二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【まどマギ】それは優越感か、後悔か 【オリキャラ〆切ました】 ( No.68 )
- 日時: 2013/07/17 11:17
- 名前: おなかへった (ID: wf9BiJaf)
「申し訳ない、少々遅れてしまったようだ」
ケガはないかい? と手をさしのべるあの人。私は少しだけぼうっとしてしまったが意識を元にもどし、小さく答える。
「あ・・・・・・はい。でも、紫藤さんが・・・・・・」
私はなんともないが、彼女が深いキズを負ってしまっているのだ。私が紫藤さんに目線をむけると分かってくれたようで。あの人はうなずいて、紫藤さんの深いキズに手をかざす。手のひらから白い光がかがやき、大きくわれたはだをやさしく包む。
「これで大丈夫」あの人は光を放つ手を紫藤さんの体からはなした。
「傷口は塞いだから最悪のケースには至らないはずだよ」
本当だ。見ただけでもいたそうな赤色をどくどくと流していた傷口が見事にとじられている。液体ももう出てきいない。
「あ、ありがとうございます……!」
「礼には及ばないさ。だが……」
言いかけたところで、あの人の目はするどく細まり、口元もいっそう上がる。
「・・・・・・まだ満たされていないようだね」
「・・・・・・え?」
なぞめいた発言の意味も、すぐに知ることになる。
あの人が細長い色白な手をはらうと、すき通ったキレイなナイフが数本、あらわれる。それらは風をきるようにしてすばやくとんでいった。後を目でおえばいつのまにか作られていたブロックにつきささっていた。ブロックは地面をゆるがすような大きい音を立てて、ナイフをも巻き込みながらこなごなになり、消えていった。
どうやらばくはつするブロックだったようだ。
「・・・・・・チッ」
したをはじきならし、つまらなそうな箱の主。そうだ、彼女はまだ悲鳴を聞きたいと言っていたんだ。だから足りなさそうなのだ。
「彼女を心ゆくまで満足させてからでもいいかい?」
満足させる——この場合は桜綺ちゃんをたおすのだろう。口調そのものは変わらないが、ややピリピリしたふんいきをあの人はまとっている。はりついたほほえみもそう物語っていたのだ。
「・・・・・・お願いします」
まっ先に紫藤さんをすくいたい気持ちもあったが、まずは桜綺ちゃんを何とかしなければ手当ても十分にできないだろう。私の気持ちをゆうせんしてしまえば、さいあくなじたいになるかもしれない。
ややためらう気持ちもあったが、おし殺してあの人に私はたのんだ。
——今はまかせるしかない。
「ほう? 貴様も自ら死ぬことを望んだか。実に愚かだ」
桜綺ちゃんはあざける。しかし、負けじとあの人は言い返す。
「おやおや・・・・・・最初に仕掛けたのは貴方のはずだが? それに私も魔法少女、一筋縄ではいかないよ」
「大した自信だな」
はんろんされた彼女からはバカにするようなえみは消えていた。それどころかうれしそうだった。これから強気なあの人のくるしむ顔が見れるのだときたいしているにちがいない。
でも、あの人は負けない。こんきょはないが、きっとあの人なら桜綺ちゃんを止めてくれると信じている。
「そのプライドもズタズタに引き裂いてやるよ!」
——大きなかまがいやに黒光りする。
「貴方こそ、矜持が傷付けられないよう、気をつけたまえ」
——小さな、けれどするどいナイフが光をはんしゃする。
「——いくぜ」
「——いくよ」
声がかさなり合うとともに、たがいの刃が空をまった。
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地の文の書き方が安定しないよふぇぇ・・・・・・