二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: ポケットモンスターBW2 幻のクロスワード:オリキャラ募集! ( No.246 )
日時: 2013/04/20 11:07
名前: タク ◆XaammrlXPk (ID: 39RfU1Y2)

バトル9:昨日の敵は今日の友

「さてと、クロ!フウリ!ツバキ!お前らは、アララギ博士にこの件を伝えてくれ!」

 ライガが、3人に向かって叫んだ。ツバキ達は、カノコタウンに向かっていく。残るは、ライガ、ビャクヤ、アヤ、リュウトの4人。対して相手は10人近くいる。その内の一人は、刺客のセカン。彼が繰り出したダークニョロボンは、1体で数匹のポケモンを相手取ることも楽々こなす強敵だ。

「リュウトさんは、町の人の救助を!」
「分かった。だが、あまり無茶はするな!」

 リュウトは、いまだ建物が燃える町に、走っていった。セカンは、部下に手を出すなと言っている物の、いつ何をしでかすか分からない男だ。油断は禁物と言える。

「さて。こちらも本気を出してやるぜ!行け、ナマズン!ガマゲロゲ!」

 セカンは、ナマズンとガマゲロゲを繰り出す。2体に共通するのは、
水・地面タイプであることだ。そして、セカンが今までに繰り出したのは、全て水タイプ。つまり、彼は水タイプの使い手と言える。

「行くぞ、ナナ!!」
「ララ、バトルスタンバイ!!」

 ビャクヤは、ナナ。そして、アヤはプラスルを繰り出す。ララはアヤがここに来てプラスルに付けた名前だ。すると、2匹の体に電気が迸る。

「特性、プラスとマイナス・・・。互いが近くに立っている場合、特攻は1.5倍!」

 ビャクヤがセカンに言い放った。ちなみに、今ここにいる味方ポケモンは全員ネズミ系のポケモンである。まあ、どうでも良いが。

「ま、所詮はアララギ博士から聞いたんでしょ。」
「るせーな!!」
「まあまあ・・・。とにかく、今はバトルに集中だ!」

 3人がセカンの方を向いた。

「だが、ナマズンとガマゲロゲは地面タイプ。このままだと弱点を突かれて終わりだぜ?」

 セカンが卑しい笑いを浮かべる。しかし、ビャクヤが微笑み返す。

「心配無用!アララギ研究所で修得した、この技を使えばな!ナナ、電磁浮遊!」
「ララ、電磁浮遊!」

 ララとナナは、空中にふわっと浮いた。電気の反発を利用した物だ。これで地面タイプの技は当たらない。

「すっげぇ・・・。こんな技を習得していたのか!」
「へへん・・・。どうすか、ライガさん!オレらもただ待っていた訳じゃないんすよ!」
「調子に乗らないこと!ビャクヤ、コンビネーションで叩くわよ!」

 アヤが、ビャクヤを呆れ顔で睨み付けた。

「ララ、草結び!」
「ナナ、手助け!」
「エモン、エアスラッシュ!」

 3匹の素早い技が、セカンのポケモンに炸裂する。特に、威力の底上げされた草結びは、ナマズンを一撃でKOした。また、エアスラッシュはガマゲロゲにもダメージを与える。

「ちっ、やっぱ水タイプは耐久力にも長けてやがるな・・・。」
「へへへ・・・。戻れ、ナマズン!さて、ダークニョロボン、気合いパンチ!」

 ニョロボンから、強力な打撃が繰り出される。

「ララッ!!危ない!避けて!!」

 しかし、ニョロボンのエネルギーチャージ時間が早すぎる。リュウトのリングマ以上だ。拳が、ニョロボンに迫ろうとしたときだった。

「ナナ、電磁波!!」

 ナナが、ララとニョロボンの間に割り込む。そして、電撃をニョロボンに浴びせた。

「あ、ありがと・・・。」
「お礼なら、ナナに言えよ。」
「今だっ!畳み掛けるぞ!!」

 しかし、セカンの瞳が怪しく光る。

「調子にッ・・・!!乗るなァー!!!ガマゲロゲ、ハイパーボイス!
ダークニョロボン、ダークフリーズ!!」

 ダークニョロボンが、恐ろしい冷気を放つ。その勢いは凄まじく、ララとナナは凍り付いてしまった。

「しまった!!」
「ララーッ!!」

 ビャクヤとアヤは、2匹をボールに戻す。残るは、エモンのみ。そのエモンもハイパーボイスに押され、吹き飛ばされる。

「馬鹿な・・・!!」
「さて・・・。どういたぶってやろうかな?」

 ニョロボンとガマゲロゲが、エモンに近づいたときだった。

「全く。俺達よりもタチの悪い連中がいるとは、呆れた物なのだ。」

 ライガに取っては、聞き覚えのある声・・・。その瞬間、黒い影がガマゲロゲとニョロボンの前に現れる。

「ギガドレインなのだッ!!」

 建物の屋上から、再びその声がした。同時に、ニョロボンとガマゲロゲは黒い影から、緑色の光を浴びせられる。

「まさか・・・!このポケモンは・・・!」

 まさしく、ちょうちょポケモン、アゲハントだった。そして、使い手は・・・。

「久しぶりなのだ。IPQのライガ。」

 人影が、建物から降りてきた。

「お前・・・アゲハか!?」

 服装こそ変わっていたが、不気味な蝶のタトゥーに、十字型の瞳孔は変わっていない。彼こそ、かつて敵としてライガ達を苦しめた、セキュリティー・イッシュ元四幹部、アゲハだ。

「お前達には礼を言いたい。特に、あのレイという少女には・・・。俺を間違った道から正してくれたのだ。」
「それはともかく・・・。お前が何故ここに?刑務所に入って・・・。
まさか!脱獄したんじゃあるまいな!!」
「バカ言え、そんな訳ないであろう。IPQ統括、シャガから減刑をしてくれと裁判所に申し出てくれた。『彼らは道を外したとはいえ、まだ若いのです。やったことの数々は許されることではありませんが、どうか寛大な判断を。』とな。それで、本当なら懲役5年を、11ヶ月に。
感謝している。あの方は、俺達にもう一度立ち直るチャンスをくれたのだ。だからッ!今度はお前達IPQの味方をする!それで、償えるのなら・・・。」
「そんな事が・・・。」

 アゲハは、顔を上に向けていたが、すぐライガと向き直った。

「で、このガキ達は?見ない顔だが・・・。」
「ああ、後で説明する!ビャクヤ!アヤ!お前らはリュウトさんと、救助活動に向かえ!」

 ビャクヤとアヤは頷くと、町に向かっていった。

「お前と共闘なんて、考えても居なかったな。」
「フン、こちらが言いたいのだ。やるぞ!足は引っ張るなのだ!」
「ああ!!」

 セカンは、納得のいかないような顔を浮かべる。

「次から次へとォ・・・!!失せろォォォー!!!ガマゲロゲ、ハイパーボ・・・。」
「遅いのだ。アゲハント、ギガドレイン!」

 ギガドレインが決まった。ガマゲロゲは体力を緑色の光に吸い取られ、倒れる。

「なっ・・・!!ガマゲロゲ!」
「トドメだ!エモン、雷!!」

 エモンの雷が、ニョロボンに炸裂する。

「な、何て事だ・・・!!」
「スナッチボール!!」

 スナッチマシンのコードが、ライガの身につけている、ボールシューターに繋がり、セットされたボールへエネルギーが送られる。

「こ、これってボールシューターとつなげて使えるのか!よし、行け、
スナッチボール!!」

 エネルギー満タンのスナッチボールが、ニョロボンを掠め取るように
捕らえた。そして、何度か揺れると、カチッと音がして、ライガの手へ戻っていった。

「よっしゃぁー!スナッチ成功!」
「くそったれェ・・・!覚えてろ!おいてめぇら!行くぞ!」

 セカンは部下に怒鳴ると、上空から現れたヘリに乗って、去ってしまった。こうして、カラクサの襲撃事件は幕を閉じた。