二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ポケットモンスターBW2 幻のクロスワード:オリキャラ募集! ( No.207 )
- 日時: 2013/04/10 06:36
- 名前: タク ◆XaammrlXPk (ID: 39RfU1Y2)
エクストラバトル1:旅立ち
「あ〜あ、今日も暇。何も変わり映えがしない!」
2年前、サンギタウンに住んでいる少年、ライガはそうボヤいていた。
「アデクさんの所に弟子入りしようか・・・。んでもってポケモントレーナーになろうか・・・。いやいや、誰かの弟子になるなんざ、まっぴらゴメンだ!」
ライガはそう意気込む。しかし、イマイチどうやってポケモントレーナーになれば良いか、分からない。とにかく、この変わらない日常から抜け出したい、その思いだった。
「おい、てめぇ!!待て、このドロボウが!!」
ふと、大声が聞こえた。見ると、木の実屋のおじさんが、3匹のリオルを追いかけていた。
「このォ・・・!ぜぇぜぇ・・・、待て・・・ハァハァ・・・。」
「おじさん!大丈夫か!?」
ライガは、息が切れて咳き込むおじさんに、話しかけた。おじさんとは知り合いで、長い付き合いなのだ。
「ライガが・・・。すまんな・・・。」
「おじさん、何があったの?」
「見ての通りだ・・・、あいつらに商品の木の実を丸ごと・・・。ゲホゲホ・・・。」
おじさんは苦しそうだ。運動が苦手なおじさんに、これはきつかったか。
「くっそォー!逃げられる・・・!」
その時だった。後ろから、何かが飛び出した。一匹のリオルだった。逃げようとしているリオル3体の前に立ちふさがる。目元には切り傷が出来ていた。
「オル、オール。(盗みとは、全く落ちぶれた者だな。)」
「オルル!?(何だとお前!)」
「オルー!(やっちまえ!)」
3匹のリオルは、一匹に向かって、はっけいを放つ。
「あ、危ない!!」
ライガが声を上げる。しかし、目元に切り傷のあるリオルはまず左右から迫る、2匹の顔面にパンチをカマし、そして正面から迫る1匹の顔面にはヘッドを喰らわせた。3匹は倒れる。が、起きあがり去っていった。また、目にキズのあるリオルも去っていった。
「す、すげェ・・・!」
「あ、あいつは、”リオ”!!」
おじさんが振り絞るように言った。
「リオ!?」
「そうだ。サンギ牧場に住んでいるリオルの中でも、とても強く、そして目元にキズがある事から、他のリオルと区別され、いつの間にかそうあだ名を付けられた。たまに悪さを働くポケモンも、こいつが退治しているのさ。」
おじさんはようやく落ち着いたらしい。
「さーてと、木の実も返して貰うとするか。」
おじさんは、落ちている木の実を拾っている。
「なぁおじさん。こいつらは何で、木の実を盗ろうとしたんだ?」
ライガがおじさんに問いかける。
「へ?それは何故って・・・。」
「木の実なら、奴らが住んでいる牧場にもいっぱいあるはずだぜ。これは1つ、調べてみねーか?」
「へ?」
と言うことで、ライガとおじさんはサンギ牧場にやってきた。
「そう言えば、おじさんポケモン持ってたっけ?」
「ああ、一応な。一応、出しておくか。行け、ノコッチ!」
おじさんは、土蛇ポケモン、ノコッチを繰り出した。
「さっきも、コイツを使えば良かったんだが、生憎間に合わなくてな。
ハハハ・・・。」
「どっちみち、ノコッチじゃ間に合わないと思うよ。リオルは素早いからね。」
「おいおい、そう言うな。」
おじさんは苦笑いを浮かべる。2人は、牧場の奥へ奥へと進んでいく。
「あ、これって・・・。」
さっきのリオル達が、木の間にある隠し穴に入っていくのが分かった。
「あの穴に、秘密があるぜ、おじさん!」
「ええ!?入るのかい!?」
入ると、さっきの3匹のリオルが、少量の木の実を持って何かの前に座っていた。奥には、1匹のミルホッグが佇んでいた。
「ミルホッグ!?そうか・・・アイツが木の実を独占していたのか!
許せない!」
ライガが声を上げる。
「おい、待て。ここで声を上げたら・・・!!」
その前に、思いっきり睨まれている。気付かれたのだ。
「ミルミール!!(やっちまえ!!)」
「オルル!」
リオル達が、ライガに飛びかかる。
「しまった!!」
「まずい・・・!!」
もうダメかと思ったときだった。
「オルルー!!」
「!!!」
リオル3匹は吹っ飛ばされた。後ろには、リオが真空波を放っていたのだ。
「リオ!!お前、助けてくれたのな!」
リオは、プイと顔を向こうに向けてしまった。
「おいおい・・・。」
リオはミルホッグを睨み付ける。
「オルル・・・。(黒幕は貴様だったんだな?)」
「ミルミール!!(だからどうした!ここで倒れろ!)」
ミルホッグは、歯をむき出すと、こちらに飛びかかってくる。怒りの前歯だ。リオは攻撃を受け、負傷する。これで終わりだとばかりに、ミルホッグが、必殺前歯を放った。これを受ければお終いだ。しかし、そうはならなかった。
「うぉぉぉ!!」
ライガが、咄嗟にリオを庇ったのだ。リオは驚いたように、ライガを見つめる。ライガの腕には、歯が食い込んでいた。ミルホッグをライガは振り払う。
「リオ。こいつはお前一人じゃ勝てない!俺らで倒すぞ!」
ライガが叫んだ。リオは、頷く。そして、心配そうにライガを見上げた。
「オル・・・。」
「大丈夫、平気だ!やるぞ!!」
ライガが叫ぶと、リオの体が突如光り出す。
「まさか・・・!進化!?」
次の瞬間、立派な姿をした、ルカリオが立っていた。
「す、すげぇ・・・!!」
「ガルルル・・・!!」
リオは、目の前の敵を威嚇する。
「行くぞ、リオ!」
「ガルル!!」
まず、ミルホッグが前歯をリオに突き立てる。しかし、ミルホッグはあっさり跳ね飛ばされてしまった。
「リオ、波導弾!!」
「ミルル!?」
一撃が炸裂した。ミルホッグは倒れた。
「おい、もうこんな事はしないな!?」
ライガとリオが、ミルホッグに詰め寄る。
「ミルルー!!(もうしませーん!!)」
一声叫ぶと、ミルホッグは逃げていった。
「ははッ!一件落着だな!」
「おじさんはほとんど何もしていないだろーが!!」
こうして、木の実独占事件は幕を閉じた。
(しばらくして)
「で、何でお前は俺に付いてくるわけ?」
リオは完全にライガに懐いてしまったようだった。
「良いじゃないか!お前の初めてのポケモンだろ?どうせなら、今ここでポケモントレーナーになっちまいな!ホレ、モンスターボールだ。」
「それもそうだな。んじゃ、よろしくな!リオ!」
ライガは、リオの額に、コツンとモンスターボールを当てた。リオはボールの中に吸い込まれた。
「よっしゃぁー!!これで俺もポケモントレーナーだ!」
ライガは飛び跳ねて喜ぶ。ライガも、今日からポケモントレーナーだ。
そして、2年後・・・。
「ライガさん、どうしたんですか?」
「ああ、ビャクヤ。ちょいと昔の思い出に耽っていたのさ。何なら、聞かせてやろうか?な、リオ。」
「ガル!」
「はい!お願いします!」