二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 東方姉妹記 ( No.1 )
日時: 2013/03/14 22:15
名前: 河城こいし ◆y4sWQj6Fr6 (ID: iTW0Fx5P)

プロローグ「ことの始まり」



 私は学校からぶらぶら一人で下校していた。 
「はぁー……」
 正直、学校はつまらない。

 家に帰るが、誰も居ない。
 私は自分の部屋に入って、ベットに寝っ転がった。
 学校では、愛想よくにっこりとしてみんなに気を使っている。
 でも本当は、あんまり学校の女子とは話したくない。
 ちょっと苦手。
 多分私のいない影でなんか言ってるんかなと思っている。
 ゴロゴロしていると、玄関の方からバタンッと扉の閉まる音がした。
 この時間だから、妹が帰って来たと思う。
 部屋から出て様子を見に行く。
 すると、妹は泣いて帰ってきていた。
「またやられたのね」
 妹はコクリと頷き、涙を拭う。
「大丈夫」
 なぜ妹が泣いてきたのか知っている。
 妹は今小5なのだが、学校でいじめられている。
 親は両方ともほとんど仕事づめで、私達にかまってられる日がない。
 そのため、私が妹の面倒を見ている。
 妹は私にいじめられている事を最近話してきた。
 どうすることもできないが、とにかくそんな妹に近くにいてあげようと考えた。
 妹は自分の部屋にいった。

 翌日、まためんどくさい学校にいった。
 休み時間。
「すぐちゃん、数学教えてー」
と数人の女子が来た。
(またかぁ……)
「うん、いいよ」
 渋々了解した。
 私は清咲直海(きよさきすぐみ)。
 あんまり友人と呼べる人のいない中2の女子。

 夕暮れで少し薄暗い、いつもの国道沿いの帰り道。
 たまに来る公園へ向かうと、
「やーい!バイキン、消えろよー!」
「そうだそうだー!」
 小学生の男子4,5人が妹をいじめていた。
 私の妹、清咲那穂海(きよさきなほみ)はからかいから逃げて反対側の県道の方にいっていた。
 男子組はたまに那穂海をけったりして追い詰めていた。
 私はその男子組を追って、怒鳴ってやろうとした。
「こら!あんた達!」
 男子組は、「ヤベッ!こいつの姉だ!」と言って逃げる。
 ただ逃げるわけではなく、那穂海を蹴っ飛ばして。
 しかし、男子組がやった行為は許されない方向へ進んだ。

 ブッ、ブッとクラクションを鳴らしながら一台のトラックが迫っていた。
 そう、那穂海は飛ばされた勢いで車道に出てしまい、しかも動けない状況だった。
「!!」
 私は反射的に那穂海のもとに駆け寄る。
 反対車線には車がいないと瞬時に判断して、そちら側に逃げようとした。
 だが……

 バンッ!

 何か鈍い、鉄に当たる変な音がした。
 どうやら、私と那穂海は運悪く引かれてしまったようだった……


————————



 トラックが何事もなく過ぎていった。
「おい、今の音聞いたか……」
「ああ。やばくないか……」
 いじめていた男子組が変な音を聞いて、不安で一斉に振り向く。
「あれ……?いない」
「だな」
 ほんの数秒前までいたやつとその姉が消えていた……