二次創作小説(映像)※倉庫ログ

jokerに繋がるストーリー2:その1 ( No.291 )
日時: 2014/04/05 07:50
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: 3CAtWHbZ)

jokerに繋がるストーリーその2です。今回はネオネクタールとダクイレの話です。




前回のあらすじ。シュウや倖を中心にクレイへ飛ばされたなのはチームの事を知ろうと思った一行。むらくもとエンジェルフェザーの話を終え、次ははやての話になる。



はやて「ほな、次は私の番やね」

ヒロ「お願いします」

はやて「どこから話そうか……せや、あの魔法使いさんの話にしよ!私、ネオネクタール領に飛ばされた時の話は……」




回想編03:ネオネクタールSIDE『S』






はやて「どこや、ここ……」

彼女が目を覚ました場所は日の照らす一本の樹の枝木の上だった。
地球で目を覚ました時、目の前に傷だらけのザフィーラとシャマルを目撃したのだ。それを思い出した彼女は急いでスレイブニールを発動して空へ飛び上がる。

はやて「シグナム!シャマル!ヴィータ!ザフィーラ!リインフォース!みんなぁぁー!」

家族に届くように精一杯叫ぶが、誰一人返ってくる言葉は無かった。

はやて「みんな……まさか、虚数空間に落とされて……!」

最悪の結末を思ってしまったはやての顔が次第に青くなっていく。
しかしそれを振り払うかの様に首を横に振ると、再び家族と友の名を叫びながら飛び続ける。



——あの子、誰を呼んでるのかな?



はやて「?」



——僕達じゃないよね?



はやて「誰なん?誰が言ってるんや?」



——ねぇ、あの子ひょっとして僕達の声が聞こえてるのかな?



——え?あの子は人間だよ?僕達の声が聞こえる訳無いよ。



はやて「待って!一体誰や、皆がどこにいるか知ってるんか!?」



——聞こえてるみたいだよ?教えてあげたらどうかな?




——ダメだよ。人間がこの土地に来ちゃいけないんだよ。



はやて「なんや?まるで皆妖精か何かみたいな言い方やな?」


?『警告!警告!コノ領土ハヒューマンノ立チ入リハ禁止サレテイル!即刻立チ去レ!』

どこからか聞こえてくる声にはやてが困惑していると、森から数対の機械が現れる。
蛾の様な姿に人の四肢を付け加えた蛾の機械だ。警告音を発しているが、はやてには何の事だかさっぱり解らない。

はやて「あの、どういう意味ですか?私、この世界に勝手に飛ばされてここがどんな世界だか解らないんです。せやから、ここがどこなのか教えてくれますか?」

蛾の機械『対象ハ警告ヲ無視スル模様!パラライズサセ、確保ニ移行スル!』

言葉を発している蛾の機械がはやての上空に飛び立ち、燐粉を振り撒く。

はやて「なんやこれ?粉?——っ?!」

燐粉を吸った途端、身体に異常が起こる。体が突如痺れ出し、自由が利かなくなる。スレイブニールの能力も衰えていく。

はやて(な、なんやこれ……!?体が痺れ……!アカン、舌も痺れて……!)

身体の痺れが全体に周り、ついに魔法が解除されて広大な森へと落下して行った。

蛾の機械『追跡』

落下したはやてを蛾の機械が追跡する。
森の中に入った機械は辺りを見回す。

蛾の機械『対象消失。散策ハ無駄ト判断。撤退』

レーダーに探知されないと知ると、ここには用はないとい言わんばかりに飛び去っていった。
機械が立ち去った後、一本の樹が口を開ける様に動く。すると、その中からはやてが現れた。どうやら樹に飲み込まれる形で難を逃れたらしい。だが、まだ痺れは取れていない。これからどうしようかと思っていた時に一人の魔術師がはやての元に現れる。全身青いローブで纏って肌が一切見えず、樹の枝を採った形そのままに加工した杖を持ち、背に様々な魔道書を背負った魔導師だった。

魔導師「大丈夫か?」

はやて「…ぅ……ぁ……あ……(アカン、舌が動かないからお礼を言うことも出来へん)」

魔導師「マシニング・パピリオのパラライズか。声が出なくなるほど強力な訳無いんだが……とりあえず話が出来なければ状況を知る事も出来まい。待っていろ」

魔導師は杖の先端に光を集める。それが一定の大きさに膨れると救い上げる形で光を放り投げる。
その光がはやてに当たると彼女を包み込んだ。



この魔導師は……?感想はまだ。

jokerに繋がるストーリー2:その2 ( No.292 )
日時: 2014/04/05 07:51
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: 3CAtWHbZ)



はやて「————あ、あれ?痺れが消えて……声も出せるようなってる!」

魔導師「治癒の魔法だ。奴らの燐粉は治癒系以外寄せ付けないからな」

はやて「ほんまにありがとうございます。せやけど、今の機械は何やったんですか?」

魔導師「自然国家ズーの犯罪結社メガコロニー。その中のマシニング軍団だ」

魔導師から放たれる言葉にははやてにはちんぷんかんぷんだった。だが、ここが自分の知らない異世界だと言うのは何とか理解できる。

はやて「ほな、ここ以外にも国はあるんですか?ここだけとは思えへんけど」

魔導師「ああ、ある。だが一番近い帝国領土の末端でも、約数千キロ。さっきの飛行魔法で飛んでも、今の魔力量では海原に落下するのがせいぜいだ」

魔導師の的確過ぎる言葉にはやてはうなだれる。確かに魔導師の言葉もあるが、一番の原因はこの世界が未知の世界だという事だ。下手に行動すればまたさっきの様になってしまうだろう。
騎士甲冑の姿から戻ったはやては魔導師の元に歩み寄る。

はやて「せやけど人間を嫌ってるんやったら、なんで私を助けたんですか?」

魔導師「君はさっき、子供の声を聞いたようだね?」

はやて「え?確かに私よりも3つ年下の子供の声が耳に入ったんですけど……」

魔導師「その声だ。私も驚いたよ、人間に霊樹の声が聞こえるなんて思わなかったよ。私の家に来い。そこでこの世界の事を学んでいくといい」

どうやら自分の家に招待するらしい。どうも悪いと思ったはやてだったが、確かに魔力の回復と情報収集は必要だ。お言葉に甘えて魔導師の家へと赴いた。
その道中、はやてはその魔導師に簡単な質問を幾つかした。

はやて「惑星クレイ?」

魔導師「ああ。君達の言う第100番管理外世界。それがこの世界、我々の故郷クレイだ」

はやて「聞いたこと無い世界や……」

魔導師「ああ。外界の人間に知られず、独自の進化を遂げた世界だ。——着いたぞ」

魔導師の足が止まった前には巨大な大樹の傍にある樹の上にあるツリーハウスだった。
早速ロープを引っ張って足場をおろす。魔導師とはやてが乗ると魔導師がロープを引っ張り上げ、足場を上げる。部屋に到達すると足場はかぎ爪に引っかかって床となる。
部屋の中は魔道書や歴史書などの本が詰め込まれた本棚が幾つも並んだアンティークな部屋だった。魔導師の部屋にしては結構片付いているなとはやては思ったがそれは置いておく。魔導師は本棚の中から1冊の本を取り出し、机の上に置いた。


魔導師「この本をまず読むといい。後は自由に読んでくれ。翻訳用の魔法を掛けてあるからそのままでも大丈夫だ」

はやて「へぇ……ありがとうございま——あれ?」

はやてが礼を言うのも束の間。いつの間にかその魔導師の姿が消えてしまっていた。
不思議に思うも魔導師に渡された本を読むと、確かに文字を理解でき
る。

はやて(そっか……ほな、ここで色々な事を知るしかあらへん。皆、ちょお待っててな。私、ちょっと寄り道させて貰うよ……!)

ひとつ、心の中で仲間と家族に言うと、はやては再び魔道書のページを開いた。





はやての話終了。