二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【まどマギ】それは優越感か、後悔か【再びオリキャラ募集】 ( No.21 )
日時: 2013/01/26 11:53
名前: おなかへった ◆scEpNWmRjQ (ID: hc4T1ZG6)

今日もお母さんの入院する病院でたくさん話すと、“いつもの場所”へと私は向かった。病室から左に曲がり、階数が表示されている扉の前に立つ。人差し指でタッチパネル式のボタンに触れると、すぐに箱への入口が開いた。どうやらこの機械は私のいる階でとどまっていたようだ。
一面ガラス張りのそれに踏み込み到着する階を指定すると、透明の箱は完全に閉鎖され、とても静かに上昇していく。

「……キレイ……」
窓越しに見える、次第に高くなる景色は何回眺めてもそう思う。見滝原市の特徴とも言える、豊かな自然と発達したビル。その緑と建物の色合いはバランスが良く、目だけでなく、心にも安らぎを与えてくれる。

「やっぱり夜の風景は一番好き……」
勿論朝の清々しい、青と緑も好きだし、夕日で街が金色に染まっていることも素晴らしいと思う。けれども月の“はかない光”に照らされて、木々が、建物が輝く時間は一番気に入っていた。
窓に手をついて夢中になっているうちに、もう目的の場所にたどり着いたようだ。響く電子音と点滅光が証拠だ。

トンッ、とここまで導いてくれた機械から降りると、夜風が頬を掠める。やはり病院の屋上は体が冷える。地面からの高度もそれなりにあるし、なにより暖房の効いていた暖かい場所から急に寒い場所へ移動したのだ。体が震えてもおかしくはない。
膝丈のピンクのワンピースに薄いクリーム色のパーカーでは足りなかったかなぁ、と今更思う。

「まだ春なのに……うう」
帰ろう、と“きびす”を返し、ふたたびエレベーターに乗り込もうとしたが、視界に一人の人間が映る。
「こんなに寒いのに、大丈夫なのかな……」
かぜをひいちゃうよ、と方向を変え、声をかけようとした。その人に聞こえるよう、距離も縮めた。
けれど、その言葉は誰の耳にも届かない。


——見とれてしまったのだ。街を見下ろす、一人の女性に。




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小4の語彙ってこんぐらいですかね?