二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Fleet of Silver Soul:その1 ( No.673 )
- 日時: 2015/03/15 15:16
- 名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: .4mFzsId)
今回は艦これ改発売催促にちなんだ銀魂パロ2本立て。因みにキャストは伊村s以外は全員うちの鎮守府にいる人たちです。
妹も兄もやってんだもんPC2台じゃ追いつかないよOTL。しかも、両方無駄に卓越してるし。
始まりは、たった一つの占いコーナーから始まった。
叢雲『本日ショートランド泊地では、あたたかい快晴となるもようです。しかし、東側から妖しげな雲が流れてくるので、例え雨が降っても私の所為にしないでよね。それでは、深海棲艦sのブラック正座占いです』
いつもの様に、歯を磨きながら占い番組を見てる駆逐艦時雨と、朝食の準備をする駆逐艦暁。
そして最初に今日最低の運勢が表示される。
叢雲『本日最も運勢の悪い方は、おうし座。今日は何をやってもうまくいきません。家で大人しく待機しているように』
時雨「何か朝っぱらからツイてないね。テンションも下がるよ」
暁「そんな事言わないでよ。大体、レディが歯を磨きながらテレビなんて見ないでよ」
いつもの日常の光景だ。因みに誰かが「元々軍艦だから誕生日関係ないだろ?」とかほざいてる方に説明するが、艦娘の誕生日は元となった軍艦の進水日と同じである。例えば3月3日にシブヤン海の海底で発見された武蔵の進水日は11月1日。つまり誕生日もそれに反映されるのだ。
しかし、女子アナの一言によって字体は一変する。
叢雲『特に、おうし座で、軍事業に就いていて、今歯を磨いているか、朝食の準備をしている方……』
叢雲『今日死にます♪』
時雨&暁「えええぇぇぇぇ!?!?」
叢雲『そんなおうし座のラッキーカラーは赤!赤い衣装で血塗れの自分を隠しましょう!』
時雨「どんなラッキー!?全然隠せてないよ!モロバレルだよ!」
叢雲『それでは皆さん、よい週末を〜♪』
時雨「送れるかぁ!」
とんでもない占いに不機嫌になりながらもテレビを切る時雨。歯を磨き終えて暁と共に朝食の準備に取り掛かる。
暁「ったく、テンション駄々下がりにも限度があるでしょ限度が。そんな占いで一々戦果が左右されてみてよ。日本が海外全部を相手にしても勝てたかもしれないよ?ねぇ、文月?」
暁が皿を並べながら愚痴を零す暁。最後の1枚を置いた所で古鷹に同意を求めようとした所、古鷹が赤いマフラーを差し出した。
古鷹「これ、あたしのマフラー。大丈夫。洗っておいたから」
そう言って去っていく古鷹。そんな彼女に暁はドン引きするも、一応マフラーを受け取った。
暁「何あれ?何が大丈夫なの?」
時雨「あんな態度取っておいて実は意外と心配性なのかも?ね、千歳さん」
時雨も千歳に同意を求めようとした所、彼女もまた赤いハンカチを時雨に渡した。
千歳「これ、私が昔使ってた赤いハンカチ」
そうしてまた彼女も去っていった。流石にここまでくると不気味に思え、不安感も積もる。
その時だった。
?「このぉ……アホンダラどもぉぉぉぉ!!!」
時雨&暁「おっごぉ!?」
突然背後からのドロップキックに2人とも防御する暇も無く直撃する。襖をぶち破るほどの蹴りに何とか身体を起こす。そして、襲撃者の顔を見た途端、3人とも顔色が変わった。
時雨&暁&赤城「や、八雲提督(司令官)!?」
そう言って襲撃者、八雲は懐からショットガンを取り出した。ジャゴンと中にある散弾銃をリロードする。
八雲「2人とも立てコラ。3秒以内に立たないとぶちかます。はぁい……3!」
いきなり3で始まると同時に引き金を引く。慌てて3人の艦娘はその範囲から身をかわした。
暁「数えてない数えてない!数えてなかったよ今!」
八雲「数えるって何?お前の罪か?生憎物覚えは悪いからそんなん一々覚えてねぇよ」
時雨「さっき自分で3秒待つって言ったよね!?幾ら大佐に成り立てだからってやって良い事と悪い事があるよ!」
八雲「バカ言ってんじゃねぇよ。お前らの所為で俺はなぁ……ホントに首が飛ぶかもしれないんだぞ?」
時雨「え?どういうこと?」
全く話について来れない時雨に八雲はウンザリしたように溜息を吐き、銃口を下ろす。
八雲「鎮守府沖で駆逐棲艦狩りやってた時に偶然出会ったのってアレ、何時だったかな……ホント、1からやり直してぇよ。もっとできれば、お前らが前世(軍艦)で太平洋をブイブイいわせてた時にまで。無茶するなって言ったのに、確保寸前のブラック鎮守府に手を出すなんてさ」
時雨「え?キュアブラック?キュアブラック役にさせられるのは確かにそうだけどさ」
八雲「ブラック違いだバカ!あー!もー!昇格したばっかだってのに、まだ愛宕をゲットしていないうえに、挙句開発資材も底を尽きそうだってのにぃぃ!!これで全部パーじゃねぇか!どうしてくれるんだあああああ!!!(銃を発砲」
時雨&暁「ぎゃああああああああ!!!」
『建造では欲しい艦娘は来ないのに、ドロップするとあっさり来るものだ』
- Fleet of Silver Soul:その2 ( No.674 )
- 日時: 2015/03/15 15:24
- 名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: .4mFzsId)
八雲の突然の襲来を退けた2人。今はタクシーを拾って湾岸沿いの公道を走っていル車の中にいた。
暁「えぇッ!?油蒲泊(あぶらがまはく)鎮守府?!それってアレでしょ!?ブラック提督として厳重注意されてる軍人の一人で、佐伯元帥一派が水面下で彼を束縛しようとしてたあの提督が仕切ってる鎮守府って噂の!?」
八雲「レディがでっけぇ声出すな!!あぁそうだよ!!ブラック提督としてリストアップされてて、俺を含めた佐伯元帥一派が奴を捕らえようと密かに行動していた奴だよ!!」
時雨「声デカすぎ!つか、断言してるし!」
八雲「ふぅ。で、その鎮守府にウチの艦娘がちょっかい出したって言ってるんだ」
暁「え?えぇぇ!?ちょっかい出したの!?ブラック鎮守府にウチが!?」
八雲「ほんとにもー白々しいな!撃って良い?撃って良いよね!答えは聞いてない!」
ここに来て時雨は鎮守府でのとを思い出す。ひょっとしたら、あの2人が今回の件に絡んでるんじゃないかと。
時雨「で、そこにお呼びが掛かったって事は、処罰?」
八雲「あの騒ぎで油蒲が逃げた事に変わりは無いけど、助けた艦娘も多い。今処罰を下せば、折角の拘束のチャンスを棒に振るようなものだからね。けど……」
時雨「……問題はあの油蒲って人?」
八雲「ああ。奴が雇った殺し屋が、地上にいるのを好機として陰からズドン!ってのもありえる」
八雲と時雨の言っていることも頷ける。この世界での艦娘は、深海棲艦を含めて種類は百を超えても『特定の条件を除いて』は地上で本来の力を発揮できるのは殆どいない。艤装が未装備の艦娘の始末なんて深海棲艦でなくても容易いだろう。
八雲「お誂え向きにショートランドは湾岸沿いの公道が多い。深海棲艦の襲撃に巻き込まれたって名目も立つからな」
八雲がどうにか本部の空港にまで辿り着けないか頭を捻っている時だった。突然時雨がドアを開けて車の外に身を乗り出したのだ!
時雨「お家帰るぅぅぅぅぅ〜〜〜〜!!!」
八雲「何やってんだぁぁぁ!?!?」
時雨「嫌だぁぁ!こんなダメ提督と心中なんて絶対に嫌だああああ!!死ぬなら扶桑姉妹にサンドイッチにされて死ぬゥゥゥゥ!!!」
八雲「バカ!武士道とは死ぬ事と見つけなさいよ!」
時雨「ヤダヤダヤダ!武士道より拷問の方がマシ!寧ろ積極的に好きぃぃぃ!!」
八雲「落ち着けって!これだけの人材がいるなら、生きて空港まで行ける可能性だってある!武装や劇薬の持込が禁止されてる空港で安易に手は出せない!助かる!」
時雨「マジで!?「多分!」帰らせてェェェェェ!!!!!」
パニックに陥っている佐世保の幸運艦を無理矢理後部座席に引きずり入れる八雲。何とか少しでも落ち着かせようと説得する。
八雲「落ち着けって。幾ら幸運艦だからっていずれ沈む。大事なのは生きてる事を忘れない事だ。今回の襲撃も運が絡んでる。自分の運を信じろって。佐世保の幸運艦がいるだろ」
時雨「運……」
一応落ち着きを取り戻した2人。そこに暁がふと気になった事を尋ねる。
暁「そういえば、提督って何月生まれの何座?」
八雲「俺?5月2日のおうし座だけど」
暁「さっ、最悪だあああああ!!!これ絶対100%轟沈に向かってるよ!デスドライブ!もうやだあああああ!!!」
時雨「暁ィィィィィ!!!落ち着いてぇぇぇぇぇ!!」
八雲「落ち着けェ!落ち着かないと、烈風を胴体に特攻させて、もう1機を背中の甲板にぶち込むぞ!」
パニックに陥ったネームシップを無理矢理黙らせ、再び車内へと押し込む。
暁「うるさいわよ!ってか、何で司令官がおうし座なのよ!全然似合わないわよ!寧ろナマケロ座よ!あるいは……めがね座!」
八雲「一人前のレディを目指してるお前に言われたかねぇよ。だったら今ここで星屑にしてやろうか?黄道十二宮のおとめ座の一部にしてやろうか!?」
車内で提督VS艦娘駆けるの喧嘩が勃発しかけた時、仲裁に入った運転手が一瞬余所見をした途端、前を運転していたトラックと衝突する。
運転手「おいおいおいおい!どこ見てんだよ!?勘弁してくれよ!」
運転手が振り向いた途端、八雲が銃口を向ける。
八雲「殺し屋だろ?」
運転手「えぇ?!いや、どういうことだよ?!俺は——」
ズドンズドン!
いきなりエンジンに発砲し、そのまま去って行く八雲。運転手が文句を言いかけた途端……
ドガァァァン!!!
大爆発しました☆
野次馬の騒ぎを余所に、運転席のドアをノックし、銃口を運転手に向けて言う。
八雲「運転代われ。こっからは戦場だ。関係ない奴は巻き込みたくない」
運転手を降ろさせて、彼をひとり残してその場を後にする。
暁「ちょ、今の明らかに一般人じゃなかったんじゃないの?」
八雲「うんにゃ。メガネをしてた。十中八九殺し屋だ」
時雨「何そのあてつけ!?」
八雲「メガネをかけてる奴は大体殺し屋だ。それと、これ絶対に言うなよ。ディズニーのゼペットじいさんがいるだろ。あれも殺し屋だ。あとドラえもんの野比のび太とGo!プリンセスプリキュアの如月れいこと、バイオハザードのハニガンと、黒子のバスケの緑間真太郎も殺し屋だ。これ絶対に言うなよ」
暁「言えないわよ、そんな馬鹿げた妄想!」
完全に目の前の惨劇を無視して車を発車する。だが、そこには珍客が一人座っていた。
- Re: 小さな書庫の騒動【短編集】 ( No.675 )
- 日時: 2015/03/15 15:32
- 名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: .4mFzsId)
若葉「すみません。ちょっとそこで道に迷ってて……」
時雨「キミ誰!?」
八雲「大丈夫。そいつは味方だ。若葉、これ持ってて」
そう言って運転席から拳銃を若葉に渡す。
彼女は八雲が艦これを始めて最初に入手した(選択画面では五月雨を選んでたが)艦娘だ。小さい外見とは裏腹に幾多の戦場を潜り抜けてきた猛者である。目には目を、といった所だろう。
そんな彼女は渡された拳銃をまるで始めて目にしたように珍しそうに見ている。
若葉「司令官、これは何だ?仁丹入れ?眠気も冴えるし口臭も防げるから良いな(銃口を覗いてる」
暁「危ないって!覗かないで!眠気が冴えるどころか永眠しちゃう!」
若葉「ここを押すと仁丹が出るのか(引き金を引く」
時雨&暁「ぎゃあああ!」
突然不意打ち紛いの発砲に何とか持ち前の高い回避力で弾丸を回避。素早く時雨が発砲した直後に若葉の両手首を掴む。
時雨「止めてって!仁丹より良い物あげるから!」
若葉「お、おい!まさかこんな所でSMプレイをする気か!?角材で尻を引っぱたく気か!?」
八雲「喚くな。気が散る……。うおっ!?」
運転手と同じ様に余所見をした瞬間、横断歩道を渡っていた何かに衝突する。
暁「ちょ、提督!何か轢いた!今何か轢いた」
八雲「ああ。あれもも殺し屋だ」
時雨「嘘吐け!後付けでしょ!」
若葉「人は皆、何かの犠牲の上に立つ殺し屋だ」
暁「いい加減黙って!」
若葉「何だお前。どうして私に命令する?そんなに命令して縛りたいのか?だが、悪くない」
時雨「いい加減黙って!お願いだから!」
若葉「何だ?今度はお願い?いきなりリバース?ついていけない……でも、頑張ってみる」
時雨「その頑張り、ベクトル間違ってるよ。思春期の思いたてのファッション並みに間違ってる」
ひき逃げをやらかしたにも拘らず、そのまま目的地へと直送する。
だがしかし、隣を走っていたトラックに掴まっている女が現れる。
那智「よくも羽黒を……!天誅!」
ドアの窓から投げ入れたそれは球体の形をしており、中心にはデジタル式の時計が1秒ずつカウントダウンされている。
若葉「おぉ、大きな仁丹だ。これだけあれば口臭に悩む多くの人達が口臭の悩みを解決できるな!」
時雨「それ仁丹違う!爆弾!早く投げて!!」
若葉「ちょっと待て。街中で爆発させる訳にはいかないぞ」
時雨「海側に投げ捨てろって言ったの!!!」
もう既に爆弾の時間は10秒を切った。すぐに投げ捨てないと木端微塵になってしまう。
若葉もすぐに爆弾を拾い上げ、投げる体制に入る。
若葉「行くぞ!」
ニュースキャスター『昨日、佐世保高速道路で玉突き事故が発生。数時間前の濃霧によって前方の確認が遅れたことが原因で……』
若葉( °Д°)ノ●〜*
※若葉は濃霧による玉突き事故に巻き込まれている。しかも、原因が濃霧。
チュドゴォォォォォォン!!!
その後、何とか空港まで到達した3人。佐伯元帥の下までは何事も無く、本部に着いてからも何事も無かった。
時雨「何か、どっと疲れが出たなぁぁ……」
暁「ホントよね。あんな思いをするなんてゴメンだわ」
生存した事に肩の力が抜ける2人。泊地に戻ろうとした時、河口から遠征に出ていた一人の木曾を見つける。
暁「お〜い、木曾〜!会えるなんて奇遇……」
ゴスッ!
何があったか説明。
暁が急斜面を降りて木曾に駆け寄った時、足を滑らせて偶然にも木曾の脳天にチョップしてしまいました。
暁(;°Д°)ノ……;
時雨(;・ω・)……;
木曾「ホント、奇遇だな……(・ω\#)」
その後、暁の悲鳴が響き渡ったのは言うまでもない。
その1終了。次はその2です。感想まだ。
- Fleet of Silver Soul:その3 ( No.676 )
- 日時: 2015/03/15 15:39
- 名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: .4mFzsId)
『1度使った開発資材は戻らない』
その日、千歳が勤める回転寿司店に呼ばれた伊村一行&名取と赤城と文月。今日は店長を任されたというわけで、御代は千歳の驕りらしい。
文月「お寿司ってあたし、初めてだよぉ〜!何食べようかな?」
カノン「当機には質の良い燃料とボーキサイトを要求する!」
名取「あ、来ました!」
最初に流れてきたのは、中にマグロを入れて巻いた海苔巻、鉄火巻だ。早速名取と文月がそれを取る。
WSイムヤ「また鉄火巻き?千歳、鉄火巻き得意なの?じゃあこれはあたしと島風が貰うわ」
WS島風「おぅっ!」
次に流れてきた鉄火巻はWSイムヤとWS島風が貰う。そして、再び来た鉄火巻は伊村が、そして既に10皿以上平らげた赤城が取る。
伊村「またか。しっかし、鉄火巻の比率高くあらへんか?他にも握れるんとちゃう?」
赤城「でも、おいしい事には変わりないですよ。でも、さすがにバリエーションが欲しい……」
赤城と伊村が見たもの:延々と流れる鉄火巻。
WSイムヤ&WS島風&伊村「鉄火マンブレードォォォォォ!!!(千歳にドロップキック」
あまりに延々と出続ける鉄火巻にキレた3人がカウンターにいた千歳型1番艦にドロップキックをしました☆おい、鉄火マンブレードって誰がうまい事言えといった。寿司だけに。
伊村「どんだけ鉄火巻が流れとんねん!こんだけあったらライトセイバーもビームサーベルも大量生産できるわ!何でトロがあるのに握りの方が全然出てこんのや!!」
WS島風「ここまで来ると最早嫌がらせよ!軍艦の誇りを忘れたのかコノヤロー!ネギトロの軍艦を出せバカヤロー!」
千歳「……鉄火しか出来ないの……私、本当はまだお寿司なんて握れないのぉ……」
逆ギレ紛いの伊村とWS島風のツッコミの後、千歳が啜り泣きしながら白状したのだった。
†
赤城「つまり、親方に認められたって言うのは嘘で、実は腰を痛めて入院中で、急遽バイトの貴方が店を任せたって事ですか?」
千歳「ええ。店長も『自動握りマシーンがあるから大丈夫だ』って言ってたのに、これがうんともすんとも言わなくて……もうすぐ開店だって言うのにどうしたら……」
積もる話、その握りマシーンを修理するしかない。この中には碌なメカニックはいないが、カノンが一歩前に出た。
カノン「当機に任せてもらおう」
カウンターへと周った撃滅型砲人は握りマシーンの隣に立つと、目から光を照射してマシーンを照らす。
名取「これは?」
伊村「カノンはああして故障原因を探って、そこを的確に修理できる凄い奴やで」
カノン「……故障原因を探知。修理に取り掛かる」
そう言うと同時に、カノンは右手を大きく掲げ……
握りマシーンに遠慮無用で殴ったのだ(!?)。
艦娘「」
その後も倒れた握りマシーンに追い討ちを掛けるべく、馬乗り状態から連続で殴り続ける。そして、ぷすぷすとマシーンが煙を上げた時点で攻撃を中止した。
カノン「修復不可能と判断。握りマシーン、轟沈を確認」
文月「味方の誤射で轟沈したよねそれ?明らかにアンタが殺ったよね今!?」
名取「殴って直すって昭和のテレビですか?!」
千歳「どうするのよ唯一の希望を!もう時間も無いのに!!」
希望である握りマシーンが粉砕され、八方塞りとなった時、客が来店してしまった。
名取「い、いらっしゃいませ!」
赤城「とにかくここは私と名取さんが接待するから、伊村さん達は裏に!」
訪れた客を接待する為に、赤城と名取を残して他の全員は調理場に回る。
その2開始。
- Fleet of Silver Soul:その4 ( No.677 )
- 日時: 2015/03/15 15:42
- 名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: .4mFzsId)
千歳「みんな、ごめんなさい。こんな事になるなんて……」
伊村「ええねんええねん。困った時はお互い様ゆーやろ?」
WS島風「回転寿司なんて普通に握って上にネタがあって、形を整えれば終わりじゃない。早く済むし簡単よ」
千歳「……解ったわ。材料も全部大抵の仕込みはしているから、あとは握るだけ。私が最低限のシャリの握り方を教えるわ。形だけなら親方のを見てたし」
千歳は無理に完璧にしようとせずに乗り切ろうとしたのか、一行に握り寿司の手順を教える為に、実際にサーモンの握りを作る事に。
千歳「まずシャリを取る。このとき、あまり取り過ぎないように気をつけて。強すぎず、弱すぎない力加減で空気を含ませるように握る。そしてワサビを付け、ネタを乗せ、一握り」
親方や店員程ではないものの、千歳も一人の店員だ。店員の動きを皿洗いの最中に盗み見て練習するのも解っている。いくら鉄火巻きしか作れないからって、これなら……。
千歳「完成よ」
千歳が作ったもの:鉄火巻
WSイムヤ「だから何で!?」
何で完成直前でサーモンの握りが鉄火巻に変わってんだよ!?8行分の空白に何があった!?
良い線行ってたのに最後の最後で鉄火巻に変身かよ!?巻く過程無かったのに、マグロ使ってないのに、どうしてこうなった?!
千歳「やっぱり私、鉄火巻きしか作れないわOTL」
伊村「サーモン乗ったのに、何でトロに変わっとんねん!」
WS島風「先祖がマグロを大量虐殺したんじゃないの?マグロの怨念よ」
伊村「こらアカンな。千歳は鉄火巻き担当をさせるしかあらへん」
WS島風「でも雰囲気だけは掴めたわ。形だけなら、何ともできない事もないわよ」
伊村「せやな。火ィ使う訳でもあらへんし、一晩置く必要も無いから素人でも大丈夫やろ」
WS島風なら行を跨ぐ間に鉄火巻きになる心配は無いだろう。
見よう見まねとはいえ、普通のネタを作るのは造作も無い。
WS島風「強すぎず、弱すぎない力加減で空気を含ませるように握り、ネタを乗せて一握り」
WS島風作ったもの:熱々のチャーハン
WS島風「完成!」
伊村「何でやねん!?いつ卵入れた!?いつ具を入れた!?いつ火を入れた!?何をした今!?」
だからなんでチャーハンが出来るんだよ!?しかも丁寧に店で見るようなドーム状に盛られてるし!
WS島風「この頃身体が火照ってね……風邪かしら?」
伊村「そない格好でよーゆうわ!帰れ!すぐ病院に行け!頭の!」
WSイムヤ「もー、素人がごちゃごちゃ考えてるからそうなっちゃうのよ」
見かねたWS世界の海のスナイパーが、同じ様に寿司を握る。だが、あえて気を使わず、自分のできる範囲でだ。
WSイムヤ「味は多少落ちても、形を守っていれば大丈夫よ。ほら」
WSイムヤが作ったもの:カレーパン(中辛)
伊村「形を守れえええええ!!」
最早最後に至っては米すら使ってません。鉄火巻といいチャーハンといいカレーパンといいコイツら手品師か?
WS島風「ふっ……舐めてもらっちゃ困るわね」
WSイムヤ「そんなに言うなら食べてみたら?さっきと同じ台詞が言えるかしらね?」
伊村「食うか!何パティシエ試験見たいな感じに醸し出してるんや!」
WS島風「んじゃあ、私のチャーハンとイムヤのカレーパンはサイドメニューにしよ」
千歳「肝心のメインが全然出来上がってないんだけど!?どうするのよ!」
勝手に手品でサイドメニューが増えて困る中、睦月型7番艦が真剣に寿司作りに挑んでいた。見てみると、そこには見事な寿司が。
WSイムヤ「わぉっ!完璧よ!これ完全にお寿司!まごうことなきお寿司だわ!」
それは見事なマグロの握りであり、プロでも文句の付けようが無い完成度だった。これを早速レーンに並べようとして寿司の右端を持つ。……え?右端?
横幅:輸送用ドラム缶1個分を横にしたサイズ。
WSイムヤ「これならメニューに出しても大丈夫よ!」
伊村「デカ過ぎるわ!つーか、こんなサイズのマグロの切り身、どっから用意したんねん!?駆逐イ級の切り身か!?」
文月「前から試してみたかったの。ドラム缶丸々一個使ったお寿司」
伊村「オメーの実験の為に用意したんとちゃうわボケ!こんなん食えるの赤城かカービィかカビゴンくらいやろ!!」
ドラム缶寿司に伊村がツッコミを入れた時だった。店から赤城の声が響く。
赤城「玉子と海老入りました!」
このオーダーに調理場は最悪な状況に立たされる。まだ寿司は千歳の鉄火巻のみで、碌なオーダーを受け取れない状況で大ピンチとなる。
カノン「ここは当機に任せて欲しい」
伊村「カノン!?」
カノン「握り寿司及び、巻き寿司の作業工程データの収集は完了した。これより、変形を開始する!」
そう言ったと思った次の瞬間、カノンが体育座りの様に膝を曲げて座り、背中の2門の砲塔と共にしっかりと固定される。そして、腕を胴体に収拾し、胴体の胸部分がまるでヨノワールの模様みたいに大きく上下に開く。そして、鍛冶で使うハンマーが内部から現れた。
カノン「撃滅型砲人:モード回填頭死(かいてんずし)!!」
文月「どんな変形!?なんか寿司を握れそうに無いんだけど?!」
千歳「最早原型を留めてない!ヴァイスシュヴァルツのモンスターエンパイアは何でもありなの!?」
カノン「ツッコミをしているのなら一人分の材料を早急に用意して貰えるとありがたい」
開いた内部に楕円形の溝が4つある。ここに空気を含んでワサビを付けたシャリと、ネタを乗せる。
シャリとネタを置いて、手を離したのを確認するとカノンが作業に取り掛かる。
カーン!カーン!カーン!(艦娘を解体する音)
ギギギ……ズドン!フシュー!
数回ハンマーを叩く音の後、上半分をプレスする。それが元の位置まで上がると、そこには見事な海老が。
カノン「完成だ」
千歳「あの工程でどうやって出来上がったの!?解体する音なんて艦娘にはトラウマでしかないわよ!」
カノン「解体音ではない。制作音だ」
千歳「やけにシャリもネタもカッチカチじゃない!歯が持たないわよ!」
確かにこの海老はゲームみたいにカッチカチだ。ひょっとしたらさっきのプレスで硬度が増したのかもしれない。
WS島風「もう四の五の言ってる場合じゃないよ。作り方はどうあれ、見た目は一番マシだし、もうまわすよ」
千歳「ちょっ、まっ!」
千歳の静止も空しく、WS島風がプレスされた海老をレーンに出した。そして、それは注文した2人の艦娘の元へ流れていってしまった。
- Fleet of Silver Soul:その5 ( No.678 )
- 日時: 2015/03/21 19:40
- 名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: .4mFzsId)
その注文した2人の反応はどうなったのか……
五月雨&古鷹「美味しい!」
五月雨「何この新食感!?こんなの今まで食べた事がない!」
古鷹「まったりとしているのにしつこさが全く感じられない!何なのこれは!?」
五月雨&古鷹「寿司の革命だ!!!」
その次の瞬間、激しく振った炭酸のボトルの蓋を開けたか、もしくは限界まで膨らませた風船が突然破裂したように他の客が注文を始めたのだった。
WSイムヤ「……奇跡だ。奇跡が起きた」
千歳「いける!これはいけるわ!叩かせて!ガンガンハンマーを叩かせて、ズドンズドンプレスさせるのよ!店にある食材全部カノンにぶち込んで!」
カノンも休息を取れないほどにガンガンハンマーを叩き、プレスしまくる。皿が飛ぶように捌けていき、店の前も長蛇の列が並んでいった。この勢いならいつもよりも高い黒字が叩きだせるのは確実だろう。だが、客足に浮かれている場合ではなかった。
文月「大変だよ!もうネタもシャリも殆ど残ってない!」
千歳「何ですって!?」
そう、客足が増えるという事はそれに比例して食材も減っていく事。今回もそれと同じであり、既に底を尽きかけていた。まるで我がショートランド泊地の開発資材と同じ様に(作者の鎮守府の現状吐くな!by伊村)。
伊村「行け」
千歳「え?」
後悔と悔しさで冷蔵庫の扉に拳を打ちつける千歳に、伊村が背中を押すように声を掛ける。
伊村「お前は死ぬ気で食材を集めてきぃ。それまで俺らがこの場を持たせたる」
千歳「……」
伊村「早くせんかい!」
更に強い一言で、千歳も彼の言葉の本気を理解したのか、「任せたわ!」と一言残して食材を掻き集めに行ったのだった。
†
同時刻。
大人数用の席で噂を聞きつけた五十鈴、那珂、最上の3人。
那珂「ねぇ、なんなのここ?回転寿司って聞いてみれば、流れてるの全部鉄火巻きだよ?」
最上「他の艦娘から聞いた話だと安くておいしいって聞いたけど、ガセだったみたい」
五十鈴「ったく、あと4つクリアすれば愛宕が雑魚戦でもドロップできる海域に入るのに……提督にガツンと言ってやろうか?」
最上「よしなって。ご飯くらいは穏やかにしてよ」
一応回転寿司に来たものの、流れるのはカレーパンとチャーハンと鉄火巻のみ。流石に客足も減ってきている。
因みに3人が頼んだのは……
最上:鰈の縁側
五十鈴:海老
那珂:ネギトロ
五十鈴「つーかなんでカレーパンがあるの。コンビニに並べときなさいよ」
那珂「あれ?アレってひょっとしてチャーハンじゃない?」
最上「何で鉄火巻きに混じってチャーハンが出てるのさ。それより僕の頼んだ鰈の縁側はまだなの?」
果てしなく流れる鉄火巻のレーンに混じってカレーパンとチャーハンにツッコミを入れる最上。だがその時、一つだけカレーライスがレーンを流れてきた。
立て札を見ると、「カレーの縁側」と書いてあった。
那珂「ねぇ、ひょっとしてアレじゃない?鰈の縁側だよきっと」
最上「那珂ちゃん、目が節穴になった?大体なんで回転寿司でカレー食べなきゃいけないの?僕が頼んだのは鰈の縁側だよ」
那珂「それより那珂ちゃんのネギトロまだー?もうお腹空いたよー……」
ぐったりしたように上体を机につける。流石の歓待のアイドルも空腹には勝てないだろう。そう思ったその時、小トトロが皿の上に乗ってレーンを流れてきた。しかも頭に細ねぎを載せて。
五十鈴「……今の那珂のじゃない?トトロだったよ今。しかも小トトロ」
那珂「那珂ちゃんが頼んだのはトトロじゃなくてネギトロだよ?トトロは癒されるから好きだけど」
何で小トトロが皿に乗って来るんだよ。小トトロを食べるなんてどんなスプラッターを作るつもりだよ。
五十鈴「ここまでくると私の海老も期待できないわね……;ガリと鉄火巻き食って上がりにするわ」
五十鈴も諦めたのか、仕方なく延々と流れる鉄火巻とガリで上がろうとした時だった。
レーンの上をフリーザ(究極体)が五十鈴達をガン見しながら流れてきた。
五十鈴&那珂&最上「」
予想外すぎるネタ(違)に3人とも硬直。そのままフリーザが流れ去っていくまで硬直してしまっていた。
最上「……今の、ジャコじゃなかった?ひょっとしてさっきの五十鈴が頼んだのじゃない?」
五十鈴「違うわよ。私が言ったのは海老よ。フリーザ軍じゃないってば。大体あんなネタで通じるの、作者のソニックさんくらいでしょ」
那珂「いや、でも滅茶苦茶こっち見てるよ。復活記念パーティを絶対に来いいって催促してるみたいにガン見してたよ……」
五十鈴「違う!目を合わせないで!私はドラゴンボールより銀魂が好きだから!」
レーンの端進んでもなお見続けるフリーザ。だが、調理場に戻る入り口につっかえてしまった。だが、つっかえても負けじと鉄火巻を掻き分けつつこっちをガン見し続けた。だが、結局流れには逆らえず、そのまま流去ってしまったのだった……。
最上「なんなのあれ?」
那珂「ねぇ、もう別の場所に行こう?何か気味が悪いよ」
五十鈴「確かに変な物食べさせられる前に撤退した方がいいわね。——ん!?」
碌な物が出ない回転寿司店に長居は無用と席を立ったその時だった。
フリーザが小トトロと鉄火巻きとカレー持ってレーンを駆けて来たのだ(ポケットから復活のFの前売り券を確認)!
最上「オイィィ!!フリーザがトトロとカレー持って来た!」
那珂「ヤバイヤバイヤバイ!目がマジだよ?!絶対3つとも無理矢理受け取らせる気だよ!!ドラゴンボール見に来いって言ってるよあれ!!」
五十鈴「ちょ、待っ——」
五十鈴&那珂&最上「ぎゃああああああああああ!!!」
フリーザの突貫で店は大パニック。それが膨らみ、そのまま店中大パニック。それを調理場から見ていた4人と、カウンターの名取と赤城は……
伊村&WS島風&WSイムヤ&文月&赤城&名取「もう、知ーらね♪」
†
千歳「うおおおおおー!」
その頃、日本海のどこか。
千歳「待っててみんな!今駆けつけるからね!!」
軽空母が一人、モリを片手にカジキマグロと格闘していた。
感想おk。