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Re: ポケットモンスターBW2 幻のクロスワード:番外編投票! ( No.119 )
日時: 2013/03/12 21:10
名前: タク ◆XaammrlXPk (ID: 39RfU1Y2)

バトル40:兵器なんかじゃない!!

 ここは、ハイリンク上空に浮かぶ、第三爆撃ユニット。内部では熾烈を極める戦いが行われていた・・・が、ある男が現れたことで戦況は一変、セキュリティー・イッシュが逆転した。では、ある男とは誰か?それは、セキュリティーイッシュ四幹部・鋼タイプの使い手、ガートだった。彼は、幻惑の孤島で使用した、ゲノセクトをさらに強化し、メンバー達を一蹴。そして、高い声で笑っていたのだった。

「すばらしい・・・すばらしいッ!!これがゲノセクト・・・!!こんなに素晴らしい兵器が、プラズマ団の手に渡らなくて、幸いでした。これこそ、私に相応しい!!」

 その時、通信機に連絡が入った。なんと、それはセキュリティー・イッシュ四幹部・ムツキだった。ガートが通信機を取る。

「おや?ムツキですか?」
『ねえ、ガートぉー。ボスがそのまま監視を続けろだってー。』
「その心配は要りません。」
『何でー?』

 ガートは拳を突き上げ、笑いながら言った。

「このユニットはセキュリティー・イッシュの物ではない!」
『はぁ?』
「この私、ガートの物なのですッ!!ゲノセクトと・・・・この爆撃ユニットさえあれば・・・!!私一人でイッシュの制圧など、道理!今度こそ私が・・・!ひゃはははははは!!!」

 ガートは笑い出した。

『は?言ってる意味が・・・。』
「それでは・・・。」

 そう言って、ガートは通信を切った。そして、そのまま通信機をたたき壊した。その美しい顔は、完全に私利私欲でまみれ、濁っていた。そして、狂ったように笑っていた。

「ひゃははははははは!!もう部下も、組織も必要ない!!私が・・・
私こそが新世界の王となるッ!!必要なのは、ゲノセクト・・・。兵器であるお前だけで、充分なのです!!」

 下品に笑い、涎をたらしながら笑う様は、まさしく狂人だった。周りには、無惨に破壊された機械、そして痛々しく倒れたIPQメンバーとセキュリティー・イッシュの隊員達だった。その時だった。その笑い声を断ち切るように羽音がする。ガートが我に返り、涎を拭く。

「だ、誰ですか!!」
「いけねーなぁ?完全に無防備だったぜ?」

 入口から人影・・・。それはライガ達だった。しかし、ガートはケタケタと笑い出した。

「ようこそ・・・!お待ちしておりました・・・!!」

 ライガがガートを睨み付ける。

「俺のポケモンを返せ!!」

 しかし、ガートは気にも求めず、ライガではなくラウルの方を向いた。

「しかし・・・、貴方が裏切るとは予想もしてませんでしたよ・・・。ムツキから聞いたときは、驚きましたがね。」
「アンタにはもう用はない。それより、基地のカギを渡して貰おうか。
ガート。」
「ほう、タメ口ですか・・・。かつての上司にねぇ・・・。」

 その瞬間、ガートの顔が歪んだ。

「ふざけるんじゃねーぞ、クズ共!!」

 そして、急に人格が変わったように怒鳴った。

「な、何だ!?急に性格が変わったぞ!?」
「ごちゃごちゃうるせーんだよ!!とっととてめーらぶっつぶして、新世界の王になるのは、この俺、ガート様だ!!!」
「新世界の王だと!?お前、セキュリティー・イッシュを裏切るつもりか!!」

 ライデンが問い質した。

「そうだ!セキュリティー・イッシュも、俺に取っちゃ単なる踏み台!
世界征服のためのな!!」

 そして、ガートが手招きした。

「出てこい、ゲノセクト!兵器である貴様の実力見せてやれ!!」
「ゲノセクト!?」

 全員は戦慄した。ゲノセクトと言えば、プラズマ団が化石から復元し
改造した古生代ポケモンだ。このポケモンの存在を、ライガ達は知らなかった。IPQでゲノセクトがセキュリティー・イッシュに渡っているのを唯一知っていたのは、ガートと幻惑の孤島で戦ったシャガのみだった。ライガが前に進み出る。

「みんなは下がってて。こいつは・・・ガートは俺が倒す!!」
「ふん、舐めるな!」

 ガートがバカにするような声で言った。ミオ達は、後ろで固唾を飲んでいる。ガートが叫ぶ。

「俺にはゲノセクト1体だけで充分なんだよ!!この兵器さえ居ればな!ひゃはははは・・・・・!!」
「さっき、お前ゲノセクトのことを、兵器とか言ってたな。」

 ライガが明らかに怒っているのが伺えた。

「ポケモンは兵器なんかじゃないッ!!」

 ライガの心の叫びでもあった。しかし、ガートが冷たく答えた。

「いーや、こいつは俺の兵器だ。俺の理想を叶えるためのな!!」
「そーゆー、欲に埋もれた理想は、野望って言うんだそんな野望、俺が叩き潰す!行くぞ、リオ!今度こそこいつと決着をつける!!」

 ライガはボールを投げて、リオを繰り出した。しかし、ガートもボールを投げる。

「成る程な!だがな、こっちも1体じゃ満足行かねえ!!行け、お前ら!ナットレイ、ドリュウズ、エアームド、ボスゴドラ、アイアント!
叩き潰せ!」

 鋼タイプのポケモン達が姿を現す。明らかに鍛えられていた。

「こっちも全力で相手してやるぜ!レジロック、ヒヒ、ナック!お前ら頼んだぜ!」

 ライガは手持ちを全員繰り出した。ミオが呟く。

「頼んだわよ、ライガ!」


 遂に、本性を現したガートと、ライガの本気バトル!しかし、形勢は4対6と完璧に不利!どうする、ライガ!