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Re: ポケットモンスターBW2 幻のクロスワード ( No.23 )
日時: 2013/08/17 13:57
名前: タク ◆XaammrlXPk (ID: 0.DI8Vns)

バトル10:ポケモン達の昼休み

「ふぁーっ・・・疲れたぁ・・・。」

 昼食を済ませたライガは、声が漏れた。さっき、ヤーコンにレジロックを渡した後、フキヨセシティに向かおうとしていた。が、そこまでの
道は長く、結局午後3時頃にここの周辺にスプレーを掛けて、昼食の準備をし、今に至る。

「ちょっと寝よう・・・。」

 こんな事は、毎度の事だ。木にポケモンが居ないのを確認して、もたれ掛かり、そのままライガは寝息を立て始めてしまった。ところが、モンスターボールが1つ、ファスナーの開いたバッグから転がり・・・。ボールスイッチが入ってしまった。出てきたのは・・・。エモンだった。エモンは相棒のライガが寝ているのを見て、不敵な笑みを浮かべる。この際だから、ライガが寝ている間に大好きな木の実を食べてしまおうと考えたのだろう。ところが、もう一つボールが転がり、現れたのは、厳しい顔をしたリオだった。

「ガルル・・・?ガウ。(ライガは木の実を勝手に食うなと言ったよな?お前の場合、食べ過ぎるから。)」
「エモ、エーモ!(うるさいなぁ、もう!)」

 リオが、ボールから見ていたらしい。この2匹、仲が悪いのである。リオはライガの初めてのポケモン、エモンは卵から育てたポケモンだ。しかし、昔から喧嘩ばかりして、ライガの悩みの種となっていたのだ。両方ともライガとは仲が良いのに・・・。ヌッケは、2匹が喧嘩する度に止めようとしているのだが、技で2匹から反撃される始末。

「ガルルル、ガウ!(貴様、いい加減にしろ!この間もバトルで貴様は
相手のドリュウズから岩雪崩喰らって、一撃必殺だったじゃないか!貴様より、この私の方が有能なのだ!)」
「エモ!エーモ!(アンタこそ、この間ブーバーンから火炎放射を喰らわされて、一撃必殺だったじゃない!それに、一人称が私とか、♂のくせに嫌なのよ!紳士ぶってるつもり!?)」

 完全にキズ口へ塩を塗るような口喧嘩。

「エーモ、エーモ!(リオのバーカ!もう知らない!)」
「ガウ、ガウガウ!(勝手にしろアホエモンガ!)」

 とうとう、エモンはどこかに飛んでいってしまった。リオは自分としたことが言い過ぎたと思った。すると、3つ目のボールのスイッチが入り、ヌッケが現れた。

「ジー・・・。(どうしたのリオ?元気ないよ。)」
「ガウ、ガウガウガウ・・・。(エモンとまた喧嘩したんだ・・・。何でだろうな。)」
「ブーン・・・。(エモン、本当はリオと仲良くしたいんじゃない?エモンもこの間そう言ってた。)」

 リオはしばらく沈んだ顔をしていたが、すぐに立ち上がり、

「ガウ、ガウガウ!(エモンを探そう!まだ近くに居るはずだ!)」
「ジー・・・。(うん!手伝うよ!)」

 そして2匹は林の中に消えていった。その頃、林の周辺・・・。

「エモ・・・。(あーあ、またやっちゃった・・・。)」

 エモンはしぼんだ顔をして呟く。すると・・・。

「おい、ここにエモンガが居るぜ!」
「捕まえようぜ!」

 スキンヘッズと暴走族。恐らく、エモンを野生のポケモンと思っているのだろう。

「キリキザン!やっちまえ!辻斬り!」
「ワルビアル!お前の出番だ!岩雪崩!」

 このままではやられる・・・!その時だった。波導弾がキリキザンに
直撃した。そして影が長く伸び、ワルビアルを襲う。

「わぁぁぁ!!野生のルカリオ!?マジ!?え!?えぇぇぇぇー!?」
「野生のヌケニン!?マジ!?え!?えぇぇぇぇー!?逃げろぉぉぉ!」

 2人は逃げていった。

「ガウ、ガウガウ・・・。(さっきは悪かったな・・・。)」
「エモ!エーモ!(もう良いの!いつもの事だし、水に流してあげる!
あたしも反省してるわ。)」
「ブーン・・・。(良かったぁ・・・。一時はどうなるかと・・・。」
「おーまーえーらぁぁぁ!!!」
「「「!!」」」

 怖い顔をしたライガが立っている。

「お前ら探すのに、どんだけ大変だったか・・・。」
「「「・・・・。」」」
「ま、今度から心配かけるんじゃねーぞ。」

 ライガの顔が少しだけゆるむ。不器用さと優しさが両方見える顔だ。
リオ達もほっとした。

「戻れ、みんな!フキヨセシティに急ぐぞ!」

 喧嘩するほど仲が良い・・・。仲が悪いようで、ライガのポケモン達はそうなのかもしれない。