二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【まどマギ】それは優越感か、後悔か【番外編】 ( No.15 )
日時: 2013/01/26 11:46
名前: おなかへった ◆scEpNWmRjQ (ID: hc4T1ZG6)

第二話

「無い。グリーフシードが、ない」
気づいたのは、快眠を貪った翌日の事だ。

魔女を撃破すると、グリーフシードと呼ばれる“卵"を落とす。穢れを一定まで吸い込むと孵化するそれは、一般人にとって危険極まりない。しかし魔法少女にとっては欠かすことの出来ない物だ。
「全く、グリーフシードはソウルジェムの穢れを取るために必要だって何回言ったら分かるんだい? 夜、君は何時も失くしてばかりだね」
やれやれと呆れているキュウべぇがその理由を述べている。そう、私が落とした魔女の卵はソウルジェムの消耗を回復させることが出来るのだ。
「頭では理解しているんだが、どうも体が上手く動かなくてね」

そもそもソウルジェムやグリーフシードとは何か。前者はインキュベーターと契約した魔法少女が生み出す卵型の宝石だ。材質は不明だが、魔力が内臓されていることは事実である。放つ光色はは人によって様々で、大きさも千差万別である。キュウべぇ曰く「ソウルジェムの大きさは魔力の量に比例する」らしい。これがあるからこそ、魔法少女は魔女に対抗可能なのだ。
しかし魔力にも限りがあり、いずれは使い果たしてしまう。そこで必要なのがグリーフシードだ。前述の通り、下部に自立するための銀の針が刺さった黒球体は魔力を取り戻してくれる。

方法は至って簡単だ。ソウルジェムにグリーフシードを近づけるだけでいい。それだけで穢れが溜まって透明度の低い宝石が再び透き通るのだ。
絶望の種が孵る為に必須な穢れは、魂の石に蓄積するものと同一なのだ。だからソウルジェムのそれがグリーフシードに移る。結果、濁りを取り除くことになるのだ。
そんなものを落とし忘れるとは、自分でも愚行だと考える。肩を竦めて、両掌を上向きにして仕草する。

「でもキュウべぇも落としたことに気づいてくれればよかろうに。全く役にたたないなぁ」
「どうして君は何かと難癖を付けてくるんだい。……僕の事が嫌いなの?」