二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: ポケットモンスターBW2 幻のクロスワード:オリキャラ募集! ( No.253 )
日時: 2013/04/20 23:04
名前: タク ◆XaammrlXPk (ID: 39RfU1Y2)

バトル10:アゲハの過去

 カラクサタウンから、ダークマターが去った後、救助活動の過程で今回の被害が掴めた。けが人はいたものの、重傷者はなし、死者もだ。がれき回収が終わった後、(約3時間)ビャクヤとアヤにアゲハの事を説明し、(彼が元悪人ということは伏せておいた)早速、アララギ研究所に戻ることにした。アゲハは決まり悪い顔をしていたが。ライガが、アゲハの顔色をうかがうように、たずねる。

「どうしたアゲハ?」
「ライガ・・・俺はアララギ博士に向ける顔が無いのだ・・・。現に俺は一度、博士を襲撃して、幻のクロスワードを強奪しようとした。」
「もうそんな事、誰も気にしてはいねーよ。博士も許してくれてるさ。
ま、どっちみち、直に詫び入れてないなら、入れるべきだろうけど。」

 ライガは、笑顔を浮かべて言った。アゲハを励ますようだった。それでもアゲハは浮かない顔をしている。

「・・・まだ何かあるのか?」
「あぁ・・・。お前に聞いて貰いたい話なのだ。ちょっと、昔の話でな。」
「そうか。おい、ビャクヤ!アヤ!お前ら先行ってな!俺はこいつとちょっと話があるから。」
「そーすか、分かりました!」

 アゲハとライガは、1番道路のベンチに座った。野生ポケモンが、じゃれ合ったりしていて、微笑ましい光景だ。

「で。話ってのは?」
「ああ・・・。誰かに話したら、楽になると思ってな。」

 アゲハはため息をついた。そして、語り始めた。

 ---------------------2年前、ちょうどセキュリティー・イッシュの活動が最盛期に達していた時の話なのだ。俺はごく普通のポケモントレーナーだった。ただ、虫ポケモン使いに憧れ、いつかシンオウの四天王、リョウさんをも超える、虫使いになる事が夢だったのだ。そして、シンオウでポケモンリーグに挑んだのだ。だが、リョウさんの実は俺の想像以上だった。8つのジムバッジをそろえた俺でさえ、敵わなかった。やけくそで挑んだギャンブルも失敗。船賃があっただけ、幸いだったよ。俺はふらりとイッシュに立ち寄ったんだ。そして、ヒウンシティの路地裏で声を掛けられたんだ。

「お前の実力を、セキュリティー・イッシュで試してみないか?」
「良いのか?俺で。」

 その男こそ、ジョーカーだった。仕事を一度成功させれば、多額の報酬がもらえる。セキュリティー・イッシュはそんな場所だった。やがて俺は私利私欲に目が眩み、セキュリティー・イッシュの悪事にも手を貸してしまったのだ。そしてしばらく経った日だった。四幹部のガートが、当時四幹部親衛隊の隊長だった俺に持ちかけたんだ。

「私は貴方に見所を感じているのですよ。少なからずとね。現在、あなたが所属する、親衛隊の管理をしている、四幹部の一人、カゲロウさんもいずれ貴方に座を譲ると言っていましたから。」

 彼の言うことは本当なのか。俺は後で、カゲロウさんに聞いてみた。

「カゲロウさん!俺に幹部の座を譲るって・・・本当ですか!?何故・・・何故俺などを・・・。」
「ためらうな、アゲハ。お前には、俺よりも才能がある。そして、努力でその才能をもっと伸ばせば、四幹部最強も夢ではない。それじゃあ、後は頼みましたよ、幹部。」

 その時の俺の顔は、くしゃくしゃになっていただろう。人に認められたという喜びでな。だが、問題はそこからだった。

「アゲハ。貴方のポケモンは確かに強い。だが、私の改造手術を使えば、貴方のエースであるアゲハントをもっと強くして差し上げましょう。」
ある日、ガートはそう言って、俺に持ちかけてきた。俺はその頃、強さと金に飢えていた。だから喜んでOKをした。そして、アゲハントをヤツに渡してしまったのだ。だが、俺は気付かなかった。これがアゲハントを苦しめることになるなんて・・・。ある日、実戦訓練をカシワと俺はやっていた。彼には、改造手術の事は伏せておいた。

「アゲハント、ギガドレイン!」
「ギガイアス、ギガインパクト!」

 2体の技がぶつかり合った。だが、ギガドレインが一気に競り勝ち、ギガイアスを倒してしまった。これが、改造によるパワーアップかと、
俺は感心していた。だが、直後、アゲハントも倒れてしまった!俺はその時、ギガインパクトのダメージを貰った物かと勘違いしていた。だが
それからしばらくして、第一爆撃ユニット戦線で俺は敗れ、拘束された。その時、レイにこういわれたのだ。

「ねえ、貴方のアゲハント・・・。相当、無理して居るみたいよ。あの異常なほどの強さ・・・もしかしてドーピング手術を施したんじゃあるまいわね!」
「何が・・・。」
「バカね!あの手術は、ポケモンに相当な負担を掛けるのよ!貴方は、それも知らないでアゲハントに手術を受けさせたの!?」
「何ィ!?」

 俺は驚いた。ガートからは、何も副作用の点は問題ないと言われていたからだ。つまり、俺はガートに利用され、アゲハントも傷つけたのだ!・・・アゲハントは俺を恨んでいるだろう・・・。

 アゲハは一通り話し終えると、ため息をついた。ライガが立ち上がる。

「そっか・・・・・・こんの・・・大馬鹿野郎がァッ!!!!」

 何が起こったのか、アゲハは分かった。ライガが自分を怒鳴りつけたのだ。

「別に、てめェがアゲハントを改造させたとか、そんな事云々を言っている訳じゃねーんだよ!!確かにそれも気に食わねェが、俺が気に食わねェのは、その後のてめェの発言だ!!アゲハントが今も自分を恨んでるだァ!?ざっけんな!!てめェとアゲハントの絆は、それっぽっちの安モンか!!ああ!?」

 アゲハは何も言えなかった。ただ、うなだれていた。

「何も言えねーか!!何なら、お前のアゲハントと俺のリオを勝負させてみやがれ!行けッ、リオ!!飛び膝蹴りだッ!!」

 ライガはアゲハから距離を取り、いきなりリオを繰り出した。

「なっ・・・!くっ、アゲハント!!痺れ粉!!」

 アゲハは、アゲハントを繰り出す。アゲハントは、痺れ粉でリオの動きを止めた。

「・・・・信じてんだろ。」

 ライガが呟くように言った。

「本当に、アゲハントが自分を恨んでるなんて思ってるなら、今ここでてめェをブチ砕く!だけど・・・違うだろ。お前は自分に嘘をついてる。アゲハントを誰より知ってるお前なら分かるはずだ。お前はアゲハントを信じてるし、アゲハントもお前を信じてる。何より、お前と一緒にいるアゲハントのツラが、輝いてるからさ。何よりいけないのは、自分に嘘付いて、逃げ回ることだろ。そんなヤツが、俺の大嫌いな本当の臆病者だ。お前は違う。立派なポケモントレーナーだから。」
「・・・どうすれば・・・良い・・・。」
「アゲハントと居る時間を大事にしろ。それがこれから先、どんなに短くてもな・・・。それが、お前にとってもアゲハントにとっても、何にも代えられない宝モンさ。」

 アゲハは微笑むと、アゲハントを抱いてライガに言った。

「ありがとう・・・。その言葉で・・・報われたよ・・・。」
「キュゥ♪」

 アゲハの目には、うっすらと涙が浮かんでいた。アゲハントは、可愛らしい笑顔を浮かべた。アゲハを励ますように。

「んじゃ、行くか。」
「・・・ああ!」

 -----------------その日の晩。アララギ研究所で、ミーティングをライガ達は進めていた。

「いよいよ、明日からナフィア地方に向かう!」
「質問!おやつに、あっまーい、カイスの実は含まれますか?」
「ライガァー!!!!遠足じゃねーんだよ!!定番ネタだな、おい!」
「質問!まさか、オレらの体をボーマンダに縛り付けて、飛ばすなんて考えて・・・。」
「考えるか、アホビャクヤァー!!!!それ問題になるから!!特にアヤとか・・・。」
「質問!このあほ2名(ライガ&ビャクヤ)をカバルドンに縛り付けて砂の中に永遠に埋めてミイラにするのはどうですか?」
「アヤ、怖いし!!却下!!」

 結局、ぐだぐだだった。

「ともかく、明日には行くんだ!行くぞ!!」
「「おぉー!!」」
(不安だこのメンバー・・・。しかし、情報屋の連中もサバイバルチャレンジに行くとか言ってたな。)

 そして、夜は明け、朝が来た!