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Re: ポケットモンスターBW2 幻のクロスワード ( No.254 )
日時: 2013/04/23 15:11
名前: タク ◆XaammrlXPk (ID: wJNgr93.)

バトル11:新ライバル!

「ライガ・・・。アイツを許すわけにはいかない・・・。」

 ナフィア地方、”新月の洞窟”最深部。1人の少年が、憎悪に満ちた瞳で虚空を睨んだ。

「・・・誰かを恨む気持ち・。分かるぜ?」
「何者だ?」

 自分と同じくらいの年齢か。少年は振り向かず自分の背後にいる男に問うた。

「我々はダークマター。」

 もう1人の男の声が聞こえた。低く、冷たい声だ。

「自らの理想を創り上げんとする者が、集まる組織・・・。」
「そーゆー事。”ゼロ”さん。で、こんなガキに用が?」
「”レイン”。貴様もガキであろう。しかし、世の中には我々のやることを否定する者がいる・・・。あの日、殺した男女も同じだった・・・。」

 ゼロと呼ばれた男は、口角を上げた。

「まあ、我の使うポケモンの炎で、骨ごと焼き尽くしてやったがな・・・。二度と生き返れんようにな・・・!!」
「ちっ、えぐい事やるなアンタは。で、本題だが、アンタの身の前は知ってるんだ。」

 レインは憎悪を滾らせている少年に近づいた。

「俺に近づくな・・・・!」
「ッ!!」

 レインは、踏み出そうとした足を止めた。

「俺の父親は、ライガというヤツに消された。親父の計画していた、XD001零式も、セキュリティー・イッシュも消滅した。俺はアイツが許せない。許さない!!」
「・・・俺も姉貴に裏切られたのさ。いや、アイツは姉貴じゃねえ・・・。絶対に認めて溜まるか・・・!!」
「ほう。」

 そう言うと、少年はボールを突然投げ、ハトーボーを繰り出した。反射的にレインもボールを投げ、ブラッキーを繰り出す。

「ハトーボー、エアカッター!」
「ブラッキー、騙し討ち!」

 2体の技がぶつかり合う。ブラッキーは耐えたが、少し後退する。

「へぇ、進化前のハトーボーのくせしてやるのね。それでも、とれたデータはまだまだ少ないけど。」

 洞窟の奥から、タブレットPCを持った女性が現れた。

「貴様もダークマターか?」

 少年が聞いた。多少は、警戒心を解いたらしい。

「ええ、幹部の”ルキア”と言います。そこに居る、ゼロも幹部格。そしてレインは、養成機関で長い期間育てられた、エリート刺客。」
「成る程・・・。」

 少年は表情一つ変えず、ハトーボーに飛び乗った。

「俺は誰かに縛られて動くなんてゴメンだ。俺は、ライガさえ地獄にたたき落とせばそれで良い。」
「ほぅ・・・。それはとんだ思い上がりだな。」

 ゼロが少年を睨み付けた。

「何ィ!?」
「ライガには、何人もの仲間が居る。嘗めてかかれば、邪魔されるぞ。」
「集団には集団で対抗しろと言うことだ。そうだろ?ゼロさんよォ。わかったか。」

 少年は、ハトーボーから飛び降りた。

「ちっ、仕方ない・・・。分かった。俺の名はジョーカー。ジョーカーJrだ。」
「それで良い・・・。」



 時を同じく、イッシュ地方、ネジ山付近。

「き、貴様ァ・・・!!何ヤツ・・・!!」
「元セキュリティー・イッシュ、四幹部・カシワね?」

 覆面を付けた女性が、カシワに詰め寄る。カシワはかつて、ライガたちと激突した、元セキュリティー・イッシュ四幹部だ。

「何用だッ!!」
「大人しく、これでも喰らってね!」
「それはッ!!せ、洗脳リング!?」

 カシワは後退する。しかし、女性の投げたリングはカシワを追いつめ、カシワの首にはまる。そして、ガスが吹き出る。カシワには、見覚えがあった。

「貴様・・・どこでそれを・・・・!?」
「さァね?とある言うマッドサイエンティストに提供して貰ったんだけど?」

 女性は仮面を外す。

「私の名前は、カレン。よろしくね♪」
「ぐっ・・・!貴様に利用されるなど・・・・。」

 そう言いかけて、カシワは倒れた。

「哀れですねェ・・・。カシワさん。にしても、カレンさん。私のことをマッドだなんて、少し軽口がすぎるのでは?」
「ごめんね♪ガート博士♪だって、事実そうじゃなーい?」
「まあ、いいでしょう。」

 背後から現れたのは、体の半分を機械化した、かつてのライガの宿敵、元セキュリティー・イッシュ四幹部・ガートだった。

「爆撃ユニットから、私を救ってくれた事は感謝していますよ。ゲノセクトもね。」
「さて、この男を連れて行きましょう♪」
「分かりました。」

 ガートとカレンは、ワープ装置で去ろうとした。

「待ちな、アンチネル!!」
「「!?」」

 2人は、山の頂を見上げる。

「ラ、ライコウ!?」
「伝説の雷のポケモンですか。恐るるに足りません。」

 そこには、ライコウに乗った少年が居た。

「ライコウを捕獲したのは、貴方でしたか。”ユウキ”。カントー、ジョウトでも名高いポケモントレーナーでしょう。」
「まァ良いわ!倒しましょう!行け、パルシェン!」
「ライコウ、ロッククライム!」

 カレンは、パルシェンを繰り出した。一方、ライコウはパルシェンに飛びかかる。その時、黒い影がライコウとパルシェンを突き飛ばした。

「メタグロス!?ってことは、ユズちゃん!?」

 影の正体は、メタグロスだった。上に乗っているのは、小さな少女だった。少女の名はユズというらしい。

「喧嘩は止めて!」

 ユズが叫ぶ。

「ユズちゃん?彼は私たちの邪魔をしたのよ?邪魔者は・・・。」
「良いから!とにかく、喧嘩は止めて!」
「ちっ、まぁ良いでしょう・・・。今回の所は見逃してやりましょう。」

 呟きながら、ガートは、ワープ装置を起動させた。

「こいつらッ!!待て!!」

 ユウキは、ライコウで飛びかかろうとしたが、3人とも逃げてしまった。

「あいつら・・・。絶対逃がさないぞ!」

 ユウキはライコウから降りて、地団太を踏んだ。



 そして、カノコタウン。研究所の前には、飛行船が着いていた。

「す、すっげええええ!!」
「これが、オーレ地方最高クラスの飛行船、”バトルシップ”だ!」

 リュウトが説明した。

「おぉぉぉ!!」

 ライガとビャクヤは、かなり興奮している。アヤがため息をつく。

「ホントに、子供。」
「何だとぉー!?」

 ビャクヤが反論する。すると、飛行船から人が現れた。

「やあ、君達。カラクサタウンでは大変だったね。ダークニョロボンはリライブ(ダークポケモンを元に戻す)してから元の持ち主に、返しておいたよ。」
「あ、クレインさん!」

 クレインさんと呼ばれた優しそうな男性は、にっこりと笑うとリュウトの肩に手を置いた。

「しかし、君も頼もしくなったものだ。」
「ありがとうございます!」
「そして・・・ライガ君、ビャクヤ君、アヤ君。君達もよくやってくれた。私は、オーレ総合研究所所長、クレインという者だ。よろしく。君達の事は、リュウトから連絡で聞いている。ライガ君に於いては、とても実力の高いトレーナーと聞いているし、ビャクヤ君とアヤ君は初心者の割に、大活躍だったと聞いている。」
「へへへ・・・。」

 クレインは、ライガ達と一通り握手した。

「ハーイ、クレインさん!」
「アララギ博士!お会いできて光栄です!」
「ええ、こっちもです!」

 アララギ博士とクレインは固く握手をした。

「さて、ナフィア地方へ向かうよ!」
「「「「おぉー!!」」」」

 一行は、気合いの入った返事をした。そして、上空にはクロとフウリが、それぞれの飛行要因のポケモンに乗って、様子を見下ろしていた。

「さて、私たちも行こうかしら。」
「あァ!」

 こうして、新天地・ナフィア地方での戦いが、今!始まる!