも入手できた。この結果は大きな一歩になるだろう。だが、武装系と憑依系は周囲の魔力素を収集して発動する発動すると同時に周囲の魔力素の濃度が激減したデータが取れた。これは魔力を持つ世界に多大な影響が出るかもしれない。このデータは貴重な物なので、日を改めてこデッキケースの模擬戦を行うとしよう。ひょっとしたら、大きなリスクが出るかもしれない。そういう危い芽は早々に対処しなければならない。これは大まかに言えばまだ試作段階。その第1歩を漸く踏み出した所なのだ』

レポートを書き終えたタクトは背もたれに体重を預けて一息吐く。

タクト「双闘のユニット達……これからヴァンガードはまだまだ進化するんですね……同時に虚無(ヴォイド)の進撃も……」


彼らの戦いは終わらない。
ヴァンガードがある限り……クレイにいる盟友と共に。






感想おk

Re: 小さな書庫の騒動【短編集】 ( No.268 )
日時: 2014/03/09 21:50
名前: 桜 (ID: WT.yDbwD)

確かに、八雲さんのなのフェイは全世界のなのはちゃんとフェイトちゃんに喧嘩売ってると思いますよね・・・。


王ドラ「これは大晦日の話ですが、ツーストさんがあいりさんを好きになった話のせいで、八雲さんから八雲サイドのツーストさんが3大シスコンにボコられてたコメントがありましたよ。」

ツースト「八雲さんの俺がどうだろうと知ったこっちゃない。俺はあいりが好きだから、あいりを守るだけでそれでいいんだ」


とりあえず、あの件は八雲さんのツーストに謝ります。ごめんなさいOTLいや、作者さんの間で「ツースト×あいり同盟」ができちゃったんだろうけど(マジ)。


p.s.逃走中更新しました