二次創作小説(映像)※倉庫ログ

桜の花と共に来た依頼:その1 ( No.722 )
日時: 2015/04/14 08:09
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: rCcrGyYb)

なのはVIVID放送記念にちなんでのお話。
あの2人が持ちかけたトラブルになのは達が解決に挑む!





次元犯罪者A「とうとう手に入れたぞ。これを使えば計画が完遂される……!」

次元犯罪者B「ボス!いよいよですね……!」

次元犯罪者C「これを使えば未来は俺達の物……!」

次元犯罪者A「見ていろ!これが未来征服の第一……!」

























三和&レン「ダイナミック乱入!!」

次元犯罪者s「ぎゃああああああ!!!」

次元犯罪者が何かをしようとした直前、三和とレンがガラスを突き破って突入してきたあああー!?(おかしくねぇか!?)
突然の殴りこみと共にレンと三和は辺りの機械を破壊する。

三和「お前ら、そいつを使っての次元犯罪はお見通しなんだよ!」

レン「もう部下は潰しましたよ。大人しく潰されるかブッ飛ばされるかのどちらかを選んでください」

次元犯罪者A「ちょっと待て!?何で管理局の連中がここを嗅ぎつけた!?」

次元犯罪者B「おい、部下から連絡が無いぞ!?100人近くいたのに!?」

次元犯罪者C「剣とハサミを向けるな!つか選択肢が一つだけだよな!?ヤバイヤバイヤバイ!」

その後、次元犯罪者達の悲鳴が響いたのは言うまでもなかった。





李里香「それで、何で私達が行く事に?」

キリエ「なんでもユーリの忘れ物らしいよ」

同じ頃、とある街道を進んでいる李里香とキリエ。2人は今ユーリが買い忘れた物を買って帰路についていた。

キリエ「大丈夫?さっきからあくびが多いけど?」

李里香「あー、実はこの前なのはVIVIDが始まったでしょ?それを生で見たくて放送日は決まって夜更かししちゃってさ……」

キリエ「夜更かしは美容の大敵よ?それに録画して後で見るって手もあるじゃない」

李里香「生放送と録画じゃ全然違うのよ!それに録画はビデオデッキが壊れるほど見る予定だし!(くわっ」

キリエ(壊しちゃったら意味無いんじゃない?)

そんな会話をしながらの帰宅中。ふと前方に目をやると何かがこちらに飛んでくる。
影は2つあり、よく見てみるとこちらに向かってくる。……え?こっちに来る?

李里香「ちょ、こっちに落ちてこない!?」

キリエ「ヤバッ、早く逃げてええええー!!」


ドゴォォォン!!!


咄嗟にそこを離れた直後、さっきまで2人がいた場所に轟音と土煙が舞い飛ぶ。

キリエ「あっぶなー……誰よ?こんな真似した人」

李里香「大体何の理由で吹っ飛ばすのよ。って、あれ?誰かいるような……」

吹っ飛ばされた中心地を見てみると、2人の少女が地面にめり込んでいるのを目撃する。
そして、一緒にいた鳥かごの中には鳥のような生物がいたのだった。



これがはじまり&感想まだ。

桜の花と共に来た依頼:その2 ( No.723 )
日時: 2015/04/14 08:19
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: rCcrGyYb)




クロスオーバー館。


はやて「それで、この子も連れてきたん?」

李里香「うん」

その後でクロスオーバー館に少女2人を連れてきた李里香とシャマル。
2人と共に雛も保護し、これからどうするかを考える。

?1「……ぅ」

シグナム「気が付いたか」

?1「……あれ?シグナムさん?」

シグナム「ん?」

少女がいきなりシグナムの名を言った事に彼女も目を丸くする。

ディアーチェ「おい。知り合いか?」

シグナム「いや。初めて見たぞ?」

?1「??あのー……」

ユーノ「あー、とりあえず自己紹介をしてくれる?」

?1「あ、はい。私はミッドチルダ初等部の高町ヴィヴィオって言います」

?2「私はアインハルト・ストラトスって言います」

ユーノ「へぇ〜。って、高町?」

ヴィヴィオ「あ、実は……」

アインハルト「ヴィヴィオさんストップ!」

ヴィヴィオと名乗った少女が突然アインハルトと名乗った少女が彼女の口をふさぐ。
そして一行の耳に入らない程度の声で喋りだした。

ヴィヴィオ(アインハルトさん、どうして口をふさいだんですか?)

アインハルト(他の皆さんを見てなかったんですか?この人達、多分過去の人ではありませんか?ほら、ヴィヴィオさんのお母様方もかなり幼いみたいですし……)

ヴィヴィオ(え?じゃあここって……)

アインハルト(多分、過去の世界かもしれません。過去の事を未来の人間が話すとその人の未来が変わってしまうって聞きました。下手をしたら……)

ヴィヴィオ(うわぁ……;ばれないようにしないと;)

漸く過去の世界から来たと気付いた2人。下手に自分達の正体がばれないように慎重になる。

なのは「ねぇ、何で私と同じ苗字なの?」

李里香「そりゃそうでしょ。なんたってこの子は将来のなのはちゃんとフェイトちゃんの「ダイナミック妨害!!」おっごぉ!?」

李里香がボロを出しそうになった時、ヴィヴィオがどこぞのプレデターの如く頭突きで妨害する。

アインハルト「き、気のせいです!ほら、同じ苗字の人なんてそこらにいますから!」

ユーノ「いや、高町なんて苗字ここらじゃいないから;……ん?」

会話を続けようとした時、ユーノが奥かごの中で眠っている雛に気付く。その雛は桜色をしており、尻尾はまるで桜の花のようだ。

ユーノ「これ、サクラスザクの雛じゃない?」

シャマル「さくらすざく?」

クロノ「聞いた事がある。確か、上級クラスに入るモンスターの一種で、春を告げる鳥といわれている。あ、そういえばどこかの国が守り神としていたような……?ちょっと調べてみる」

何か思い当たる節のあるクロノが部屋を後にする。その間にも色々質問をする事に。

ヴィヴィオ「そんなに珍しいの?」

ユーノ「ドロップアイテムとか、その希少性とか、色々な理由で珍しいで収まるレベルじゃないよ。おかげで密猟が絶えないんだ。最も、その大半は返り討ちにあってるけど」

雛は成長したサクラスザクより価値が高い。その所為もあって狙う密猟者は多い。
もし雛の親がこの姿を見たらヴィヴィオ達が『自分の子を誘拐した密猟者』と判断し、襲ってくるだろう。とにかく、早くこの雛の親の元へ届けなければ。

ヴィヴィオ「お母さんに会いたいのかな……?」

アインハルト「なら私達で届けなければなりませんね。この子を拾った責任があります」

フェイト「じゃあ私達も手伝うよ。いいよね?」

キリエ「それなら関わった私と李里香ちゃんも行かなきゃ行けないよね?それに、ここらのサクラスザクは桜峠って所に新しい巣の材料を調達するみたいよ」

シュテル「私も同行します」

はやて「ほんなら、私らはクロノ君のお手伝い。2人ともそれでええ?」

ヴィヴィオ&アインハルト「お願いします」

各々がやることを決めて行動する。そんな中、李里香の携帯が鳴る。一行に一言言うと、少し離れて携帯の主の対応に出る。

クロノジェット『おい。ちょっといいか?なのは達はいないよな?』

通話者は新導クロノのユニット、クロノジェットドラゴンだ。

李里香「どうしたの?」

クロノジェット『ツーサイドトップとツインテールの女の子がいるだろ?あいつら、この時代の人間じゃない』

李里香「だよね。なのはVIVIDのあの2人だし」

やっぱり気付いていたのか。クロノジェットが言うには例のダイナミック妨害でカードにされて捕獲されたクロノスギアが仰天。誤って召喚魔法を誤作動させてしまいあの2人を呼んでしまったのだ;
口を濁していた時空竜は改めて李里香に頼む。

クロノジェット『ともかく、俺らは送還の儀の準備を行う。お前らはあいつらにあの2人が未来から来たってのを悟られるな。いいな?絶対だぞ!』










その一方、別の場所である男が苛立っていた。その男は金色のウェーブが掛かっており、背中には2対の薄いガラスのような妖精の羽。服は荘厳さを感じさせてまるで王者のような風貌。そう、オベイロンだ。
理由はあのサクラスザクの雛を手に入れようとした矢先に少女達に邪魔されたのだ。

オベイロン「あのガキ共、よくも邪魔しやがって!あのサクラスザクの雛は裏ルートでかなりの金額で売れるってのに!奴ら、ひょっとして国にいくつもりか……?なら、いくつか待ち伏せを用意して奴らから奪い取ってやる!」

そういうと、早速自分のスキルを使ってモンスターを召喚していく。だが、万が一も考えて彼は一歩先を考える。




感想まだ。

桜の花と共に来た依頼:その3 ( No.724 )
日時: 2015/04/14 08:41
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: rCcrGyYb)



ヴィヴィオ「それで、何で徒歩?」

キリエ「上空を飛ぶと、相手に気付かれる危険があるから、よほどの事意外は徒歩で行こうって決めたのよ」

森の中を歩いて桜峠を目指す護衛組。国から歩きだとざっと4日は掛かる。しかし、先にその国に向かっているクロノ達調査組がいるので彼女達は1日半で到達できる桜峠を目指す。
ふと会話をしていると、先行していた李里香がなのは達と合流。しかし、今の彼女は紫のロングヘアをポニーテールにしている。

李里香「こちらには誰もおりません」

シュテル「わざわざ捜索ありがとうございます。ところで、その姿は?」

李里香「これですか?」

そう言って右手首に装着している小さな装置を見せる。すると装置が装填していたらしきヴァイスシュヴァルツのルージュのカードを引き出す。すると髪が紫から赤に変わり、性格も元に戻る。

李里香「これ、『トランスドライブ』ってアイテムなの。カードをセットすれば、誰にでも変身が可能なのよ。勿論、原作のスキルもコピーできるのよ。まぁ、強い人ほどエネルギーも消費されちゃうのが難点だけどね。因みにルージュのカードの特徴は燃費が良い割に可も無く不可も無いバランス型なの」

そして今はルージュにトランスドライブして周囲を探っていた、と言う訳だ。
再び元に戻って再び歩き出す。

李里香「それで、ここを通れば早いの?」

フェイト「うーん……ここからだと、川を下ったほうが早いかな?」

なのは「あそこってボートもあったよ。川を下って一気に合流ポイントに……って、何か来たよ!」

進んでいる途中でなのはのレイジングハートが何かを感じ取った。すると突然数体のウェアウルフが茂みから飛び掛ってきた!

シュテル「ここらには生息しないはずの魔物……オベイロンがジェネレートしたようですね。パイロシューター!」

フェイト「ヴィヴィオは下がって雛を守って!クレッセントスラッシュ!」

李里香「トランスドライブ・モデル『ジョーヌ』!!」

ヴィヴィオとアインハルトを下がらせ、シュテルとフェイトが攻撃を仕掛ける。だが、その攻撃がウェアウルフの肉体に触れる前に毛皮で弾かれてしまう。

フェイト「ひゃん!?こ、これって……!?」

李里香(ジョーヌ)「紋章術が効いてへんで!?どないなっとんねん!」

シュテル「やっぱ対サクラスザク用にチートコードを入れているみたいですね。恐らく魔法反射作用かと」

オベイロンが召喚するモンスターは、IDの関係で製作段階で本来無い効果を加えられる『違法招集(ジェネレート)』と言うスキルを持っている。サクラスザクを狙っているのなら、魔法の備えは一目瞭然だった。

シュテル「物理側は問題ないみたいです。一気に叩いて決めて下さい」

シュテルが相手を分析した結果、物理側は無改造のようだ。それを知ったフェイトはバルディッシュをアックスフォームに、なのはとキリエは物理攻撃に特化したカードをセットする。

なのは「カードセット、ぐらっせ!ガトリングナックル!!」

キリエ「カードセット、リコリスの銃士サウル!剣技“弔いの彼岸花”!」

アインハルト「カードの能力を実現化してる……?」

ヴィヴィオ「なのはママ達、こんなの使っていなかったのに……!」

なのはの知らない一面に、ヴィヴィオとアインハルトが目を丸くしてそれを見る。
そして最後の1体も、ぐらっせの拳に粉砕された。

キリエ「思ってた以上に対応が早いわね。早く行きましょう」

なのは「そうですね……;いたた、肩が……;」

シュテル「それ、あまり多用されると肩が外れますよ」

ヴィヴィオ「何気に凄いね……;メリットとデメリットが;」

敵を退け、再び桜峠へ移動する。目的の川に到達すると、川岸にたどり着いた。

桜の花と共に来た依頼:その4 ( No.725 )
日時: 2015/04/14 08:40
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: rCcrGyYb)


フェイト「どうする?飛べば桜峠まで半日だけど……」

キリエ「サクラスザクと鉢合わせした時の為にも、少しでも多く温存しておきたいわね。ちょっとボートを用意するわ」

そう言ってキリエはヴァリアントザッパーを足元に撃つ。するとそこから芽が出てそれが小ぶりな一本の樹になり、生い茂る若葉の下に垂れ下がるように一枚の巨大な葉を生やす。まるで図った様にボートの形になる。

キリエ「はい、完成♪」

なのは「凄い、あっという間にボートができた!」

キリエ「耐久力は無いけど、このまま使えるわ。川を船で下っていけば歩きで1日半を1日分掘り下げてくれるでしょ?」

早速キリエが用意した木の葉のボートに乗り込む。暫くはこのままなので、船に揺られながらの昼食タイム。

ヴィヴィオ「そういえば、お昼まだだった;いただきまー……」

ヴィヴィオも思い出したように早速李里香とシュテルが用意した弁当箱の蓋を開けた。



















弁当箱の中身:薄い黄色の生地に描かれた猫の絵


ヴィヴィオ&アインハルト「すみません、絵を食べろと?」

シュテル「失敬な。これは私が作ったフレンチトーストです」

ヴィヴィオ「これが!?色彩が絵画クラスだよ!?」

アインハルト「私も思わず手のひらサイズの絵画と思いました;」

なのは「シュテルの料理はおいしいけど、見た目が芸術クラスで食べ辛いんだよね;この前はチョコレートで猫の彫刻を作ったり、おもちでギリシャ像みたいなのを作ったりしたんだよね;」

ヴィヴィオ「おもちで彫刻!?どれだけ器用なの!?」

シュテル「どうにも料理になると、見た目などの細部にちょっと拘ってしまう癖があるんですよね(´・ω・`)」

アインハルト「ちょっとってレベルじゃないですよ;おいしいけど」

流石にシュテルのを食べる気も失せてしまうが、一口食べてみるとおいしいものだった。
李里香の用意した弁当もおいしく、半分ほど食べ終えると、ヴィヴィオがある質問を口にした。

なのは「フェイトちゃん、おいしい?それ、お花見用のお弁当だけど……」

フェイト「うん、おいしいよ。私もちょっと作ってみたけど……」

ヴィヴィオ「……愛妻弁当?」

なのは&フェイト( °з°)、;。:’;、’・;

おい、この子思いっきり核心を突いた質問をしたぞ。

なのは「あ、いや、確かにそれはやってみたいけど今はちょっと……//////」

フェイト「そういうのは憧れるし、やってみたいよ。でもほら、色々段階とか……//////」

アインハルト(え?何で顔赤くしてるんですか?まだ10歳ですよねこの2人?)

ヴィヴィオ(え?何この甘酸っぱい展開。てか、なのはママ達ガチなの?)

その惚話に呆れていると、我に返ったなのはが質問をする。

なのは「ねぇ、サクラスザクって何を食べるのかな?」

キリエ「確か綺麗な川の魚とかを……」

サクラスザク(雛)「ピィーッ!ピィーッ!」

ヴィヴィオ「ちょ、ちょっと!危ないよ!」

サクラスザク(雛)が鳴くと、即席ボートから身を乗り出して水面に顔を突っ込んだ。危く転落しようとしたところをヴィヴィオが慌てて抑える。すると、10秒足らずで岩魚を咥え、そのまま丸呑みした。

キリエ「親なら飛んでる時に一気に急降下して捕えるらしいわね」

サクラスザクの生態を間近で見れた事に感歎の声を漏らすなのは達魔法少女s。そんな時になのはの目の前にモニターが現れる。

クロノ『皆聞こえるか?こっちの調査で、解った事があった』

ヴィヴィオ「解った事?」

シャマル『数日前、私達のいる『繚乱の国』に服数人の科学者風の男達が現れて、無理矢理雛を連れ去ったんです』

シュテル「学者風……さしずめ実験か何かに使うつもりだったでしょうね」

ヴィヴィオ「酷い……」

シャマル『その調査中に三和君と雀ヶ森隊長と会って、別の事が解ったの』

李里香「別の事?」

シャマル『その研究所から別の連中が雛を奪い去ったのよ。最初の連中はたった今2人に捕らえられたからいいけど。それともう一つ。昨日サクラスザクの親が白の屋根を突き破って子供を捜しに——』



ドガァァン!



会話の真っ只中、突然すぐ傍の水面に水飛沫が上がり、その波でボートがひっくり返りそうになる。

全員「わひゃう!?」

シャマル『ちょ、今の何!?』

フェイト「ちょっと待って……後方に敵!」

フェイトの言葉の直後、後方に目をやるとモーターボートが猛スピードでこちらに向かってくる。しかも、乗っているのは全てリザードマンやウェアウルフなど、オベイロンが用意したモンスター達だ。

なのは「もう追いついてきた……!私とシュテルと李里香ちゃんが抑えるから、フェイトちゃんたちは雛を連れて峠に向かって!」

ヴィヴィオ「は、はい!」

なのは、シュテル、キリエ、ベールにトランスドライブした李里香がモーターボートの上のモンスターを迎撃する。その間にフェイト達は雛を連れて川岸に飛び移り、すぐに桜峠への道を向かっていった。

桜の花と共に来た依頼:その5 ( No.726 )
日時: 2015/04/14 08:54
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: rCcrGyYb)


桜峠:峠道


アインハルト「なんだか、桜の木が多くありませんか?」

ヴィヴィオ「まるで、ここだけ桜が満開のまま時間が止まってるみたい……」

桜峠への峠道は、桜の木々が生い茂って一斉に桜の花を咲かせ、花吹雪を散らしている。
ここは魔物も少なく眺めも最高であるので、有数の花見スポットであるのだ。ここで花見をしたらさぞ良い思い出になることか。しかし今はサクラスザクの雛を親元の国に届ける事が目的なので、ここはただの通過点に過ぎない。


ドシュウ!


サクラスザク(雛)「ピィーッ!?」

アインハルト「ああっ!?」

その時、鉤爪状のアームがどこからか伸び、サクラスザクの雛のカゴを奪い取った。








オベイロン「おっしゃ盗ったああああああ!!」

雛を奪い取ったのはオベイロンだった。先回りしていたらしく、魔物もかなり用意していた。

フェイト「しまった、雛を!」

ヴィヴィオ「何するの!その子を返して!」

オベイロン「はぁ?ガキの分際で何言ってる?コイツを使えば親が来る。そうすれば親子諸共捕獲してやれるのさ!ガキ風情が止められる訳無いだろ!」

アインハルト「いい加減に……!しなさいッ!!テオ、お願いします!」

ヴィヴィオ「クリス、行くよ!」

堪忍袋の緒が切れたアインハルトとヴィヴィオが自らのデバイスを機動。10代後半の姿に変身すると、真っ先にオベイロンに殴りかかる。

オベイロン「無駄無駄!ギガントアーミーを2体、『魔力反射』と『5秒無敵』を追加して違法召集!」

向かってくる2人に対し、オベイロンは余裕綽々で違法召集を行う。それと同時に全身を巨大な甲冑を纏った巨人が2体現れる。その2体にヴィヴィオとアインハルトは構わず殴りつけるが、傷一つ付かなかった。

アインハルト「う……ッ!?」

ヴィヴィオ「何これ、硬ッ……!?きゃあ!」

フェイト「ヴィヴィオ!アインハルト!」

反撃にギガントアーミーに殴り飛ばされ、直線状の桜の木に衝突して地面に落ちた。

オベイロン「僕は神と同等の力を持っている!そこらのガキが、でしゃばった真似をするからこんな痛い目に遭うんだよ!」

そう言って雛のカゴを抱え、魔物軍団の奥に隠れる。

オベイロン「こいつらを始末しろ!」

魔物の群れがじりじりと迫る。かばうように前に出たフェイトも思わず引きそうになる。









ゴオゥッ!!



フェイト「きゃッ!これは、桜……?」

なのは「フェイトちゃん!って、何あれ!?」

なのは達が合流する直前、桜の花びらが更に舞い踊る。上を見ると、桜色の鱗を持ち、翼もピンクパールの如きほのかな色を出している。尾は桜の花びらをそのまま千羽鶴みたいに繋がり、雛の数十倍は巨大な鳥型のモンスターだった。

キリエ「サクラスザク……!しかも、親の方じゃない!!」

なのは「凄い、こんなに大きいなんて……!」

その輝きは神々しく、思わず一行は息を呑む。だが、いち早く我に返ったオベイロンがサクラスザクに向かって叫ぶ。

オベイロン「おい!お前の探している雛はここだ!僕が自ら、あの女たちから取り返した!」

ヴィヴィオ「違う!私達は雛をあなたの所に届けに来たの!その人は雛を奪おうとしているのよ!」

ヴィヴィオも必死に反論する。一方のサクラスザクは、観戦するかのように枯木の太い枝に止まった。

オベイロン「黙っていろ!おい!コイツらは雛を狙う連中だ!さっさと始末しろ!」

ヴィヴィオ「違う!私達はその子を元の場所に返そうとしているの!そっちこそ、その子を返して!」

オベイロン「ほざいてろほざいてろ!サクラスザクの雛は僕の手の中にあり、親がいまそこにいる!つまり、この状況だと僕はサクラスザクの雛を保護し、お前達はサクラスザクを狙う密猟者って事だ!」

確かにその言い分も通用する。もしサクラスザク(親)がオベイロンの話を信用してしまうとなると、オベイロンと彼の率いる魔物軍、更にサクラスザクも相手にしなければならない最悪の状況に陥ってしまう。

サクラスザク(雛)「ピィーッ!ピィーッ!」

オベイロン「ええい!さっきからうるさいぞ!カゴを揺らすな!」

サクラスザク(雛)「ピィーッ!ピィーッ!ピィーッ!」

オベイロン「黙ってろっつってんだよ!!このクソ鳥!!」

けたたましいほどに鳴く雛に苛立ったオベイロンが雛を黙らせようとカゴを剣で叩く。それに雛が怯え、大人しくなった所でオベイロンが改めて親に言う。

李里香「アイツ……!」

オベイロン「さあ!早くその薄汚い泥棒連中を潰してやれ!」

サクラスザク(親)「ギャアアアアアアアーー!!!」

突然親がけたたましく叫ぶと止まり木から飛び、大きく翼を広げて両翼に風を纏う。
そして翼を大きく振ると、台風並みの暴風が巻き起こった!

桜の花と共に来た依頼:その6 ( No.727 )
日時: 2015/04/14 09:01
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: rCcrGyYb)





ビュゴォォォォォォォォォォ!!!!




ヴィヴィオ「うひゃあああ!?」

オベイロン「どうわああああああー!?」

アインハルト「な、なんて強烈な風……!」

なのは「み、みんな吹き飛ばされないように捕まってて……!」

その暴風は台風のように激しく、オベイロンが用意した魔物軍団も過半数が空の彼方へと消えていった。
しかし桜峠の木々は桜の花を美しく散らすだけで、木そのものは全く動じなかった。

キリエ「ちょ、完全にキレてんじゃない!!」

フェイト「キレたって、やっぱりさっきのあれが……!?」

キリエ「親の目の前であんな事やったらそりゃキレるわよ!それに、雛を攫った密猟者が向かった町で、関係ない住民100人が負傷した上に密猟者と依頼主を含めた35人強が死亡、町は半日で全壊ってケースもあるわ!」

李里香「誘拐だけで町を全壊ぃ!?ギャラドス並にタチ悪いわよ!そういや、BoA(なのはシリーズゲーム第1弾。ここのリリなのチームもゲーム版をベースにしてる)でも、闇の欠片のはやてちゃん、凄く怒ってたよね;あれと同じなんだ;」

オベイロン「これがサクラスザク……!ギガントアーミー!奴を捕らえろ!」

暴風を堪えたオベイロンがギガントアーミーに指示を出す。指示を受けた2体はその鈍重な見た目からは予想が出来ないほどの跳躍力でサクラスザクに迫る。

サクラスザク(親)「……!」

脚を狙っていた2体の動きを見切ったサクラスザクは一羽ばたきで更に上空へ飛び、急降下してギガントアーミーの頭をそれぞれ両足で掴み、そのままグシャリと握り潰した。

ヴィヴィオ「あ、あんな硬い鎧をアルミ缶みたいに……!」

キリエ「翼竜並みの脚力と台風並みの暴風を放つ翼。あれが高レベルモンスターを確定させてるのよ」

オベイロン「な、何て化け物……!こうなったらこの雛だけでも……!」

あまりの強さに親の捕獲を諦めたオベイロンが、雛のいるカゴを持って逃げ出した。

なのは「あのままじゃ雛が……!フェイトちゃん!」

フェイト「うん!」

ヴィヴィオ「私も手伝います!」

アインハルト「私も!」

李里香「もう頭に来た!レオ様、ちょっと力と姿を借りるよ!」

なのは、フェイト、ヴィヴィオ、アインハルトがすぐに飛行魔法を使って後を追い、李里香もトランスドライブにカードをセット。途端に赤い髪が白く染まり、両目の瞳が金色になり、空から降ってきた両手持ちの戦斧を掴む。

李里香「トランスドライブ、モデル『レオンミシェリ』!ワシらも追うぞ!」

キリエ「そうね。雛が戻れば親も落ち着くだろうし、この峠の桜の木全部ふっ飛ばされたらたまらないわ!」

シュテル「幸いあの魔物たちが親をひきつけているから問題は無いでしょう。行きますよ!」

その李里香の後にキリエとシュテルも追う。オベイロンは飛行能力を持っていないので、すぐに一行に追いつかれる。

李里香(レオ)「さぁ、雛を返して叩き潰されるか、叩き潰されてから雛を返すか、どっちにする?」

オベイロン「……調子に乗りやがって!聖皇の剣を、『完全反撃』と『攻撃時魔法防御無視』を追加して違法召集!」

キリエ「まずは私が雛を取り返すわ!」

キリエがヴァリアントザッパーを細身のレイピアに換えて前に出ると同時にオベイロンが剣を呼び出して反撃に出る。
レイピアが頑強な聖皇の剣に敵わないが、その小回りの良さと長いリーチ、そしてもう片方の銃形態でオベイロンの足元に種を撃ち、急成長した細い木で視界を防ぐ。それを横薙ぎで振り払うとキリエのレイピアが雛のカゴに刀身を通して上に飛ばし、そのままキャッチする。

キリエ「雛は返させてもらったわ!」

オベイロン「この……!ウッドゴーレム!奴らを潰せ!」

すかさず潜ませていたウッドゴーレム2体がキリエに襲い掛かる。


シュテル「ディザスター・ヒート!」

李里香(レオ)「獅子王爆雷刃!」

だが、その2体は上空からの2人に叩き潰される。
しかしそれでもオベイロンはしつこく諦める事はなく、聖皇の剣を振り下ろす。

フェイト「遅い!」

その直後、フェイトがザンバーフォームのバルディッシュで聖皇の剣を根元からへし折り、そこからすれ違い様にアインハルトがオベイロンの懐に飛び込み、顔を殴りつけ、鳩尾に肘鉄を喰らわせ、そして蹴り上げて踵落しを流れるように決め、最後に踏み込んで力を込めた右ストレートを腹に決めた。
そして続け様にアインハルトが引くと、なのはとヴィヴィオが同時に肉薄し、『バトルシスターしふぉん』をセットして全体の能力を上げて打撃と魔力弾の至近距離射撃を放つなのはと、胸から上を重点的に格闘術で叩きつけるヴィヴィオの連携にオベイロンも反撃の隙が見つからない。

ヴィヴィオ「なのはさん、あの技で決めますよ!」

なのは「あの技……了解!」

そのまま2人は一旦オベイロンから距離をとり、彼を拘束魔法で動きを封じさせる。
そして魔力輪を目の前に展開し、そこに魔力を集束する。そう、これは……!








なのは&ヴィヴィオ「Wディバインバスター!!」

オベイロン「ぐあああああー!?」

それを喰らったオベイロンが獣道を転がる。そこにトドメの追い討ちと言わんばかりに、フェイトのライトニングバインド、シュテルのルベライト、なのはとヴィヴィオのレストリクトロックを同時発動。瞬く間に口と腕と脚を封じ、完全に拘束させた。

キリエ「ごめんね、こんな狭い所に閉じ込めて」

サクラスザク(雛)「ピィーッ!」

サクラスザク(親)「ガァァァァー!!!」

雛を檻から出すと、親が一行の目の前に着地。どうやら向こうも片付いたようだ。雛が親に駆け寄ると、親が雛を宥めるように顔を寄せてきた。
しかしなのは達を見てうなり声を上げている所を見ると、まだ彼女たちを敵視しているらしい、気まずい空気の中、変身を解いたヴィヴィオが一歩前に出て、親に言う。

ヴィヴィオ「約束どおり、雛は返したよ。もう大丈夫だよね?」

サクラスザク(親)「……」

暫くの沈黙。親は雛を見て、再びなのは達を見る。
そして、親は腰を下ろして雛を乗せる。


——私の子を攫ったら、容赦はしませんよ。


キリエ「……!」

そして雛を乗せた親は羽ばたいてそのまま空の彼方へと飛んでいったのだった。

ヴィヴィオ「もう攫われないでよー!」

シュテル「お元気で」

キリエ「……知らぬが仏って奴かしらね」

何も知らないシュテルとヴィヴィオはサクラスザクの親子の姿が見えなくなるまで手を振っているが、キリエはやれやれと首を横に振った。

桜の花と共に来た依頼:その7 ( No.728 )
日時: 2015/04/14 09:07
名前: 八雲(元BFD) ◆FvibAYZ8Tw (ID: rCcrGyYb)



あの後、オベイロンは自警隊に連行されていった。シャマルの報告にもあったように、最初に雛を誘拐した連中も逮捕されたそうだ。

フェイト「あ、そういえばヴィヴィオ達の世界を探すの、結局後回しにしちゃってたよね」

シュテル「そうですね。見たところミッドらしいのですが……」

李里香(うぅ〜。本当はなのはちゃんとフェイトちゃんの子供だって伝えたいんだけど、それだとクロノジェットとの約束を破っちゃうし……)

残った問題であるヴィヴィオとアインハルトを元の世界に帰すのに悩む2人。約1名はあの2人の正体を話せずにいて悩んでいるが。

はやて「せやったら、ミッドに連絡してみたらどうなん?それやったらちょっとは解るんとちゃうんか?」

アインハルト「ありがとうございます。何から何まで……」

シュテル「あとは、ミッドのどこなのかを調べれば——」

クロノジェット「いや、調べる必要は無い」

シュテルが言いかけた時、歯車のようなゲートからクロノジェット・ドラゴンが現れる。

アインハルト「!?まだ残党が……!」

クロノジェット「敵じゃねぇよ!送還の儀の準備が整ったから迎えに来たんだ」

李里香「そういやクロノジェットが依頼したんだっけ。ありがと」

クロノジェット「そりゃどうも。だが、これには一つデメリットがあって、送還の儀に立ち会ったギアクロニクル以外の人間はそのショックでその対象の記憶が消えてしまうんだ」

フェイト「じゃあ、今日の出来事も?」

フェイトの悲しげな問いに時空竜は頷く。『何か言いたい事があるんだったら今のうちに話しとけよ』と一歩下がって歯車のような魔法陣を展開する。

ヴィヴィオ「折角帰れるのに、なのはさん達との記憶が消えちゃうなんて……」

なのは「うん……でも、きっとどこかで会えるよ!」

アインハルト「……そうですね。きっと会えます」

フェイト「2人の友達には、この思い出話はできそうに無いね」

ヴィヴィオ「フフッ、そうだね」

クロノジェット「……なぁ、もういいか?」

とめどなく会話が溢れてくる女子たちだったが、時空竜が痺れを切らして尋ねてきた。
その言葉にヴィヴィオとアインハルトは魔法陣の中心に、なのは達はそこから離れる。それを見た黒のジェットは右手を前に出して呪文を唱える。

クロノジェット「我ら、歯車と共に時の流れを守護する者——」


ヴィヴィオ「それじゃあ色々言いたいけど……ありがとう!」


クロノジェット「我、クロノジェット・ドラゴンの名の元に、時の河から零れた雫を時の運河へと戻せ——」


アインハルト「貴方達の強さ、共に旅をして解りました。また会いましょう!」


クロノジェット「そして、その者と関わりし者達の記憶を深き常闇の深淵へと封印せよ……!」


詠唱が完了すると、差し出した右手で指を鳴らす。すると魔法陣の上空に歯車が現れ、それが徐々に速度を増しながら回転しながら魔法陣のうえにいる二人を包み込み、周りにいる人間たちも包み込んだ。





『あとがき』


今回はなのはVIVIDのアニメ公開記念でのお話。ってか、もう2話公開しちゃったけど;
なのはGOD(PSPのリリなのシリーズの第2弾ゲーム)の第2話で登場してなのは達と戦ったのがあったので、折角なんで共闘させてやろうと考えました。
当初はりゅーとさんの2番煎じの予定でしたが、急遽春をイメージしたモンスターを登場させました。因みにサクラスザクとトランスドライブのデータを簡単に紹介。



『サクラスザク』

・深い森や木々の生い茂る山に生息する。その魔物は蓬莱の枝を使った巣で卵を育てる。

・食性は魚中心で、綺麗な川に生息する魚を食べる。

・知能はかなり高く、純粋な心を持つ人間の前にしか現れず、しかも純粋な人間でも少しでも敵意を見せれば凶暴さが牙を向く。

・見た目の美しさに似合わず性格はかなり凶悪。前述の通り凶暴さが表になると小規模の町一つを全壊させてしまうほど。使える魔法の殆どを無詠唱で放ち、足の力と起こす暴風も凄まじい。



『トランスドライブ』

李里香に贈呈されたアイテム。
ヴァイスシュヴァルツのカードをセットする事で、そのカードのキャラの技と能力をそのまま使う事ができる。ただし、コピーできるのは原作のスキルのみであり、レベルに比例して使用者のエネルギーも大量に消費する。
因みに現在トランス可能キャラは以下。



使用可能(上から消費エネルギー大>小)

・なのは:固定砲台の如くどっしりと構えて撃つ原作と同じタイプ。SS版も使えるようになっており、後者は前者に加えて探索スキルも持っている。

・レオ:戦斧による広範囲の紋章砲と近接攻撃を得意とする。燃費の悪さを除けばルージュに次いで使い勝手が良い。

・キャロ:専用の黒子トークンに乗り、支援魔法を得意とする。

・ナナミ:水と氷の能力を使い、水上も移動できる。武器はブーメランと長杖に変形できる。奥の手にヒーロータイムで一定時間全ての能力が大幅に上昇する。

・スバル:フェイトほどではないが機動力はあり、ウィングロードで道を生成できる。

・ガウル:近接攻撃の連撃で一気に相手を倒す。ヒーロータイムで一定時間攻撃力と速度を上昇できる。

・ティアナ:銃撃を中心とするが、幻影魔法で相手をかく乱させる。

・ジョーヌ:紋章砲を中心に弓で撃つ。また、聴覚も強化されている。

・ノワール:戦闘の能力は低めだが、ナイフの間接攻撃とセブンテイルの広範囲攻撃で相手を薙ぎ払う。

・エリオ:槍の鋭さを魔力でカバーしつつ、自ら巨大な弾丸と化した突貫を得意とする。

・ジョーヌ:基本的に斧だが、紋章術での攻撃も得意。だが、基本的には物理専門。

・ルージュ:最も消費エネルギーが少なく、戦闘スタイルも最もバランスが取れている為、使い勝手が良い。



使用不可(要領オーバー、または戦闘に参加できない為使用不可)

・プレシア:持病持ちだったとはいえ、魔力量がトランスドライブの要領を軽く超えてる。

・リニス:彼女は1世の記憶が殆ど無い為、戦闘に参加できない。

・リインフォースⅠ:元となったデータの大半がコピー不可であり、要領もプレシアほどではないがオーバーしている為不可能。

・リインフォースⅡ:まだ幼く、能力も殆ど無いので使用不可。




今回はこれで終わり。感想をお願いします。