二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【まどマギ】それは優越感か、後悔か 【オリキャラ〆切ました】 ( No.59 )
日時: 2013/03/27 17:23
名前: おなかへった ◆scEpNWmRjQ (ID: L7bcLqD7)

「さぁ、かかってくるがいい!」
 今、たたかいのひぶたが切っておとされた。
「・・・・・・すぐに、終わらせる」

 最初にこうげきをしかけたのは紫藤さんだった。相もかわらずテレポートを使用し、間合いを一気につめる。桜綺ちゃんがすがたをかくにんする前に、細い切れ味のよさそうな日本刀をふるう。
 けれども桜綺ちゃんもやすやすとやられはしなかった。刀があたりそうなギリギリに、持っていた大きなかまでうけとめた。

「二度も同じ手にひっかかるかよ!!」
 お互い武器の“え”に力をこめ、対立する。
——じゅんすいな力と力の真剣勝負。
 どうやら桜綺ちゃんが上手だったようだ。ガチガチとふるえている刀が紫藤さんの方にかたむいていく。
 このままではだめだと思ったのだろう。私からでもよく分かるほどにぎりを強くし、紫藤さんはおしかえす。それをエネルギーとし、彼女は桜綺ちゃんときょりをとった。

「今度はこっちから行くぜ!」
 桜綺ちゃんは休むひまなどあたえはしない。大きな声でさけびながら、紫藤さんを追ってゆき、自らの得物で次々とせめる!
「くっ・・・・・・」
 対して紫藤さんは、はんげきもできず、ぼうぎょに回ることしかできずじまい。それもその通りだろう。二人の武器のこうげきはんいがちがいすぎるのだ。

 紫藤さんの日本刀はせいぜい60センチほど。刃の部分は長いものの、全身が短く、接近しなければ当てることはむずかしい。だが桜綺ちゃんはどうだろうか。
 桜綺ちゃんのかまは農業に使うそれではなく、死神が持つような持ち手の長い物。300センチはよゆうでこえているだろう。
かまは手にとどく長さの半分しか間合いにしかならないと言われている。しかし半分とはいえそのきょりは150センチ。とどのつまり二人のこうげきはんいには90センチのさがあるのだ。このきょりのハンディキャップは紫藤さんにとっては不利だ。

 テレポートを使えばいい、と考えるかもしれない。だが桜綺ちゃんはブロックもへいようして、ガードにしか時間をさけないようにしている。
——ようしゃなど、みじんもなかった。

「さっきの威勢はどこいったんだぁ?」
 言葉のごびがわざとらしくのびている。きっと紫藤さんをちょうはつしているんだろう。もちろん、しどうさんはそんな私でもわかるものにのりはしない。無反応で、ただダメージをうけないようにしているだけだ。
——いや、できないと言った方がいいかもしれない。彼女の表情はけわしくなっており、息づかいもあらくなっているようだ。それにじゃっかん刀を持つ手がゆるまっていて、桜綺ちゃんのかまに負けそうに思えた。

——だいじょうぶかな・・・・・・。
 紫藤さんは強い。日本刀のあつかいもあるが、ためらいもなく人をきることができるだなんていくつもの場数をふんでいるんだろう。
 自分でも分かっているはずなのに、何で不安になるのだろう。

「少しは反撃してみろ、よっ!」
 ブンッ、と空気を切る音が聞こえる。かまが刀と交差する——のは少しの間だけ。
 金属音の後、紫藤さんの日本刀が空にとばされる。くるくると回りながらもゆっくりと重力にしたがい、地面におちる。

「なっ・・・・・・」
「よそ見してる暇はないぜ?」
 刀がはじかれた方を見たのがまずかった。すかさず桜綺ちゃんはブロックを生み出し、ぶつける。紫藤さんが気づくのは当たった直後のことで。
「かはっ・・・・・・!」

——ああ、このことだったんだ。
 私が不安をかかえていた理由。それは紫藤さんが刀と同じようにとばされて、かべにぶつかったことだったのだ。