二次創作小説(映像)※倉庫ログ

怪盗と探偵の争奪劇:探偵1 ( No.651 )
日時: 2015/02/15 13:21
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: .4mFzsId)

さぁ、次は探偵側です!探偵はいったいどんな推理を見せるのか……?





ソニック「日本を今一度、洗濯致し申し候!」

ルキナ「???」

ソニック「この台詞、誰の言葉だ?」

学校の帰り道、唐突にルキナのクラスメイトのソニックが変な台詞を言う。突然の質問にルキナは心当たりがありそうにも、思い出せないその言葉に首を傾げていた。

ピット「『坂本龍馬』じゃない?龍馬の姉に宛てた手紙にそう書いてあったよ」

そこに助け舟の如く、帰宅途中のピットが答える。

ルキナ「すごーい、良く知ってたましたね!」

ピット「て、テレビで見たんだよ!」

ルキナ「それで、何でソニックが坂本龍馬の言葉を?」

ソニック「実は、先週から始まった『龍馬展』ってのを、鬼亀美術館でやってんだ。そこに参上するって予告状を出したのが、あの怪盗ファンタジアって訳ぜよ!」

ルキナ「ぜ、ぜよって;土佐弁になってる;」

ソニックがふざけて土佐弁を使ったことにルキナは目が点になって呆れる。だが、ピットはひとつ気になるのか、その情報を知ってそうなソニックに聞く。皮肉めいた感じに。

ピット「でもさ、ファンタジアはビッグジュエル専門でしょ?そんな所に予告状を出すほどの物なんて無いでしょ?」

ソニック「なんだよ生意気だな。だが残念。そのビッグジュエルは、ピストルと弾を受け取った時に貰ったガンベルトに埋め込まれたルビーがあるんだぜ?」

ピット「え、嘘!?」

それならファンタジアが狙うのも無理は無いだろう。だが、未だに信じられないピットは怪訝そうに尋ねるが、ソニックは「それに関する手紙や腕の立つ鑑定士が太鼓判を押したから間違いない!」と反論する。

ルキナ「多分本物でしょう。あのクッパさんが手に入れたんですから」

ソニック「いや、実はそのベルトを目玉にしようとしてた奴が頑なに断ってな;仕方ないから展示会をするなら自分所でやれっておやっさんが言ってたんだ」

因みにおやっさんとは、ソニックがクッパを指すいわゆるあだ名らしい。
ルキナは意外だと相槌を打つと、「ファンタジアが狙ってるから」と続ける。しかし、それにもまたソニックは申し訳なさそうに手を振る。

ソニック「oh……実は、今回はちょっと違っててな……;」

ルキナ&ピット「はい?」

ソニック「Stolenした品を返すらしいんだ。今回は」

申し訳無さそうに説明するソニックにルキナとピット唖然。あのファンタジアの予告状だけでも大きな騒ぎだが、怪盗が盗んだ品を返しに来るなんて前代未聞だ。
予告状には3つの品、拳銃と書きかけ手紙と杯を返すと書いてあったのだ。

ルキナ「意外にも限度ってものがあるじゃないですか;でも、なんで返しに来るんでしょうか……」

ピット「さぁ?ガンベルトのルビーを盗むだけならわかるけど」

ソニック「今ここでとやかく言っても意味無いだろ?美術館は近いから帰りがてらに行こうぜ」

幾つか頭に引っかかる疑問があるも、ソニックはそれを払いのけてその美術館へ行くのだった。





鬼亀美術館


3人が来た時には、既に客の行列が並んでいた。あの予告を聞きつけた野次馬は今か今かと開館を待っている。

ルキナ「凄い人気ですね」

クッパ「昨今の龍馬ブームに加え、ファンタジアの予告が原因だからな。最も、我輩なら新聞広告やテレビCMを使って客をこの数倍にしてやれるがな」

ソニック「けど珍しいな。おやっさんが他人の展覧会の為に場所を貸すなんてよ」

クッパ「ふん、彼奴に盗まれるのにトーシロに任せる訳にはいかんからな」

クッパが愚痴を零すように説明を入れる。
その展覧会の主催者、ワリオはこれまでブームが起こる度に展覧会を開いているが、ずさんな警備が原因で毎度毎度品物を盗まれていると言っていた。
クッパも最初は彼に場所を貸す気は毛頭無く、買い取ろうとしたのだったが、限界まで値切ったのに断られた上に自分の鑑定家に見せてもくれなかったと思い出すように説明を入れる。

クッパ「あれでファンタジアが釣れるかどうか不安だったからな」

ワリオ「けど、釣れただろ?結果的に。最も、奴の狙いはガンベルトじゃなかったが。だよな?」

ワルイージ「そうそう。牛革の創りやバックルのルビーは素晴らしく、しかも龍馬自身がそれの図解をしている。本物としか言えないだろう」

ピット(ワルイージ……その目利きは確かだけど、法外な鑑定料だから滅多に依頼を受けない鑑定家だったね……)

それはともかく、ワリオの催促により4人は一足先に美術展に入る。
そこにはあのガンベルトが展示されており、更には歴史とは関係無い美術品が色々並べられている。思わずピットも「何でもアリか」と呆れ返る。
クッパと言うと、本物かどうか怪しそうな目で疑っていて、それに伴いワリオとワルイージも展覧会が終わり、怪盗ファンタジアから守りきったらクッパの鑑定士に見て貰えとふっかけ、別の場所に移動していった。

ピット「まさかこの美術品に凄い保険金を掛けてるとか?」

クッパ「そう思って調べたが、雀の涙ほどしか無かった。入場料も安いしあれじゃ大損だぞ」

ソニック「んで?おやっさん。今回の対策は何だ?」

クッパ「無い」

ソニック「即答かい!?」

クッパ「当たり前だ。奪いに来るならともかく、返しに来る奴を拒んでどうする。しかも、3つとも懐に忍ばせ易いからな。あのスペースを確保するのが精一杯だったわい」

クッパが指した所は四方を紐の策で囲い、立て札に「怪盗ファンタジアお宝返却予想地」だった。
しかも、今回の予告状には日時を示す、それを匂わせる文章が無いのだ。
模倣犯かと思われたが、そこに警備に訪れたスネークが一蹴する。

ソニック「まさか、日を改めて予告状を出すとか?ほら、今はダメでも都合が良い日を待ってるとか」

ピット(だとしても、何を待ってるんだ……?)

怪盗と探偵の争奪劇:探偵2 ( No.652 )
日時: 2015/02/15 13:51
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: .4mFzsId)


そして開館。行列が待ちに待ったと言わんばかりに龍馬展に入る。
昨今の龍馬ブームの影響で、館内も大盛況だ。ただ……;

ピット(一番人気が「お宝返却予想地」とは……;龍馬も泣いてるよ絶対;)

いや、恐らくサングラスで見えない上に良く笑うから、よく見ないと涙を流しているのに気付かないだろう(いや、坂本違いでしょbyピット)。そんなコントはともかく、ピットはルキナに言う。

ピット「ちょっと外見回ってくるよ」

ルキナ「あんまり離れないでくださいね」

それと同時刻。人込みから少し離れた所で警官が一人、終始そこを見ながら警備していた。

ファンタジア(あの人、中々盛り上げてくれるわね)

その人込みの中、一人の男がペットボトルを投げる。



ジリリリリリ!!!



その途端、ブザーが鳴り響き、男が人込みに紛れた警官に連行されていった。

ファンタジア(なるほど。あそこだけ重力センサーを掛け、人込みに紛れ込んだ警官が不審者をすぐに取り押さえるって事)

その仕掛けを確認した後、ファンタジアは再び警備に回る。


ドンッ!


ファンタジア「おっと。ごめんね」

ふと廊下で誰かとぶつかる。相手は自分より年下だったが、振り向いた途端ファンタジアは極力表情に出さずにはいたが驚いた。そしてふっ、と笑うとその場から去っていく。

ルキナ「大丈夫?」

ピット「あ、うん」




鬼亀博物館、2階。

ファンタジア「全く、また邪魔しに来たのかしら?」

ヴィズ「一通り見たが、結構入念だな。どうせ盗られてなんぼの品だろ?」

ファンタジア「そうでもしないと怪しまれるわよ。それに、厄介な客もいるし」

ウィズ「……らしいな」

警官姿のウィズが1階を見下ろすと、館内を一人歩いているピットを目撃する。

ファンタジア「さて、そろそろ次の予告状、彼らに叩きつける?」

ウィズ「いいねぇ。で、文面は?」

ファンタジア「ちゃんと考えてるわ。今回の仕事に相応しい、最高の文句を」

ファンタジアは彼に予告状を出すと告げる。
そのままウィズは外に、ファンタジアは龍馬展の警備に戻っていった。







従業員「相談役ー!」

クッパ「どうした騒々しい」

従業員「た、たった今、ご自宅のポストにこんなものが……!」

それを聞いたクッパが従業員から手紙を取る。それには、黒線でデザインされた三日月が……!

クッパ「ファンタジアの予告状か!!」

スネーク「なんだと!?」

ピット「!!」

それを聞いたスネークとピット。そしてクッパがその文面を読み上げる。

クッパ「『明日20時、閉館間際に3つの品を持参し、幕末の志士の名の下に、今一度選択いたし申し候』……!」

文面を読み終えた途端、野次馬たちが一斉に沸き立ち、ファンタジアコールを上げる。
ピットがその文面の意味に、美術館を飛び出す。そらは一面雷鳴の鳴る曇天であり、今にも振り出しそうだった。


感想まだ。

怪盗と探偵の争奪劇:探偵3 ( No.653 )
日時: 2015/02/15 14:18
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: .4mFzsId)


その夜。
閉館直後にも拘らず、昼間の3倍近い客が列を成していた。あのファンタジアの予告状に、いち早く彼女の姿を拝もうとファンが押し寄せているのだ。

スネーク「しかし解らんな。一体何故奴は今になって予告状を出し直したんだ?」

ピット「雨を待ってたんじゃないかな?」

スネーク「なにぃ?」

ピットの推理にスネークが声を上げる。外は今にも降りそうな曇天な上、明日は雨だ。『洗濯』をするにも『水』が必要。それであの予告状に洗濯なんて言葉を加えたのだろう。

クッパ「だが解らんのはファンタジアがどうやって雨を利用するかだ」

スネーク「この部屋の屋根に爆弾を仕掛けて、天井を吹っ飛ばす気か?」

クッパ「バカ言え。開館前にスタッフがチェックを入れているが、そんなものは無かったぞ」

ソニック「服はどうだ?レインコートやカッパを着てるし」

ルキナ「それに乗じて潜り込む!ですね!」

怪盗ファンタジアの予告状にあった『雨』と言うワードに、ソニックとスネークが自分なりの推理を立てる。
そんな中、スネークは明日の龍馬展を中止して客を締め出す案を提案する。今度は睡眠ガスや変装対策も十分に考慮しているらしく、自信満々で意気込むが、ワリオとワルイージによって一蹴されてしまった。

ワルイージ「ファンタジアを捕まえられるかどうかは、あなた方の技量次第。それに、ちゃんと守って頂きたいものですな。ファンタジアがあの3点を返す駄賃として、今回の目玉である、ガンベルトを狙っていると噂もありますからね」

ワリオ「とにかく信用しているからな。あなた方警察をね」

まるで皮肉を言っている様な捨て台詞を吐いて去っていくワリオとワルイージ。彼らに対してスネークは皮肉を吐き捨てるように言った。

スネーク「ったく、信用してるならちゃんと協力しろってんだ!」

クッパ「しかし参ったな。客が大勢いれば容易く進入されるぞ」

ピット「一応それに対しての方法は1つあるよ。ほら、例の予告状だよ」

ピットに言われ、クッパがさっきの予告状を取り出す。

ピット「だって今回は、盗むんじゃなくて返すんだよ。しかもその一つはピストル。だったら、飛行場みたいに金属を見つけるゲートを置けばいいよ。ピストル持ってる人がファンタジアだもん」

スネーク「それは俺たちも考えてたが、上からストップが掛かったよ。『盗みに来たのならともかく、返しに来る奴がそれを見たら、返しに来るのを止めるだろ』ってな」

ピット「なら、入り口じゃなくて博物館の中の、この龍馬展の前に置いたらどう?お客さんが足止めされないように沢山!」

クッパ「そりゃ名案だ!」

スネーク「え?」

クッパ「ついでに手荷物の中を調べるX線センサーも取り付ければ完璧だ!」

ピットの案にクッパも乗り気だ。だが、明日にはその予告時刻であり、到底間に合わないだろう。スネークもそれは解っている。

スネーク「だが開館は明日だぞ。間に合うわけが無い」

クッパ「案ずるな。我が鬼亀財団にかかればそんなもん、赤子の手を捻るより容易いわ!そのゲートでひっ捕らえるのもよし、それを見て恐れをなして引き返すなら、そいつがファンタジアだ!すぐに取り付けにかかれ!一晩でこの博物館を対ファンタジアの巨大ネズミ捕りにしてやれ!」

確かに。ただでさえスポンサーとかを大々的に使う人なら、それこそ寝ながらできそうな勢いだ。

スネーク「さっすが金持ちはやる事が派手だな;よしお前ら!予め奴がピストルを用意している可能性もある!金属探知機を使って美術館をくまなく捜査しろ!」

警官「了解!」

クッパに続きスネークも指示を仰ぎ、すぐに作業に取り掛かったのだった。





そして翌日。
美術館の龍馬展の前で、3つのゲートが設置されていた。

ソニック「さっすがおやっさん!やるなぁ!」

ルキナ「本当、凄い……!」

彼の財団の力とその行動力に改めて感心するソニックとルキナ。だが、ピットだけは腑に落ちない感じがしてならない。

ピット(おかしい。あんな予告状を出したんなら、これくらいは予想できたはず。それに、奴が雨をどう利用するかも最後の一行もまだ解ってない。ただ単に洒落で龍馬の言葉を使っただけなのか、それとも本当に何かを洗濯しようとしてるのか……怪盗ファンタジア、一体狙いは何なんだ……!?)

——降り注ぐ雨の中、そして大勢の客の中。美術館と雨を舞台に、探偵と怪盗の争奪劇の幕が、上がろうとしていた……。





(幕が下りて暗転する)





(スポットライトがピットを照らす)

ピット「さぁ、次はいよいよ物語のラストだ!前代未聞のお宝返却!ファンタジアの本当の狙いとは!?争奪劇のラストをお楽しみに!」


感想おk。