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Re: ポケットモンスターBW2 幻のクロスワード:オリキャラ募集! ( No.212 )
日時: 2013/04/11 06:46
名前: タク ◆XaammrlXPk (ID: 39RfU1Y2)

エクストラバトル2:人捜し

「おかしいなぁ・・・。道に迷っちゃった・・・。」

 一人の少女が、森の中で迷子になっていた。少女の名はミオ。ついこの間、旅に出たポケモントレーナーだった。時は2年前、サンギタウン周辺の森・・・。辺りは暗くなってきて、誰も居ない。その時だった。

「おやおや、ガキか。」

 低い声がした。振り向くと、怖そうな顔をした、男が立っていた。

「てめーの様なガキには、俺の金稼ぎの道具として、働いて貰うのが一番だなァ・・・!!」

 男はどうやら、最近このあたりで聞く、誘拐犯らしい。

「大人しく付いてこい!モロバレル!!」
「いやよ!プルリル!」

 男はモロバレル、ミオは相棒のプルリルを繰り出す。しかし、相性が悪い。

「モロバレル、ギガドレイン!」
「プルリル、祟り目!」

 両者の技がぶつかり合う。しかし、勝敗はすぐに付いた。

「プルリルー!!」
「ははは!!あっけねーな!!」

 プルリルは体力を吸われ、倒れた。

「チルット、お願い!」
「ははは!雑魚ばっか出しやがって・・・。いい加減、大人しく眠れば良いさ!!モロバレル、キノコの胞子!!」

 モロバレルの傘から、粉末状の毒が吹き出る。

「ああっ・・・!!」
「てめぇも寝ろ!いい加減にな・・・!!」

 まずい。毒が体中を回って、眠くなってきた・・・。

「ははははは!!ザマァねえな!!」
「う・・・ぐぐ・・・!!」

 モロバレルが、寝ているチルットに詰め寄る。このままではやられてしまう!その時、青い何かがモロバレルを蹴飛ばした。

「そのまま、竜の波導!!」
「あっ・・・!!モロバレルーッ!!」

 モロバレルは倒れた。

「だ、大丈夫か!?」

 視界が暗くて、よく見えないが、少年が駆け寄ってきた。

「だ、大丈夫・・・。」
「そうか!それじゃあ、笑え!」

 少年はニッと笑った。ミオも思わず微笑む。

「う、うん!」
「そうそう!お前には、笑顔が似合うぜ!・・・・!?ぐ、ぐああああああ!!」

 その時、少年は叫びだした。さらに、青いポケモンも倒れる。

「ぐ、ぐああああ!!!」
「へへへ・・・バカめ・・・。モロバレルが吹き出した、1つめの毒はキノコの胞子による、睡眠薬!そして、もう1つの毒!それは、一時的に脳を麻痺させる薬だ!!」

 ミオは、少年を抱きかかえるが、少年は呻くばかりだ。その時だった。

「おいおい、何事だ!!」

 振り向くと、大人達がやってきた。どうやら、男の仲間らしい。しかし、恐怖に囚われたミオはそのまま逃げだしていた。倒れた少年が、呻くように言う。

「に・・・げ・・・ろ・・・!!俺のことは・・・良い・・・!!」

 ミオはうなずき、駆けだしていった。

「ガキは?」
「助けに入った、このバカガキしか残っていねーよ!だが、女より男の方が、よく働くからな・・・!ポケモンも連れてるし。何だっけ・・・
ル・・・ル・・・思い出せないな・・・。」

 その時だった。青いポケモンは、突然起き、男達を蹴り飛ばす。

「ぐあああ!!」

 男達は呻き、倒れた。青いポケモンは少年を抱え、そのまま去っていった。

 その日から、ミオは1つの呪縛を背負うことになった。助けてくれた少年を見殺しにしたのだ。心底後悔した。しかし、次の日あの場所に行っても何もなかった。

「アタシのせいで、あの子は・・・。」

 周りには、明るく振る舞った。でも、心の闇だけは振り払えなかったのだ。そして、ミオには1つの目的ができた。あの少年を絶対に捜し出すと・・・。

 セキュリティー・イッシュの壊滅から2ヶ月後・・・・。ミオはある少年と仲間になっていた。名前はライガ。何となく、あの少年に似ている気がした。だが違うだろうと、別に気にしなかった。ライガが連れている、ルカリオのリオも、あの青いポケモンに似ているような気がするのだが・・・・。ある日、ある疑問をライガにぶつけてみた。

「ねえ、ライガ。アナタ、2年くらい前に女の子を助けなかった?」
「へ?何でいきなり・・・。」

 ライガは戸惑ったようだが、すぐに答えた。

「無いな。」

 その一言で終わりだった。やっぱり違うのか。その時、ライガが連れていたリオが、首を縦に振った。もしかして・・・。

「ライガ!ちょっと、リオを借りても良い!?」
「い、良いけど・・・。」

 ミオはリオを、少し離れた場所にまで連れて行った。

「リオ!聞きたいことがあるの!ライガは昔、アタシに似た女の子を助けたことがある?」

 リオは首を縦に振った。ならば、考えられる可能性は一つだ。

「あの時のモロバレルの毒だわ・・・。」

(あの時、男は脳を麻痺させる毒だと言った。しかし、何らかの方法でリオがライガの症状を治した。しかし、後遺症でライガにはその時の記憶が無くなった・・・。)

 確かにそうだろう。その時、人の気配がした。見ると、大きい体格の男だった。しかし、ミオには覚えがあった。

「あの時の・・・!!」
「へへへ、覚えてくれたのか嬢ちゃんよォ・・・!!モロバレル、キノコの胞子!」

 キノコの胞子が吹き出され、リオは眠ってしまった。

「ああっ・・・!」
「お前はあの時、自分を助けたガキを見殺しにした。見殺しにしたんだよ!ヒャハハハ!!」

 トラウマが蘇る。

「いやだっ・・・!いやだっ・・・!出てこないで・・・!」

 ミオはパニックに陥りだした。その時だった。

「エモン、エアスラッシュ!!」

 真空の刃が、モロバレルを襲った。モロバレルは倒れた。

「ああ!!てめェ・・・!あの時の・・・!!」
「はァ?初対面じゃないの?俺、おっさんなんか知らないけど?」
「だがな・・・、このモロバレルが吹き出した毒は・・・。」

 男がにやりと笑う。しかし、男の思惑にはならなかった。

「チルタリス、ゴッドバード!!」

 ものすごい速さで、モロバレルを数10メートル先に吹っ飛ばした。

「な、何ィ!?」
「エモン、雷!!」

 その途端、男に雷が落ちた。男は倒れた。気絶しているだけのようだ。

「大丈夫か!?」
「う・・・うん・・・。」
「そっか!それじゃあ、笑え!」
(あれ?この言葉・・・あの時と同じ・・・。)

 ミオは微笑んだ。

「そうそう、お前には笑顔が似合うぜ!」
「ありがと!」
「あれ・・・?お前泣いてる?」
「ううん、何でもない。嬉しかったから・・・。」
「変なの。」

 ミオはこぼれた涙を拭く。

(やっぱり、アナタだったんだね。ライガ。ずっと・・・仲間で居ようね。あの日のことはもう忘れよう。だって、悲しい思い出よりも、明日への未来の方が、ずっと価値があるから・・・・。)

「んじゃ、行くか!ほらリオ、起きろ!」

 ライガはリオに、眠気覚ましを打った。リオはまぶたを開ける。

「でも、リオに何のようだったんだ?」
「ううん!何でもないの!」

 ライガが駆け出す。天気は、まぶしすぎるほどの晴天だった。