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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 記憶喪失と夏祭りレース!:前編その1 ( No.416 )
- 日時: 2014/08/09 22:08
- 名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: u6VY3ouz)
今回は夏物語&ある人のお話。
ある夏の帝都ヨコハマ。予報で昼から蒸し暑くなると出た日の朝、日も昇っておらず、涼しい朝の散歩には丁度いいとエルキュール・バートンは小高い山のふもとにあるヨコハマ森林公園に脚を運んでいた。
エリー「たまには、こういう散歩も悪くないかな……」
吹き抜ける風を肌で感じながら呟いた。昨日の土砂降りもすっかりやんで、葉に残った雨粒がより涼しさを感じさせる。
だが、暫く歩いているとあるものを発見する。
エリー「……!?」
木々に隠れていたが、自分と同い年の少女が頭から血を流して倒れていた。
エリー「……」
恐る恐る彼女に近付いて授業で習った脈を調べる。幸い出血しているだけで死んでいるわけではないようだ。
早く彼女を助けようと携帯でほかの3人に電話した。
エリー「あ、あの……!大変です……!」
†
ホームズ探偵学園。
エリー「……」
コーデリア「まさか森林公園で倒れてたなんてね」
ネロ「昨日は結構土砂降りだったみたいだし、あの辺りって西側には大きな崖があるんでしょ?」
シャロ「でもあそこって前から立ち入り禁止の標識があったんじゃないんですか?」
シャロ達ミルキィホームズの集まる部屋のソファに少女を寝かせ、一安心した4人は彼女の経緯を推理する。
ネロ「僕はこの人がどこの生徒か調べてみるよ。ひとつくらい手がかりが残ってるかもしれないしさ」
シャロ「あたしはあの人が見つかった場所を捜索してみます。あの原因がわかるかもしれません」
コーデリア「私はエリーと一緒に彼女の看病をするわ。起きたら何か手がかりがつかめるかもしれないし」
シャロ「それじゃあ何かあったら携帯で連絡しましょう!」
一通り話が纏まり、早速各々行動に移る。
コーデリア(それにしても、ヨコハマには県立や私立を含めるとごまんとある。そこから調べるとなると苦労するわね。それにあの公園に入った方法も気になる……)
エリー「あ、起きたみたいです……!」
看病していた少女が目を覚ます。一瞬まどろみの中に居たが、意識がハッキリした状態で彼女達を見た途端、驚いてベッドから毛布を纏ったまま転げ落ちる。少女は長い青い髪に凛々しい青い目を持つ。だが、今の彼女には凛々しいというよりおびえている小動物のようにしか見えない。少なくともエルキュールとコーデリアから見たら自分と同い年だろうし、服もこの学校のものではない。
?「え!?こ、ここどこ……!?」
エリー「お、落ち着いて…あなたを保護したんです…」
?「……?」
エリー「私はホームズ探偵学院のエルキュール・バートン。皆からはエリーって言います。この人はコーデリア・グラウカといいます…あなたの名前と…学校を教えてくれますか?」
?「名前は、風鳴翼……学校は……」
暫く思い出すように呻る少女、翼。だが、恐怖と共に声を絞り出す。
翼「……解らない」
コーデリア「え?」
翼「解らない……学校の名前も、誰が友達なのかも、全部わからない……!」
翼が呟いたと同時に突如痛みを抑えるように頭を抱える。もう半狂乱になってもおかしくない状態だ。
エリー「翼さん……!?」
コーデリア「まさかこの人、記憶喪失!?」
頭を抱えていた翼が突如エルキュールの肩を掴む。
翼「痛い……!頭が痛いよ……!お願い……!私は誰なの……!?」
エリー「ま、待ってて下さい!今病院に……!」
頭痛が酷くなる翼に呼びかけ、即急に病院へと連れて行った。
- 記憶喪失と夏祭りレース!:前編その2 ( No.417 )
- 日時: 2014/08/09 22:13
- 名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: u6VY3ouz)
翼ってのは誰かもちろん知ってますよね?←愚問
ドクター「こりゃあ典型的な記憶喪失だな」
スマブラ屋敷でドクターマリオの診察の結果、睨んだ通り記憶喪失だった。
エリー「あの……人がやけに少ないんですが……?」
ドクター「あぁ、今は夏祭りシーズンだろ?この世界じゃあれが夏祭りの花形たる帆船レースに向けて製作中だからな」
翼「帆船……レース?」
ドクター「君らは知らないんだっけね。見てみたらどうだ?」
ドクターマリオが地図に見せた場所に3人が早速向かう。場所は海沿いの倉庫で、そこの扉を開いてみると……
エリー「ぅわ……!」
スマブラファイターのほとんどが精を出して帆船の製作に張り切っている光景だった。木材を切り分け、釘を打って固定し、漆を塗って海水の浸食を防ぐ。
コーデリア「これがレースの帆船?」
リンク「お前ら、どうしてここに来た?」
コーデリア「皆がここにいるってドクターマリオから聞いたのよ。自分のチームで船を造るなんて、凄い計画ね」
リンク「本来はレンタル用の船があったんだが、製作期間前に全部壊されていたらしい。俺達は元々製作する気だったがな」
リンクが言うにはいよいよ2日後に迫ったこの地域の夏祭りの目玉、帆船レースが開催されるのだ。本来、エントリーは誰でも自由で船もレンタルできたのだが、今年だけはなぜかそのレンタル用の帆船がすべては解されて使い物にならなくなっていたのだ。
だが幸いにもスマブラチームは自作帆船で参加するのでその被害を受けなかったようだ。
そして更にこのレースについての説明も。
レースは自作帆船かレンタル船でスタート地点の港から出発し、3つのチェックポイントを通過し、数キロ離れた小島で旋回。一番最初に港に戻ってきた船が優勝となる。優勝商品は年に一度自然に折れる世界樹の枝から作られるトロフィー風ミニオブジェだ。膨大な魔力を持つ世界樹の力で一度だけ願いが叶うらしい。
エリー「という事は…皆さんも?」
ウルフ「そうだ。狙うは当然優勝!」
コーデリア「かなり燃えてるわね。お陰で汗ダラダラ;」
フォックス「ん?エリーの後ろにいるその子誰だ?」
ふと作業中のスターフォックスのリーダーが後ろにいた翼に気付く。その途端注目が翼に集まり、集中した視線に晒された翼は縮こまって後ろに隠れてしまった。
コーデリア「隠れちゃった;彼女は今朝エリーが倒れた所を見つけて、私たちが保護したんです。それ以来、エリーを自分の親か何かみたいに……しかもこの人、記憶をなくしているんですよ」
ロボット「マルデ雛鳥、イヤ、ヒヨコト言ッタ方ガ的確デショウカ?」
コーデリア「それにしてもかなり人気なのね。参加者の殆どがどこかで聞いた名前ばかりだわ」
コーデリアが参加者リストに目を通す。その参加者はどれも強豪ばかりだ。
旅行バスで全国の道路を脳内に叩き込み、渋滞ルートを避けて時間通りに到着する神業を持つ『神風旅行会社』。かつてある名門校で修学旅行の際、教師のミスで3時間送れてしまったが、それを見事に穴埋めして修学旅行を数時間の遅れを見事に消し去ったという。大会参加理由は、陸路と海路の両方の天下を狙うようだ。
漁も鮮度もスピード命の「スピーダー漁」。彼らが獲った魚介類は新鮮そのものでスーパーや魚屋が毎日取り合いを繰り広げているとか。
エリー「他にも色々……ん?『バグディアル商会』?」
?「それは誰の事だな?」
エリーが呟いた瞬間、開いていた倉庫の扉から屈強な大男と共に背の低い老人が現れた。
コーデリア「どちら様ですか?」
マスハン「そいつがさっき言っていたバグディアル商会だ。海外専門の輸送会社で、主に機械系商品を扱っている」
翼「あの人、なんか……怖い……」
マリオ「で?何の用で来たんだ?船の創作か?」
バグディアル「ハハハハハハ。帆船ならとっくに完成しているよ。忠告を言いに来たのだよ。参加をしても無駄という事をね」
ヨッシー「なんですかそれ!やってみなくちゃわからないでしょ!?」
バグディアル「威勢はいいな。とにかく、忠告は耳に入れたほうがいいぞ。怪我したくないしな」
一触即発の空気が立ち込める。そんな中、破壊神の左手が仲裁に入る。
クレハン「その忠告は受け取っておこう。だがな、こっちもはいそうですかと終わるわけじゃない」
バグディアル「ふん、どうやら無駄足だったみたいだな。だが忘れるな。バグディアル商会にたて突いてただで済むと思うなよ?」
ケタケタと高笑いを上げて配下らしき男達と共に去っていった。
マリオ「なんだよあいつ!腹立つなぁ!」
リンク「何か仕掛けてきそうな雰囲気だったな」
マスハン「いいかお前ら!あんな連中に負けるな!」
クレハン「そうだ!皆で絶対優勝できる奴を造るんだ!だから勝て!」
ファルコ「よっしゃあ!だったら早速造っていくぞ!」
負けん気の強いファルコが更に熱気を増して仕事に就いた。
マスハン「お前たちも気分を害して悪かったな。お祭りにでも行って気分を治して来い」
コーデリア「ありがとうございます」
エリー「翼さんは……あれ?」
祭りに行こうとした際、興味心身に船を見ていた翼を見つける。
エリー「翼さん…あまり変なところを弄ると——」
翼「え?(レバーを倒す」
ビリビリビリィ!
ルイージ「ぎゃあああああー!鎖が勝手に落ちて帆が裂けたあああああ!!」
翼Σ(°ω°)←驚いた表紙に別のレバーを引く。
ギャギャギャギャギャギャギャ!
ネス「え?あ、ちょ!?待て待て待て待てぇぇぇ!?」
リュカ「皆でがんばって立てたマストが倒れたああああああー!」
エリー「……;」
コーデリア「と、とにかく逃げるわよ!!」
翼「ごめんなさああああああい!!!」
おいwww
- 記憶喪失と夏祭りレース!:前編その3 ( No.418 )
- 日時: 2014/08/09 22:53
- 名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: u6VY3ouz)
ヨコハマ森林公園
シャロ「それで、あのあとどうでしたか?」
ネロ「全然ダメ。ヨコハマだけじゃなくて、全国、全世界の探偵学園を片っ端から見てきたけど制服も違うし風鳴翼なんて名前、誰も知らないの一点張りだったよ」
シャロ「となると、残る手がかりはここだけですね」
シャロは調査を終えたネロと合流し、発端となった森林公園の調査に出ていた。
昼になって気温がかなり高くなったにも関わらず、丁度いい木陰が出来て涼しさも感じられる。暫く歩いていると、例の現場に到着する。
シャロ「……やっぱり流されちゃってますね;あれ?なんでしょうか?」
ふと茂みから光に反射したあるものを見つける。筒状の小さなペンダントを発見したシャロは、指紋が付かないようにハンカチに包んでポケットに入れる。
ネロ「そんなのが何になるのさ?とにかく、他に手がかりは……」
当然先日の豪雨で洗い流された事に肩を落とす。だが肩を落とす暇も無く、エリーが翼を見つけた辺りを重点的に捜索する。
手がかりらしいものは無いが、監視カメラを発見した。
シャロ「あ、監視カメラです!ネロ!」
ネロ「待ってました!」
早速2人の探偵が監視カメラの設置された木の下に向かう。
愛用するヘラを監視カメラに刺し、そのヘラに針金とコードを繋げ、PDAに接続してトイズ『ダイレクトハック』を発動。監視カメラの深夜の時間帯を見る。土砂降りでよく見えない光景を早送りで進めると、不意に何かが落下するようにカメラの視界を遮った。
シャロ「今のは……!」
ネロ「まずここから落ちて間違いないね。最悪にも打ち所を誤って記憶喪失した、ってことだろうね」
記憶喪失が確定したシャロが他の手がかりが無いか探す。だが、それ以上の手がかりを見つける事はなかった。
ネロ「お、エリーからメール……わっ!?」
シャロ「どうしました?」
ネロ「翼、スマブラ館の倉庫で色々やっちゃったみたい;写メでその惨劇が;」
ネロの携帯には余りにも酷い惨劇の写真が;因みに送ったのはコーデリアでもエルキュールでもなく、コーデリアの携帯を勝手に使ったクラウスくんでした☆
翼も悪気は無かったが、お陰でスマブラファイターの仕事が増えてしまったのは変わりなかった;
†
お祭り会場。
ネロ「おー、賑わってる賑わってる!」
夕方に開始されたお祭りはかなりの人で混雑していた。
場所は川沿いなので涼しく、祭りの熱気を丁度よく冷ませるのだ。
ネロ「じゃあ早速行こうか!」
コーデリア「あ、あっちでたこ焼き売ってるわよ」
エリー「翼さんも食べますか?」
翼「う、うん……あー……(口を開けて待機」
エリー「……あ!」
翼「あむっ!(食べようとするが空振り」
ネロ「おーおー、エリーも意地悪だね〜?」
エリー「ち、違いますよ……!熱いから冷まさないとって……」
翼「エリー、ずるい……」
ネロ「お好み焼き!やっぱお祭りには欠かせないよね〜?」
志木「おぉ娘ら。そやつか?例の記憶喪失の娘は」
エリー「翼さんです…」
志木「どうじゃ?折角だし喰っていくか?」
翼「あ、いただきま——」
ミルキィホームズ「ご遠慮させて頂きまああああああす!!!」
翼「ちょ、皆、きゃああああ?!」
志木「……惜しい事をした」
エリー「スーパーボールすくいですね…」
翼「スーパーボール??」
ネロ「スーパーボールも知らないんじゃ、そうとうな記憶喪失じゃない?」
翼「そんな事無いよ。スーパーボールってのは……えと……すごいボールの事なんだよ!」
ネロ「スーパーボールと掛けてマリオシリーズのキノコと解く。そのこころは?」
翼「とにかく凄い!」
ネロ「座布団1枚ね〜」
5人とも祭りで思いっきり楽しんだ。翼も記憶喪失の事など嘘のようであり、皆笑顔だった。
たこ焼きを買って定番の食べようとしたら没収するお約束のシュチエーションをしたり、志木先生のお好み焼き屋から翼を掴んで逃走したり、スーパーボールを知らない翼のボケにネロが乗ったりして笑いあった。
しばらく歩いていると特設ステージが設置された場所にいつの間にか来てしまっていた。
コーデリア「特設ステージ?」
エリー「飛び入り参加で、歌を披露するみたいですね…」
かなり恒例のイベントらしく、様々な人達が参加しているのが伺える。その中にカズミとアリスのフェザーズコンビとばったり会う。
アリス「皆さんも参加ですか?」
コーデリア「ええ。ちょっとここへはお祭りで来たの。これに参加してたの?」
カズミ「はい。かなり参加者が多くて、アリサ達も出たんです」
弟、いや、妹分の活躍に感心するミルキィホームズ。
ふたりはミルキィホームズでも
シャロ「あれ?翼さん?」
ふと目を離した瞬間、翼がエリーの後ろから消えていた。
司会『おぉーっと!またもや飛び入り参加だ!今度は凛々しさを携えたクールビューティー!お名前をどうぞ!』
翼「か、風鳴翼です!」
ミルキィホームズ「ぶ——————————:。;’:。;’(°ε°)」
なんと、勝手にステージに上がっていたー!?
記憶喪失の少女は若干緊張で震えていたが、深呼吸した後、楽曲を設定。数秒後に音楽が流れ出す。
カズミ「だ、大丈夫なんですか;」
アリス「さぁ……;」
エリー「でも…生き生きしていますよ……?」
フェザーズの2人も呆然と見守るしかない。
だが、エリーには今の翼はより生き生きと感じられているように見えた。
BGM:天羽々斬
翼「去りなさい!夢想に猛る炎、神楽の風に滅し散華せよ♪闇を裂け、酔狂のいろは唄よ、凛と愛をかざして♪いざ往かん…心に満ちた決意、真なる勇気胸に問いて……嗚呼絆にすべてを賭した閃光の剣よ……四の五の言わずに、否、世の飛沫とは手よ♪」
ここまでミスの一つも無く、先ほどまでおびえていたのが嘘の様に凛々しい歌声を披露する。更にいつの間に買ったのか、おもちゃの太刀(本物そっくりに造られている)で殺陣を演じるサービス付き。
翼「儚き記憶の旋律(メロディ)、ゆらりふわりと薫る。星を見上げ、誓いを立てる。もう逃げない…もう泣かないと嗚呼…羅刹の蒼翼よ、今こそさぁ…全の解放を……!去りなさい!夢想に猛る炎、神楽の風に滅し散華せよ♪闇を裂け、酔狂のいろは唄よ、凛と愛をかざして♪いざ往かん…心に満ちた決意、真なる勇気胸に問いて……嗚呼絆にすべてを賭した閃光の剣よ……四の五の言わずに、否、世の飛沫とは手よ♪」
これ好き♪
- 記憶喪失と夏祭りレース!:前編その4 ( No.419 )
- 日時: 2014/08/09 22:34
- 名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: u6VY3ouz)
完璧すぎる歌に観客や司会を含めた全員が(°Д°)ポカーン。通りかかった人たちも思わず彼女の歌に足を止めて聞いてしまっていた。
参加者1「す、凄すぎる……OTL」
参加者2「ヤベーよ、桃源郷エイリアン歌おうとしてたのにあの人の後じゃ勝てる気がしない;」
参加者3「メガボルトを練習したのにメガ負けだああああああああ!!!!!」
カズミ「戦意までブッ飛ばしたあああああああああああああああああ!!!?」
訂正。観客を呆然とさせただけでなく、彼女の後の参加者の戦意までぶっ壊してしまった(本人に悪気無し)。
あまりの出来の良さに全員勝ちを諦めてしまっている。歌を終えた翼は深く深呼吸をして気を落ち着かせると、後続の参加者に言う。
翼「皆さん、頑張ってください!(まぶしい笑顔」
参加者全員\(^o^)/
カズミ「あ、轟沈した;」
エリー「と…とにかく頑張って下さい…!(翼を連れて逃走」
更にショックを喰らいました(笑)。本人は悪気が無かったのにトドメの一撃で全員崩れ落ちた。
敗北を喫した参加者にミルキィホームズはご愁傷様と言ってそそくさと退場していった。
シャロ「はひぃ……何とか逃げ切れました……;」
コーデリア「でも凄いじゃない。歌唱部か何かに入ってたの?」
翼「わ、解らない……でも、皆が歌を聞いて幸せになれると、私も嬉しい……」
ネロ「でもあの会場の参加者、全員轟沈する事ないんじゃない?」
?「誰が海上でゴチンと頭をぶつけたって?」
ネロ「お?噂をすれば……」
何とか会場から逃げ出した4人に声を掛ける男子生徒。それはこの前完結したヴァイスシュヴァルツ小説のキャラ、風鳴音也だった。いざという時は頼れる生徒会の懐刀に事情を説明する(因みにWSの2期小説を書こうと思ってます)。
生徒会の懐刀は「なるほど」と頷いた。
音也「とにかくここじゃアレだから、どこか別の場所に……あそこがいいね」
休憩場に行き、パソコンを開いて検索を開始する。因みにこれ、別世界のニュースも掲載されるという優れもの。別世界から来た可能性が高い翼の事を調べるには十分すぎる。
音也「ニュースページに移って、検索コードは『風鳴翼』と『歌手』……あった」
検索結果に表示された記事はかなり多く、ここからしらみつぶしに捜索する。新しいものから順に探した結果、ついに発見した。
音也「ビンゴ!」
エリー「これは……『風鳴翼、行方不明!』」
コーデリア「『先日×時、ウィンドミュージック海岸にて休暇をとっていた風鳴翼さん(17)が突然姿を消した。数時間以上マネージャーへの応答が無く、警察が行方不明と判断。今も海岸を中心に捜査中である』なんなの、これ?」
確信へと近付いたミルキィホームズだが、ここで本来のシンフォギアの説明を。
ストーリーはヴァンガードと同じく現代よりも少し未来(ヴァンガードのキャラは出てきません)、ノイズという人を襲って炭化させる脅威に人類は脅かされていた。そのノイズに対抗できるのは神話などに登場する道具に由来した聖異物、それを歌の力で武装化するシンフォギアシステムだけだった。主人公立花響は謎の少女雪音クリスとの戦いや親友の小日向未来との仲違いなど、様々な苦難を乗り越えて守りたい人々の思いを受けて3人で黒幕フィーネの野望を打ち砕き、月の欠片におる地上破壊を阻止。その後、一時は死亡扱いとして行方不明だったが、最終話の最後で3人とも生還を果したのが1期。
それから3ヵ月後、1期にも登場していたノイズを統率する聖異物ソロモンの杖が奪われてしまう。その同じ日に海外から訪れた人気アーティスト、マリア・カデンツァヴナ・イヴと合同ライブを行ったが、その直後にノイズが襲撃。だがそのマリアがノイズを統率し、全世界への宣戦布告を行う。しかし物語のさなかで本来の彼女たる優しい性格と自分の使命が葛藤が合間見える。そして最終的には響たちと共闘してウェル博士の野望を打ち砕いたのが2期。
そして主人公たちが身に纏ってノイズと戦うシンフォギアシステムというのは、小型ペンダントの集音マイクユニットの形をしていて、起動用の歌を感知してギアへと再構成される。戦意に共振、共鳴して旋律を発生して、それに合わせて歌う事でその力を高められる。早い話、『歌いながら戦う』というはたから見たらなんじゃそりゃ!?と言いたくなる斬新な設定だった。おまけに第3期も製作中と言う……
だが、これに疑問を抱く者が一人……
音也(おかしい……色々原作と合っている所はあるど、ウィンドミュージック海岸なんて場所、聞いた事が無い……)
そう、本来ならRPGに出てきそうな名前の海岸なんて出てこない。
一人だけ首を傾げても、その答えは出てこなかった。
†
その夜。
バン「いやー、楽しんだな〜」
ヒロ「お祭りなんて僕らの世界じゃ結構珍しいですからね。目移りしちゃうのも無理ないですよ」
アミ「でも、本当に楽しかったのは事実でしょ?私たちから見たら昔のことだけど、かなり新鮮だから面白いわね」
ジェシカ「でもたこ焼きは勘弁してほしいけどね;」
ジン「アメリカじゃタコは食べないからね:」
港区で祭りのメインイベントの帆船レースの下見に来ていたダン戦の8人。ものの見事に祭りを楽しんだようでアスカ以外全員浴衣姿だ。
カズ「ん?あの船、まだレースじゃないのに今まで巡回してたのか?」
ラン「あの船……確か参加者の神風旅行会社だよ!」
ふとレース参加のひとつ、神風旅行会社だ。船首で社長の風輔が彼らを見つけて手を振る。
風輔「おや、皆様お祭りの帰りですか?」
アスカ「あぁ!おっちゃんたちはレースの練習か?」
風輔「はい!努力は夢という種から現実という実に成る為の水であります!皆様もご旅行の際は我らが神風旅行会社をぜひ宜しくお願いいたします!」
ユウヤ「催促どうも;」
エンジンを使ってわざわざレースの予行演習をしていたらしい。優勝する気迫が波止場からでも解る。
しかしその直後だった。
ドバァァァン!!
社員1「社長、大変です!船底に突然穴が開いて浸水してきました!」
風輔「なんですと!?」
社員2「鉄製の船に浸水だなんて……!」
カズ「おい、何か沈んでないか?」
ラン「……本当だ!さっきまであんなに快調に走ってたのに!」
突然沈んでいく船に不信感を抱いた少年たちがすぐに警察に連絡を入れて救助を要請する。
バン「何がどうなっているんだ……!」
ピンポーン!7分後。
ヒロ「酷い有様ですね……」
警察が来て無事に神風旅行会社の社員達は救助された。
風輔「こんな風穴を開けられたなんて……レースは棄権するしか無いですね」
アスカ「なんだよ。たかが一隻やられただけでもう棄権か?」
風輔「船はこれ一隻ですし、何より竜骨に重点的にダメージを受けていたんです」
ヒロ「知ってます。モンハンに出てくる骨系アイテムですよね?」
アミ「骨違いよ;竜骨は船全体のベースとなるパーツの事よ」
風輔「竜骨がやられた船は廃船するしかありません。作るにも明後日ですから時間的にも……」
竜骨は船にとって命と同然の箇所。そこをやられてしまってはもう一度造船しなければならない。明後日はレースなので、余程急がなければ間に合わないだろう。
ユウヤ「この傷、明らかに人為的に開けられたものだね」
ジン「ああ。かなり小さいが間違いない」
ジェシカ「これ、ひょっとして——」
警官「こらこら、子供が来るものじゃないよ」
警官に追い出されるまで被害に遭った船を見ていた。竜骨部分にはミニチュアサイズのチェーンソーで穴を開けられた痕跡が見られている。
ラン「レースの妨害!?」
ジン「そうとしか考えられない。確証は無いが、アルテミスの時にルーターLBXのように遠隔操作していたのだろう」
ジェシカ「ええ。小さいけどチェーンソーのような痕も見つけたわ」
あと2日に迫ったレースを前に事件は山盛りだ。
記憶喪失の少女、風鳴翼、謎の忠告をしたバグディアル商会、そして今回の沈没事故。これは本格的に何かあるだろう。
レースの妨害……!?
- 記憶喪失と夏祭りレース!:前編その5 ( No.420 )
- 日時: 2014/08/12 08:47
- 名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: u6VY3ouz)
翌日の早朝。
シグナム「風鳴か。一人でいるとは珍しいな」
翼「シグナム…さん、櫂さん」
早朝の散歩で海岸公園まで足を運んでいた櫂とシグナムが翼(探偵学園の制服を借りた)とばったり会う。もっとも、翼は電柱に隠れながらだが。
シグナム「無駄だと思うが、記憶のほうはどうだ?」
翼「……まだ思い出せません。だけど、近いうちに全部思い出します」
櫂「無理して思い出すな。身体に響く」
翼「ありがとうございます」
3人となって海岸公園まで足を運ぶ。海を見渡せば漁を行っているスピーダー漁と出くわした。
ホーゲル「おー!3人揃って散歩か〜?」
櫂「そっちは漁か。熱心なものだな」
ホーゲル「ああ!このカジキ丸は俺達と共に幾つ物荒波を乗りこなしてきた、唯一無二の相棒だ!今年のレースは俺たちが頂いていくぜ!」
こちらもやる気満々だ。船から豪快な笑い声を上げて網を引き上げる。
ホーゲル「これから港町でせりが行われるんだ!新鮮な魚介類が山盛りだぞ!」
櫂「魚介類……面白い……!」
翼「か、櫂さんが燃えている!?」
シグナム「時々思うのだが、お前魔導師よりも料理人のほうが向いているんじゃないのか;」
櫂が煉獄竜とは違う炎を燃やしながら闘気を溢れさせる。シグナムのツッコミも気のせいじゃない。
ホーゲルもそのやり取りを見て豪快に笑うと、漁船のカジキ丸が旋回して波止場に向かう。
ヴォオオオン……
櫂「!」
翼「櫂さん、どうしたんですか?」
櫂「お前達、早く逃げろ!」
スピーダー漁一行&翼「は(え)?」
叫び声と同時にカジキ丸が爆発。破片が吹き飛ぶと同時にその爆発の原因のマリンライザー・HT(ハイトルピード)が水中から現れる。
シグナム「あいつ、いつの間に!?」
櫂「御託はいい!まずは奴らの救助だ!風鳴は警察に連絡、俺とシグナムはスピーダー漁の救助と敵の撃退だ!」
的確に指示を出すと、紅雷牙にドラゴニック・オーバーロードを読み込ませ、真紅の死神の剣を翼に渡す。
櫂「護身用だ!あと、奴らは擬似召喚されているから斬り捨てて構わない!」
言うと同時にマリンライザー・HTを両断。シグナムも破片を飛び渡り、水中専用ユニットを斬り捨てる。そして魔法陣を展開して海に放り出されたスピーダー漁の人たちの救助も忘れず行う。
だが、イワシの大群の様に水中ユニットが群がってくる。
櫂「まだこんなに……!オーバーロードの剣を召喚しているからなるかみの変更は不可能……って、邪魔だ!」
囲まれながらも、リンクの回転斬りの要領で襲い掛かってきたディノダイルの群れを焼き尽くす。
櫂「全く、数だけ一人前にそろえて……!」
翼「きゃあああああああっ!!」
シグナム「風鳴!?」
間欠泉の様に群がるユニットに悪態を吐いた途端、警察に電話した翼にもオラクルガーディアンの集団が襲い掛かってきた。すかさずシグナムが助けに入ろうとするが、ラック・バードに阻まれる。
その間にもオラクルガーディアンアポロンがエネルギーを拳に溜め、翼を叩き潰そうと振り上げた。
翼「ひっ——!」
拳が振り下ろされ、土煙が上がる。だが、それは翼を捕らえていなかった。それどころか逆に振り下ろした腕が身体から両断される。アポロンが状況を飲み込む前に首を刎ねられて爆散する。
櫂「お前、何で……!?」
翼「はぁぁっ!」
櫂が目を丸くするも、翼は凄まじい速さで次々とオラクルガーディアンに斬撃を与える。そして真紅の死神の剣を一払いすると、一斉にオラクルガーディアン達が両断されて消滅した。
シグナム「(何がどうなってるか解らないが、今のうちに……!)この一撃で……!業炎一閃!」
すかさず狐火使いイヅナ、フレイムフォックス、白面金毛の妖狐タマモを読み込ませ、最大級の炎を纏った飛竜一閃で残る敵を一掃した。
シグナム「風鳴、大丈夫か?」
翼「は、はい。何とか……(なんで私、あんな技を?」
櫂「大丈夫、みたいだな」
ホーゲル「あぁ。だけど、相棒のカジキ丸がこの有様じゃ、もうレースは棄権するしかねぇ……」
無残に破壊されてしまったカジキ丸を見て膝を付くホーゲル。その時近くの草陰から怪しい男がすたすたと去っていくのを目撃する。
男「ひっ!?」
シグナム「貴様か、先ほどの襲撃の主犯は」
翼「まさか、今のはレースの妨害だったの!?」
その男をむらくも直伝の影縫いで動きを封じる。恐らくバグディアル商会が優勝を独占しようとライバルの船を潰していたのだろう。
だが、消去法で考えると次に狙われるのはスマブラ館……!
シグナム「館に行くぞ!」
- 記憶喪失と夏祭りレース!:前編その6 ( No.421 )
- 日時: 2014/08/09 22:50
- 名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: u6VY3ouz)
同日、ヨコハマ森林公園
レン「現場はこの辺りで間違いないですね」
アペックス・リミテッド部隊の3人がヴィータ、はやてを連れて現場に訪れた。豪雨から一転、今日は朝から猛暑になのでじっとしているだけでも汗が噴き出る。
テツ「どうやら今回もゲート沙汰らしいな。見ろ」
テツが指した場所は時空がガラスの様に割れた崖上だ。そこにはまるであの空間だけガラスが壊れたような痕があり、中はラメブルーやラメピンクに変色した空間が見渡せる。正直、自分から進んで入りたくない空間だ。
アサカ「間違いないわね。最近崖崩れした跡もあるわ」
レン「足跡も、一昨日の夜にできたものですね」
見るからにこの場所が原因だろう。最初に結界を展開し、外部からの侵入を防ぐ。
はやて「これがゲート……私、本物は始めてや」
ヴィータ「危ないよ。吸い込まれるぞ?」
ゲートとはクレイとこの世界を繋ぐ世界の切れ目だ。ある一定の距離まで近付いたらゲートが反応して吸い込まれ、別の世界に生じたゲートから現れる。だが、時々別世界の住人や全く関係ない世界に繋がってしまうこともあるのだ。それを確認したレンはデバイスを呼び出して剣を握る。
レン「総員、戦闘態勢準備」
はやて「はい?こないな所で模擬戦を?」
ヴィータ「!違う!何か来る!」
その時、レンの背後から幾つものミサイルが彼らに襲い掛かる。だがレンとヴィータは自分達に襲い掛かるミサイルだけを破壊した。
レン「背中を向けてる人にミサイルを撃つなんて礼儀がなってないんじゃないですか?たちかぜの恐竜ももうちょっとマナーは知ってますよ?」
?「やっぱこの程度じゃ挨拶にもならねぇか」
レンの言葉に茂みの中から銀髪の少女が現れる。赤い鎧に身を包み、腰の装填装置を開けっ放しにしたままであることから恐らく彼女が先ほどのミサイルを放ったのだろう。
テツ「自らゲートに飛び込むとは、大した度胸を持っているな。単身ならなおさらだ」
?「単身じゃねぇよ」
少女の言葉と同時に、上空から無数の丸鋸とレーザーが降り注ぐ。それをテツが槍を回転させて弾き返す。更にシュテルから見て右側、アサカから見て左側から鎌の斬激と拳が襲い掛かるも、アサカとヴィータが受け止めた。
レン「5対5……すっかり囲まれましたね」
?2「……あれ?はやてちゃん!はやてちゃんじゃない!」
はやて「え?」
赤い鎧とは違う鎧を纏った別の少女がはやてを見て声を上げる。呼ばれた肝心の星光の殲滅者は疑問符を上げる。
?3「本当だ!ヴィータちゃんもどうしてこんな所にいるのよ!?」
シュテル「はい?」
テツ「知り合いか?」
はやて「いえ。会ったこともあらへんよ?」
ヴィータ「あたしもしらねぇぞ?」
?「なるほど、そういうことか……」
レン「あ、解ってくれたみたいですね。僕達は敵「てめぇらがはやて達を洗脳しやがったんだな!?」——になっちゃったみたいですね」
完全に誤解を招いてしまい、少女たちが完全に自分達を敵視してしまった。こうなった以上、何とか彼女たちを抑えて事情を説明しなければならない。
レン「はやてさん、アルボロス・ドラゴンを使って魔法詠唱を。あれは荒事を望まない人にはもってこいですよ。他ははやてさんの援護を!」
記憶を無くした少女、レースの妨害事件、そして襲撃してきた少女。
複雑にもつれた糸が、一本の糸になろうとしてる。
長くなりそうなので今回はここまで。
次回、翼の記憶は戻るのか?少女達の正体は?そしてレースは?いったいどうなる!?
今日、レギオンレアであるドラゴニュートを入手しました。
感想OK
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