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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【まどマギ】それは優越感か、後悔か【番外編】 ( No.14 )
- 日時: 2013/01/06 14:42
- 名前: おなかへった ◆scEpNWmRjQ (ID: XiewDVUp)
「くだらなくても、理屈は理屈さ」
インキュベーター——奴は人間に上手く取り入る為、キュウべぇと愛らしい名で名乗る——のここでいう“異常”とは、人間誰しもが持つ感情があることだ。この白い生物は通常、感情というものが存在しない。もし心があるのならば、それは精神疾患を起こした異物と判断されるのだ。
だが感受性を持ち合わせたとて、態度に変化はない。唯一イントネーションの有無が相違する点であったが、それがあった所で苛立ちを増幅させるだけに過ぎない。
「まったく頭にくるなぁ」
「そうは見えないよ?」
「態度に表さないだけさ。内心は荒れてるよ」
「ふうん、まあ暴力をふるわれないことはありがたいけどね」
ほら、癇癪を引き起こすような言葉を選んでくる。人を怒らせることしか能はないのか、と溜息を吐きたくなる。ああ、グリーフシードの処理ができるか。
「ところで君はいつまで此処に居るつもりだい?」
「・・・・・・病院の屋上に居て何時間経過した」
「3時間程かな」
道理で茜色の空が黒に色を変えているわけだ。ほんの少し街を眺めようと思っただけなのに、まさかこんなに時が経つとは。そろそろ帰ろうかとキュウべぇが促す。奴も早く眠りたいのだろう、最近眠いんだとぼやいていたのを思い出す。
先程の仕返しとして留まり続けるのも悪くはなかったが、肌が寒気を感じ取る。身体に異常をきたしてまで奴に冠を曲げることなんざすることはない。また今度、と心に決めて瑞原夜は帰路に就くのであった。
第一話
(魔女退治後にて)
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