二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ポケットモンスターBW2 幻のクロスワード:オリキャラ〆切 ( No.86 )
- 日時: 2013/03/07 22:28
- 名前: タク ◆XaammrlXPk (ID: 39RfU1Y2)
バトル33:エメナ
「う・・・ここは?」
少女は目を覚ました。見回すと、そこは病室だった。
「すー・・・すー・・・。」
ベッドの隣でイスに座ったまま、顔に絆創膏を貼っていて、寝息を立てている少年。つきっきりでいたのか。
「すー・・・。ん・・・もう朝か・・・。やっば、寝てた・・・。あれ
?」
ライガが顔を上げると、昨日助けた少女の姿があった。起きたようだ。
「お、起きてた?良かったぜー、昨日からずっと気ィ失ったままだったからさ。俺、ライガ。よろしくな!」
「うん・・・。」
昨日、ライガは、少女が運ばれていったヒウンシティの病院に、ミオとフータと一緒に行った所までは良かったのだが、疲れていたのか寝てしまい、ミオとフータが起こした物の、起きないのでそのまま置いて帰られたという事だ。
「あいつら覚えてろよ・・・。俺を置いて帰るなんて・・・。そう言えば、名前聞いてないな。教えてくれないか?」
「・・・エメナ。」
「へぇ、エメナって言うんだ。ところでさ、腹減ってないか?ほら、俺
弁当買ってきてやるから。」
「良いの?」
「ああ!困ったときはお互い様だろ?」
そう言ってライガは立ち上がって病室を出ようとした。
「待って・・・。」
「ん?」
「ううん、何でもないの、ごめん・・・。」
そう言ったのエメナの顔は、僅かながら火照っていたような気がしたライガだったが、すぐに忘れた。セキュリティー・イッシュは、宣戦布告を2週間後と言った。それまでにみんなで、対抗策を考えなければ・・・。しばらくして、買ってきた2人分の弁当を、一緒に食べながら、ライガはエメナに色々な話をした。ポケモンのこと、これまでの冒険の事、仲間達のこと・・・。すると、フータが病室に入ってきた。ライガの形相は鬼になる。
「おーい、ライガ・・・さん・・・・?」
「フータぁ・・・昨日はよくも・・・!」
「お前が起きないからだろ!?(泣)」
そんな2人を見て、エメナはクスクス笑っていた。だんだん、感情を
取り戻して来たのだろう。ライガはその後も病院に通った。そしてエメナに色んな話をした。入院して5日程で、エメナは車椅子で歩けるようにまで回復していった。エメナも、ライガと居るのが楽しくなっていたらしい。だんだん笑顔が増えていった。ライガは病院に居ない間、なるべく情報収集にいそしんだ。セキュリティー・イッシュの事を調べまくったが、公にされてる事しか分からない。
「ちきしょー、どうすんだよ・・・。」
その一方で、ライガはフータやミオと、病院に通った。ある日、ライガはエメナを病院の庭に連れて行った。この日はミオとフータは居なかった。エメナは相変わらず、車椅子でないと動けなかったが。この広い
公園には、花壇が置いてある。
「出てこい、オレのポケモン!」
ライガは自分のポケモンを全員繰り出した。
「わぁー、これがライガ君の手持ち?」
「ああ、そうだな。」
エメナはライガのポケモンと遊んだり、ふれあったりした後、にこういった。
「ねえライガ・・・。私、暗いところに捕まってたんだ・・・。変な大人に連れてかれて・・・何日も何日も変な実験を施されて・・・。お前はポケモンになるんだって言われて・・・。とにかく死にそうだった。辛かったよう・・・。そしてある日・・・。実験の後、何もかも真っ白になって・・・そこから先は覚えてない・・・。」
正直、ライガは驚いた。実は、エメナが入院した初日、フータ達とこんな会話をしていた。
(入院初日・・・。)
「どうする?この子が起きたら、セキュリティー・イッシュの事を聞き出すか?ライガ。」
「辞めておけ。酷じゃねえか。トラウマになってるかもしれないぜ。フータ。」
「そうよ、辞めておこうよ。」
「そうだな・・・。」
ライガはそのまま寝てしまった。
「こいつは・・・・。」
「もう良いわ。置いておこうよ。」
(回想終わり)
まさか自分から話すなど、思っても居なかったのだ。
「話してくれてありがとな。でも、何で・・・。」
「ライガ君なら話せると思って・・・。ずっと仕舞い込んでいたくなかったんだ・・・。だって・・・こんなに私のためにしてくれたのは、あなた達が・・・初めてだから・・・・!」
エメナの目からは大粒の涙がこぼれていた。ライガはエメナの頭を撫でた。
「そっか・・・。今まで大変だったな・・・。また嫌なこととかあったら、俺に話せ。そして思いっきり泣け。楽になるぜ。それに、俺らはもう仲間だろ?それに、仲間は俺だけじゃない!フータやミオだって、お前の事、心配してたぜ。」
「・・・うん・・・!」
「じゃ、もうちょい散歩してから病室に帰るか。」
「うん!」
エメナは笑顔でうなずいた。その笑顔を見て、ようやくライガは安心した。そしてずっとこの笑顔を守る・・・と無意識に決意していたのだ。しかし、その一方で、ライガには今だ感じた事のない感情が芽生えてしまった。しかし、まだライガはそれを自覚していない。一方、セキュリティー・イッシュの宣言した日まで、残り7日・・・。次回は、ライガのソウリュウシティでのエピソードだ。