二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 記憶喪失と夏祭りレース!:中編その1 ( No.428 )
- 日時: 2014/08/14 22:01
- 名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: u6VY3ouz)
再び夏祭りネタ。今回で記憶が一部戻ります。
『前回までのあらすじ』
帝都ヨコハマの森林公園に散歩に出ていたエリーが記憶喪失の少女、風鳴翼を発見する。
同じ頃スマブラ館では夏祭りの花形、帆船レースに挑むために船を造っていた。
祭りの前日、参加者の誰かが有力候補の帆船を次々と破壊していく。そしてレン達アペックス・リミテッド部隊は報告から聞いたゲートに突入する寸前、突如現れた少女達と交戦する羽目になっていた。
カード雑誌でなのはMOVIEとSAOⅡが出るのを知った。12月にもフェアリーテイルが出るかも。
李里香&鶴来&冬雅(・ω・`*)
でも、まさか初の三部作になるとは……;予想以上に長くなってしまった……;
次から本編。
- 記憶喪失と夏祭りレース!:中編その2 ( No.429 )
- 日時: 2014/08/14 21:50
- 名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: u6VY3ouz)
BGM:Bye Bye lullaby
?「挨拶無用のガトリング、ゴミ箱行きへのデスパーリィー♪One,Two,Three!目障りだ!」
レン「全く、容赦も何もありませんね」
赤い鎧の少女のマシンガンやミサイルの嵐に攻めあぐねているレン。彼らは今はやての魔法を援護する為に全員別々に分かれて相手をしている。あの軽装のどこにあれだけ大量の火器を収納できるのかツッコミをいれず、冷静に場を見極める。
今隠れている木の陰も、いずれ蜂の巣にされるだろう。
その時、少女がマシンガンのカートリッジを装填する瞬間を見逃さなかった。
すかさず飛び出し、出来る限り間合いを詰める。
?「見えてんだよ!——Hyaha!Go to hell!!さぁスーパー懺悔タイム!地獄の底で閻魔様に土下座して来い!」
レン「マクリール!」
マシンガンが火を噴く一瞬前にレンが巨大な盾を召喚して弾丸を防ぐ。そしてそのまま接近し、モルトレッドの斬撃を放つ。
?「そんなちょせぇのが当たるか!」
だが少女も斬撃を避け、近距離の銃撃を放つも盾で防ぐ。
レン「中々やりますね。名前はなんですか?」
?「なんだ?こっちはナンパに引っかかってる余裕はねぇんだよ!地獄旅行は一人で行って来い!」
レン「馬鹿なこと言わないで下さい。事情聴取の短縮ですよ」
クリス「無茶言うなぁ。あたしはクリス。イチイバルの奏者、雪音クリスだ!」
名乗りを上げると同時にガトリングガンになり、レンに向けて乱射する。
レン「これは苦労しますね……」
?4&?5「キャハハハハハハハハ!!」
テツ「ぐっ……!」
こちらも苦戦しているようだ。ハデスの槍捌きで防ぐが、少女達の鎌と鋸の連携にカードを読み込ませる隙が無い。
テツ「全く、厄介な奴らを任されたものだ!」
悪態を吐きながらも何とか凌ぐ。だがサイコロステーキみたいに切り刻まれるのも時間の問題だ。その時、鎌を持っていた少女が深い溜息を吐いて攻撃を止めた。
?4「あー、何かお腹空いてエンジン不調デス……;」
?5「切ちゃん大丈夫?まぁ私もお腹空いてるのは変わりないけど」
テツ「食事ならお前達の事情聴取の最中にして貰おうか?」
切歌「大丈夫デス。すぐ調達できるものデスから」
テツ「何?」
調「流れるものは濃厚で舌触りが良くて、喉越しもさっぱりしてておいしい……v」
調&切歌「真っ赤な鮮血v」
テツ「すまん。今トマトジュースと聞き違えた」
おい、今なんて言った!?血がどうとか言ってたぞ!?こいつら本当に頭大丈夫か!?警察署の前に精神科に突き出す必要があるんじゃないのか!?というかテツも真顔でスルーするな!
調「大丈夫。人肉は食べないから」
切歌「人肉なんて全部喰えたものじゃないデス!(`3´)」
それでもやばい事に変わりないだろうが。お前らの食生活一体どうなっている。
調「最も……」
調&切歌「血の方は最高デス(だよ)★」
テツ「取調べは精神病棟になりそうだな;」
この2人の異常な言動に溜息を吐くテツはハデスに『漆黒の詩人アモン』を読み込ませる。十八番のカードを使って自分のペースに持ち込もうとする。
切歌「とにかく、とっとと斬られて血飛沫流すデス!」
テツ「断る!詩人の風!『Magnetkraft(磁力)』、『Stahl(鋼鉄)』!」
切歌「何をしたか知らないけど……!」
ヴゥン……!
調「きゃっ!?」
切歌「へぶっ!?ごほっ!?」
最初に斬りかかろうとした切歌に展開した文字の魔法陣を通過させ、次に近くの木に魔力を込めた文字を刻む。
その途端に切歌と調が文字を刻まれた木に吸い寄せられ、木に——いや、切歌に張り付いた。
テツ「今お前の身体に磁力を纏わせ、その木の性質を鋼鉄に換えた。暫くは動けまい」
調「っ……!」
今のままだと邪魔になると判断した調が変身を解除。鋼鉄の鎧から開放された彼女はすぐさま離れ、そしてまた変身する。
切歌「むっきゃー(怒)!おりゃあ!(ビタビタビタァ!)あーもー!鬱陶しいデェェェェス!」
切歌も相方が離れるとイガリマで木を切り刻んで解放される。が、その瞬間崩れた木片が切歌に吸い付く。だがそれさえも切り刻み、無理矢理鋼鉄の術式を解除する。
BGM:塵鋸シュルシャガナ&獄鎌イガリマ
切歌「……あーっ!もういいデス!お前の血は諦めたデス!調、こいつを切り刻むデスよ!」
調「ホント、頭に来た……!」
完全に怒りに達した2人が、展開した丸鋸と二刀流の鎌でテツを切り刻もうと襲い掛かる!
切歌「キラービートMAX、ボリュームフルテン♪脳髄の隅まで教えるDeath♪断頭の音階、背筋も凍る♪冥府のマスカレード♪」
調「わからず屋には、いいおクスリを処方してオペしましょ♪ターゲットには、容赦はしない感情をアンインストール♪」
テツ「連携してきたか!」
目の前の切歌が2本の鎌を双剣の様に振るい、その合間を縫って丸鋸の斬撃が襲い掛かる。
容赦の無い攻めにテツも押されるが、何とか切歌との鍔迫り合いに持ち込み、彼女の腹に蹴りを入れて後ろにいた調の体勢を崩す。その隙に『Schwimmer(浮く)』、『Flug(飛行)』の文字を両脚に纏わせる。するとエアホッケーのように浮かび、スケートの要領で滑らかに走っていく。
テツ(よし、あとは特定のポイントまで奴らをおびき寄せれば……!)
- 記憶喪失と夏祭りレース!:中編その3 ( No.430 )
- 日時: 2014/08/14 21:56
- 名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: u6VY3ouz)
ヴィータ&?2「うらぁっ!どりゃぁっ!」
ヴィータのハンマーと少女の拳が真正面からぶつかり合う。お互いパワー重視で、ぶつかりあった衝撃は半端なものではない。
アサカ「攻撃範囲が広すぎる……!あんなのに当たったら怪我じゃすまないわ!」
?3「ちょこまか動いて……!オート操作じゃ間に合わない!(でもあの避け方、異常すぎる……」
アサカももう一人の少女と戦いを繰り広げる。スターティング・プレゼンターのマントを使っての瞬間移動を駆使して、トリックスターの斬撃を与える。だが、レーザーの威力は凄まじく、攻撃範囲も広いので下手に攻撃を受けられない。対する少女も異様な回避に疑問を抱かずにはいられない。
?2「未来(みく)、大丈夫?」
未来「響のほうも苦戦しているね……神獣鏡マニュアル操作にシフト。オートサポート起動。これでさっきよりはましに戦える……!」
響「よーっし!最大級の一撃で一気に2人ノックアウトするよ!」
未来「援護するよ!まずはこれで……!」
BGM:歪鏡・神獣鏡(シェンショウジン)
少女、未来の脚のアーマーが自分を囲むように展開する。それが光を集束する。
未来「閃光…始マル世界、漆黒…終ワル世界。殲滅…帰ル場所ヲ、陽ダマル場所ヲ」
アサカ「何かヤバイのが来る……!ヴィータ!ライザーロードで逃げるわよ!」
ヴィータ「おう!」
アサカの指示にヴィータも何かを感じ、咄嗟にライザーロードを展開。ライザーフォームのエンジンをフルスロットルでアサカと共に逃げる。それと同時に極太の光線が発射された。威力は先ほどのレーザーの数倍はありそうで、少しでもカーブなどで減速したら直撃。確実に消し炭にされる。
未来「あの懐かしのメモリア♪二人をつむぐメロディーを♪過去も今日も…そう、そして未来も!私は絶対譲らない!もう遠くには行かせない!こんなに好きだよ♪ねえ…大好きだよ♪」
アサカ「少しでも時間を稼がないと……!ソーンウォール!」
このままでは飲み込まれると判断したアサカが『銀の茨の竜使いルキエ』を読み込ませる。すると複数の茨が複雑に交差して、巨大な壁となる。それも一つだけでない。ヴィータが通り過ぎた瞬間に茨の壁が出現する。
だが、その壁も極太の光線が直撃した瞬間巨大な風穴を開けて突き進む。
ヴィータ「どうするんだよ!このままじゃ消し飛ばされるぞ!?」
アサカ「だったら……!ヴィータ、自分の前方の斜め上にライザーロードを展開して!」
ヴィータ「なるほど!解った!」
すかさずライザーロードを坂の様に展開し、それに乗って飛び上がる。
光線はそのままライザーロードを飲み込み、空の彼方に飛んでいった。
ヴィータ「あぶねぇ……あのままだったら本当に……」
アサカ「また次が来るわよ!」
ヴィータ「え!?」
BGM:正義を信じて、握り締めて
響「響け響け!(ハートよ)熱く歌う!(ハートよ)!へいき(へっちゃら)覚悟したから!例え命!(枯れても)手とて繋ぐ!(ぬくもりが)」
アサカ「…トリックフィールド!」
響「ナニカ残し、ナニカ伝い、未来、見上げ、凛と立ってきっと花に生まれると信じて…!」
巨大ガントレットに変形させ、某ライディングデュエリストの初期エースカードの必殺技みたいに突進していく。
アサカも飛び出し、トリックスターの剣とシールドでその拳の軌道をずらすと同時に斬撃を入れる。
響「まだまだ!もう一発——」
もう一回さっきの攻撃を放とうとした時、響の身体がバラバラに切断される。
そこにすかさずアサカが蛇腹剣と化したトリックスターを絡ませ、取れた四肢を奪い取る。
響「うわああ!?身体が分裂したあああああ!?」
アサカ「大丈夫よ。このトリックフィールドで斬られた人は、死なず、流血せず、そして痛みも無い。人体切断マジックのご感想は如何でしょうか?」
響「そんな事言ってないで、早く返してよ!」
アサカ「私達に追い付けたらね!」
アサカがヴィータと共にライザーロードの急加速で一気に響達から遠のいていく。
慌てて響も追いかけるが、持っていかれたのが二の腕と脚と腰なので走行もままならない。その時未来が彼女を掴んで自分の背中に乗せて走り出す。
響「未来、ありがと!」
未来「響の身体を盗むなんてなんて奴なの!?響は私だけのものじゃああああああああああああああ!!!!」
……未来がかなり暴走気味だが。
ヴィータ「おい、あのまま2人とも倒さなくて良いのか?」
アサカ「レン様の戦術に過ちは無かったわ。ネオネクタールの魔法は植物を操るだけじゃなく、銃士以外のカードは『相手の戦意を殺ぐ』事にあるの。つまり、余計に魔力や体力を使ってまで確実に一人を倒すより、纏めて戦意を消せば次の戦いに備えられると考えたのよ」
ヴィータ「わかんねぇけど、つまりはやての所に奴らをおびき寄せろって事だな?」
色々ごっちゃになってたがとりあえず結論を纏めたヴィータは、スピードを上げ、はやての元へと急ぐのだった。
†
はやて「……」
一方、はやては詠唱に集中していた。彼女を囲むように漂う光の粒子が更に細かく砕け、粉の様に宙を舞う。
はやて「風流れる光は流れ落ちる真紅の水をせき止め、多い尽くす毒の雲を浄化する。我願う。戦場(いくさば)に悲しみ、かの地を消し去る事を……」
レン「はやてさん、詠唱は終わりましたか?」
詠唱の最後を言い終えた後、他の4人がはやての元に少女達を連れて来た。
はやて「ばっちりです!」
レン「では早速お願いしますよ!」
言葉と共に上空に飛び上がる。それと同時に追っていた少女達が急ブレーキをかけた。
切歌「飛んだ!?」
クリス「あたしに任せろ!撃ち落としてやる!」
はやて「させへん!クィーゲル・エンド!」
はやてが魔法を唱えた時、木々がざわざわと揺らめき、そよ風が少女達を包むように噴き流れる。
未来「こんな風——あれ?」
クリス「何だ……?甘いにおいが急に……」
響「あぁ〜……何か戦いなんてどうでもよくなってきたなぁ〜……」
風と共に仄かな甘いにおいが流れ、それを吸った響の戦意が根こそぎ奪われる。
次々と2人、3人と戦意が無くなっていく。
未来「うぅ……も…らめ……」
クリス「はひぃ……」
既にクィーゲル・エンドの効果に蝕まれ、ついに5人全員の戦意を根こそぎ奪い取ってしまった。
はやて「ふぅ。みなさん、おおきに」
テツ「礼はいい。奴らの聴取に移るぞ」
仄かな香りが風に流れたところでテツが降りる。
テツ「何だ!?」
アサカ「テツ、どうしたの?」
少女達の事情聴取をしようとした時、その姿を見て声を上げた。
アサカやレン、はやてやヴィータもその光景に目を丸くした。
レン「カード…?」
そこにあったのはヴァイスシュヴァルツの5枚のカードだった。
少女達の姿はいつの間にか影も形も無い。まるで電灯の電源を切ったみたいに消えていたのだ。
テツ「どういうことだ?あいつらが消えて、カードになるとは……アルボロスの能力に対象をカードに封印する効果は無いはずだ」
アサカ「戦意が無くなるのをトリガーに、発動する魔法だったのでしょうか?」
はやて「まさか、二度と戻らんのやったら私の責任とちゃうんか……?」
レン「いえ。俗に言う休息状態みたいですよ。魔力が蓄えられていくのが解ります」
どうやらあの少女たちは、カードになって力を蓄えているらしい。ここに放っていたら風に流されて行方が解らなくなる。一旦レンが預け、場所を改めて詳しく調べるために一旦スマブラ館に飛んでいった。
書き込みはまだ。
- 記憶喪失と夏祭りレース!:中編その4 ( No.431 )
- 日時: 2014/08/14 22:06
- 名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: u6VY3ouz)
同時刻、スマブラ館。
翼「酷い……」
同じ頃、スマブラ館の倉庫に来た3人が見たのは悲惨な光景だった。
倉庫の中ではリンクとドクターマリオ、そしてスタフォ組はボロボロの状態で倒れ、船も装置も使い物にならないほどに破壊されていた。
シグナム「シャマルか?すぐに来て欲しい。酷い有様になっている。理由?いいから早く来い!——ザフィーラ、リインフォース。この前の妨害事件は知っているか?あぁ。2人に調べてもらいたい事がある」
櫂「警察ですか?えぇ。えぇ。——お願いします。——シャロ達か?今翼といる。迎えに来てくれないか?」
すぐにそれぞれ連絡を入れ、現場の保存と同時にリンク達に尋ねる。
シグナム「何があった?」
リンク「すまない。いきなり妙な連中に襲撃されて……」
フォックス「それだけじゃなくてグレネードやら電磁スタンボムやら……妨害したいのか倉庫を占拠したのかわかりゃしない」
恐らくバグディアル商会が仕掛けてきたのだろう。丁度レースは明日正午。普通ならどうやっても間に合わない。しかも装置まで破壊されては手の施しようが無い。
翼「……ぅぐっ!」
シグナム「翼?」
翼「あ、頭が……!痛い……!」
突然頭痛に苦しみだす翼。憶が戻りかける合図なのだろうか。彼女をすぐに医務室に連れて行く。
そしてその数分後、警察達が駆けつけてきた。
小衣「明らかに神風旅行会社とレンタル船の破壊と関係がありそうね。一応治療が終わった奴から事情を聞いてくるわ。あと、捜査の邪魔をしないでよ?」
シャマル「酷い有様ね……風鳴さんは?」
シグナム「医務室に連れて行った。頭痛が酷かったからな」
治療を施しながら呟く。スマブラ館は少しの程度で諦めないと思ったのか、施設も徹底的に破壊したのだろう。
マスハン「とにかく我々は別の製作所を探す。他にも幾つかあるはずだ」
櫂「頼む。こっちも色々と調べてくる」
マスハンも操作と共に別の製作所を探しに行く。その時、シャロがどたどたと倉庫の中に入ってきた。
シャロ「たたたたた、大変ですぅ〜!!!」
マスハン「!?いったいどうした!?」
コーデリア「そ、それが……!櫂に言われた通りに医務室に来たんだけど、翼さんがいなくて代わりにこんな物が……!」
慌てて駆けつけたコーデリアの手には一枚の紙が。それを櫂が受け取ると、それに書かれた内容を読む。
『エリーさん、そしてミルキィホームズの皆さん。私を助け保護してくれた事は感謝します。けど、これ以上貴方達に迷惑を掛ける訳にはいかない。この船の損傷の事件の根本的な原因は、元の世界でバグディアルを討てなかった私にある。もうこれ以上皆に迷惑を掛けたくありません。勝手に立ち去って心配しているだろうけど、必ず戻ってきます:追伸 櫂さんのくれた剣、もうちょっと借ります』
シグナム「この文章、まさか記憶が戻ったのか?」
マスハン「バグディアル……間違いない、バグディアル商会の連中だ!」
ネロ「まさか、単身で殴りこみ!?」
どうやらあの頭痛が原因で記憶を全て取り戻したらしい。そして人目が無くなったのを見計らい、書置きを残して去って行ったらしい。
レン「一体どうしたんですか?「お前も来い!」はい!?」
その時帰って来たレン達が戻ってくる。だが、その途端櫂に襟首を掴まれてそのままバグディアル商会へと飛んでいった。
†
バグディアル商会本社:最上階『社長室』
翼「ぐっ……!」
バグディアル「全く、折角拾った命を自分から捨てるなんて馬鹿げていて笑えるよ」
敵の本陣の地下で捕らわれた翼が十字架に磔にされたように縄で縛られ、その下に水を入れた巨大な水槽が佇んでいた。
翼「説明するだけ無駄だよ。理解なんて出来ないくせに……!」
バグディアル「そうかい」
狂気にも見える粘着質な笑顔で指を鳴らす。途端に縄が緩み、翼が水槽の中に沈む。
翼「がぼごぼぶぐごぼがば……!」
バグディアル「獲物をみすみす殺すのは惜しいが、まあ代わりがあるから良いか。トドメを刺せ!」
早々に止めを刺そうと水槽を戻し、鋼鉄製のプロテクターを着けた大男のボディーガードが翼の前に立つ。
バグディアル「この攻撃を喰らえば華奢な君の身体は潰れるだろうね?さぁさよならだ!」
ボディーガードが突進しだす。このまま喰らえば確実に粉々になるだろう。翼も死を覚悟したその時だった。
ズガァァン!
突然床から銀色の巨大な針が床から現れ、ボディーガードの行く手を阻み、更に翼を拘束していた縄が切断される。
リインフォース「無事か!?」
翼「は、はい!」
バグディアル「捜査局の連中だと!?えぇい、こんな時に!」
現れたのは前もってシグナムから連絡を貰ったリインフォースとザフィーラだった。予想外の2人の登場にバグディアルは苦虫を噛み潰したような表情になる。
ザフィーラ「お前たちの事は調べさせてもらった。少なくとも集団暴行と違法カードローダー使用の罪は免れないぞ?」
バグディアル「あとちょっとのところで……!全員生かして帰すな!」
すかさずバグディアルが一気に複数のアンチバトロイド・ガンナーが現れる。正直この場で逮捕できるのだが、丸腰の翼をかばいながらあの強力なバズーカを発射する彼らを相手にするとなると、最低でも彼女の護衛を先決しなければならない。
櫂『(おい、聞こえてるか?)』
ザフィーラ『(櫂?今どこにいる?)』
櫂『(事情はいい。とにかく、窓のシャッターを開けて、窓際から離れろ!)』
その言葉にザフィーラはリインフォースに思念通話で伝え、人間形体に変身したザフィーラが鋼の軛を繰り出し、壁代わりにしたと同時にリインフォースが壁のシャッターの開閉ボタンを押す。
ガシャアアアアアン!!!
ザフィーラ&翼&リインフォース&バグディアル「うおぉぉぉぉ!?」
その時無人のバリィがガラスを突き破り、アンチバトロイド・ガンナーを巻き込んで爆発した。直後に櫂、レン、シグナムが乗り込んでくる。
リインフォース「な、何て無茶苦茶な!」
櫂「仕方あるまい。素直に階段を駆け上がるより確実に早い」
翼「櫂?!何で……!」
櫂「勝手に飛び出して……エリーが心配していたぞ」
ずぶぬれでボロボロの翼に櫂が歩み寄る。だがそこにバグディアルが立ちはだかった。
バグディアル「ちょっと待て!お前も捜査局の一員だな?」
レン「お生憎様。今は彼女の救助が先決ですのでね」
バグディアル「何がお生憎様だ!捜査局の魔導師相手でも構わん!叩き潰せ!」
すぐにアンチバトロイド・ガンナーが大砲を発射。爆煙が巻き起こる。その煙が晴れたあと、もうそこに櫂達の姿は見当たらなかった。
バグディアル「どこへ消えた!?えぇい、草の根分けても探し出せ!」
- 記憶喪失と夏祭りレース!:中編その5 ( No.432 )
- 日時: 2014/08/14 22:26
- 名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: u6VY3ouz)
帰還
スマブラ館。
レン「帰りました〜」
バグディアル商会本社から逃げ遂せた櫂一行。リビングで待機していたアサカとテツ、ミルキィホームズの4人が迎えに来てくれた。
エリー「翼さん、本当に記憶が……」
翼「うん。だけど、まだ全部じゃないの。ごめんなさい……」
レン「与太話は良いでしょう。問題はこのカードからどうやって」
レンが5枚のカードを見て困り果てた声を上げ、カードを上空に投げた。
響&未来&クリス「え?ぎゃああ!?」
全員「!?」
なんと、カードになっていた少女たちが元の姿に戻ったのだ!厳密に言うなら元に戻ったのは響き、未来、クリスの3人で、調と切歌はデフォルメされた
響「あたた……;って、翼さん!」
クリス「なんだよ、無事なら無事って何で言わなかったんだよ!」
翼「え?え?」
アサカ「あー、ちょっと待って。実は彼女……」
※鳴海さん少女達に説明中。
響&未来&クリス「記憶喪失ううううううううううう!?」
やはりこうなったか;説明を終えたアサカに少女3人が鬼気迫る表情で3人同時に問い詰める。
ギャースカ喚く少女たちを抑え、レンが呑気に言い放った。
レン「まぁ、今朝の騒動で記憶も少し戻ったみたいですし、これからドンドン記憶が戻るはずです。皆さんで頑張りましょう」
翼「はい。まだ皆さんの事は私は知らないけど、必ず思い出して見せます」
響「……なんか、居心地の悪い気が……;」
クリス「あいつツンケンしてるからな;急に丸くなって逆に気味悪い;」
未来「そんな傷ごと抉る真似はしないでよ;」
翼(´・ω・`)
完全に傷心したぞ;
その傍らでコーデリアとヴィータがデフォルメの調と切歌に指でつついている。
ヴィータ「この子らは、テツの戦った調と切歌って奴か?」
響「気をつけてくださいよ?害の無いデフォ化でも、その子達は危険ですからね?」
コーデリア「なるほど……(ガブッ!)いっだぁ!?」
響たちも翼に会えてホッとしている様子だ。次にザフィーラ達はどうだったのだろうか?
ザフィーラ「どうやらある実験をしていたらしい。しかも違法な方法でだ。恐らく船の破壊も世界樹のオブジェが目的なのだろう」
ネロ「実験?」
翼「私にもそう言っていました」
リインフォース「そのために違法カードローダーを使い、こんな騒ぎを起こしたのか。人間の野望に、まともなものはないんだな」
ザフィーラ「全くだ。データの中に入れるカードを使って調べてみたが、見るに耐えない内容だったぞ。お前たちがゲートを閉ざし、異世界にクレイのユニットの存在を知られたくないのも頷ける」
ヴァイスシュヴァルツのカードに存在するキャラ、異なる世界に生まれた同一人物、そして世界樹の枝のオブジェ。ここまで来るともうただの記憶喪失の少女を保護したなんてレベルで済まされない。
ここでふと、場違いな質問がシグナムの口から出た。
シグナム「ところで、主とヴィータとシャマルはどうした?」
リインフォース「そういえば、さっきから見かけてないな?」
コーデリア「痛たた…;それならこの場所にいるわよ(地図を指す」
クリス「何か別の用事でもあるのか?(デフォ調とデフォ切歌にトマトジュースを与えてる」
コーデリアの指した場所は海鮮市場の卸売り市場だった。
その場所に行ってみると……
翼「これは……」
その施設の一部を借り、造船を行っていた。スマブラファイターだけでない、他の世界のキャラも手伝っている。
翼「皆さん、何を……?」
リンク「船の修繕だ」
翼「そんな……レースは明日ですよ!間に合うはずが無い!」
ウルフ「間に合わないんなら間に合わせるまでだ」
翼「無茶苦茶な道理で……!第一、何の理由で?」
翼が言葉を投げかける。その言葉に一同は一言で返した。
全員「意地!」
クリス「だけ!?たった2文字だけか?!」
はやて「何もせぇへんなんて、あの人達には似合わへんやろ?私らもこうしてお手伝いしてるんや」
ホーゲル「場所は俺たちが用意したぜ。俺の相棒のカジキ丸の一部を使うのを条件にしたけどな」
風輔「材料が足りないそうじゃないですか。我々の船も、解体して使ってください。警察も写真を撮って証拠の確定が済みましたし」
ユウヤ「神風旅行会社の皆さん!」
マスハン「よっしゃあああ!これで我がイメージの設計図が出来上がる!感謝する!」
はやて「ごはんのおにぎり、足りなくなってしまうかもしれへんな?」
シャマル「私達も手伝います」
ヴィータ「あたしも!」
全員、あんな目に遭ったにも拘らず、全員諦めてなんかいなかった。目を丸くする翼たち。直後、エリーが動き出す。
エリー「私達も…手伝います……」
シャロ「解体とかならあたし達でも出来そうです!あ、そうえいば——」
思い出したようにシャロが小さなペンダントを渡す。
未来「まさか、シンフォギア抜きで乗り込んだんですか!?」
響「まぁ、記憶が無くなってたら無理も無いけど;」
翼「……私の、ギア……」
クリス「うっし!あたしらもやるっきゃねぇな!」
完全にやる気を増した一行。船の造船もこれだけの人数なら一日で終わらせるのも夢じゃない。
翼「……本当に、ありがとう」
響「あれ?翼さん、涙が……」
響に指摘されて目元をぬぐう。確かに翼はいつの間にか涙が流れていた。
翼「あれ……?もう泣かないって決めてたのに……」
響「あ、そうだ!市場にあったラジカセとこのCDで……」
響がバッグから『不死鳥のフランメ』を取り出し、卸売り市にあったラジカセにセット。
ウルフ「ほぉ、中々いい曲じゃねぇか」
クレハン「よし!やる気もみなぎってきた所で総動員で一気に造り上げるぞ!」
全員「オォーッ!」
音楽が流れた事で意気込みも最高潮に達し、全員造船に精を出す。全員の顔に、諦めの文字は微塵も無かった。
- 記憶喪失と夏祭りレース!:中編その6 ( No.433 )
- 日時: 2014/08/15 19:45
- 名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: u6VY3ouz)
レース当日。
昨日、一昨日と比べて今日は物凄く賑わっていた。理由は簡単。今日は夏祭りの花形の帆船レースが開催されるのだ。
観客1「な、なんだありゃあ!?」
河川をぎりぎり渡れる横幅に三階建て建築物に匹敵する大きさのガレオン船だった。帆が屋台や建物に当たるんじゃないかと冷や冷やする。
観客2「なんてサイズだ……あんなのに敵う奴らがいるのか?」
バグディアル「敵う?出場者も無いのによく言うよ。他の連中の帆船はすべて破壊してしまったからな」
巨大船の船内でバグディアルが一人ほくそ笑む。レース開始はジャスト正午。後3分でレースが開催されてしまう。
バグディアル「レースまでもう少し。エンパイア号の優勝パレードの始まりだ……」
開催者が腕時計を見て開始の手を上空に向ける。その時だった。
マリオ「ちょっと待ったぁ!」
マリオが開催者に待ったをかける。同時にスマブラ組が製作した帆船も波止場に到着した。
マリオ「スマブラ連合も出場するぞ!」
バグディアル「な、なんだと!?」
スマブラ連合の船はヨットやクルーザーと同等の大きさで、大きさならエンパイア号とは比べ物にならないだろう。だが、小さい分小回りも効き、重量による減速も抑えられる。
リンク「バグディアル商会。優勝商品は俺たちが貰う!」
ファルコ「今までの礼は利子を付けてたっぷり返してやるよ!」
バグディアル「……上等だ。ならばここで轟沈させてやろう!」
一触即発の2人に感化されて観客達も熱気が上がる。
開催者「では改めて、3日間の夏祭り最後のイベント、帆船レースを開催する!バグディアル商会とスマブラ連合の一騎討ち!」
と、ここでルール説明に入らせて貰います。
『ルール』
1:毎年選ばれた3つの島に設置したフラッグを持って廻り、そこから数キロ先の無人島で旋回。特定のコースを添ってゴールのこの波止場に先に到達したチームが優勝となる。
2:基本、風を使っての操縦なのでエンジンの使用は禁止(確認できたら営業チームが取り外される)。
3:戦闘スキルは相手に攻撃しなければ自由に使用可能。相手の帆船に攻撃は勿論禁止(このルールを破ると強制失格)!
4:船に乗る人数は何人でも構わないが、最低14人まで。召喚されたモンスターは5体まで1体として数えるが、6体以上はその数として扱う。例えば7人のチームがソードフィッシュ6体を召喚したとする。こうすることで5体まで9人だったチームが14人になる。
今回廻る小島は火竜島(かりゅうじま)、黒金島(くろがねとう)、霊騎士の島の3つにフラッグを設置した。距離的にも内容的にも最大級の難易度だろう。因みに前半のルートは決まってないので自由に選んで進めるのだ。
ルールを説明した開催者が改めて右手を上げる。
開催者「よーい……」
リンク「歯を食いしばってなにかに捕まってろ」
響&未来クリス&翼「え?」
空砲代わりの花火が上がり、それと同時に12時になる。
その時、爆風のような突風が発生し、スマブラ連合の船が水面から飛び上がってスタートダッシュを大きく進んでいった。
響&未来クリス&翼&ヴィータ&ユウヤ「ぎゃあああああああああああ!?!?」
トゥーン「大丈夫?」
翼「あ、危く放り出される所でしたよ……;こんな突風が毎年あるんですか?」
トゥーン「そうだよ。レンタル船もこの突風を利用したものが多くて、スタートダッシュで船同士が衝突事故を起こすのも稀じゃないんだよね;」
ウルフ「とにかく突き進むぞ!」
突風からスタートダッシュで飛ばしたスマブラ連合は海原の先へと航海を開始した。
†
おまけ1※造船中
「おにぎりの具」
響「私達も食べて良い?朝から何も食べてないから」
はやて「どうぞ。せやけど何でそない急いでたんですか?」
未来「響があの裂け目を見つけたんだ。それで私達を連れてあの中に入っていったの」
コーデリア「なるほど……って、あれ?」
クリス&シャロ「……」
ネロ「どうしたの?」
ヴィータ「おい、それってシャマルの作った奴じゃねぇのか……;」
シグナム「……一つ聞く。何を入れた?」
シャマル「……トウガラシ2個と半分をみじん切り。それを2個……;」
クリス&シャロ「〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!(大急ぎでトイレへ」
ザフィーラ「引き当てたか……」
リインフォース「ある意味凄い引きの強さだな;」
おまけ2※レース当日
「クロスフレイム&クロスサンダー」
響「そうだ、調ちゃんと切歌ちゃんも呼んでおこうか」
※調と切歌をデフォからノーマル状態に戻す。
調&切歌「……キ」
レン「き?」
調&切歌「キタ—————(°∀°)—————!!!」
ヴィータ「何だ!?」
切歌「人人人!人の海デス!血の海デス!キャッホオオオゥイ!」←斧装備&狂喜
調「飲み放題浴び放題飲み放題浴び放題飲み放題浴び放題飲み放題浴び放題飲み放題浴び放題(ry」←チェーンソー装備&目がヤバイ
調&切歌「突撃じゃあああああああああ!!!」
リンク「待てコラ(2人の頭を掴んで止める」
切歌「なんで止めるんデスか!これだけの人の山なんデスよ!それをみすみす見逃しなんて出来るかああー!バイキングで何も食べないのと一緒デスがああああああ!!」
調「これだけの量……飲み切れるかな……?ヴァンパイアの私達でも飲み切れるかな……?(興奮状態」
ヴィータ「ヴァンパイアが何で昼に行動するんだよ。日の光受けたら灰になるんじゃないのか?」
切歌「あれデス……昼型ヴァンパイア」
ユウヤ「夜型人間だから朝起きられないからって夜起きられない言い訳にするなよ!」
櫂「ちょっと待て。2人とも、話がある」
レン「櫂、何やるんでしょうか?」
〜2分後〜
トゥーン「ねぇ、この大量のトマトジュースって何に使うの?」
クリス「こいつらのエンジン代わりだ。サンキューな」
トゥーン「それでこの黒コゲの人は?」
調&切歌「」←両方とも黒コゲ
響「大丈夫。クロスフレイムとクロスサンダーのWアタックを喰らっただけだから」
レン「言い訳界の革命児ですね」
未来「どうせなら戦艦タ級と戦艦ル級のほうが良いんじゃないかな?白黒つながりだし」
レン「本当は櫂のかげろうとなるかみの炎と雷なんですけどね」
リンク「言ってやるな」
次回いよいよクライマックス!つか、今回長すぎだろオイ……;
感動おk。