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Re: 東方姉妹記 ( No.2 )
日時: 2013/02/06 21:07
名前: 河城こいし ◆y4sWQj6Fr6 (ID: iTW0Fx5P)

紅魔編 第一話「二人の妖精さん」


 日中の眩しい日差しが照っている。
「イッタァー……」
 どうやら那穂海を助けようと飛び込んだ際に身体を強く打ってしまったようだった。
 那穂海は私の近くでねていた。
「……あれ?」
 そういえば、私達って?
 確か、那穂海が県道に飛ばされてトラックに引かれそうになったところを、私が助けようと飛び込んだ。
 で、変な感じがしたはず……はずなのだけど?
 あれって周りからいうと引かれたってことじゃないっけ?
 でも、なんで私達生きてるんだ?
 いや、もしかして死んでる?
「お……姉ちゃん……」
 突然話しかけられびっくりしたが、どうやら那穂海の寝言のようだ。
 とりあえず、辺りを見回す。
 湖畔の近くのようで、周りは緑の多い森。
 湖の近くなのか、少し肌寒い。
「どこだろう……」
 どうもさっきまでいた公園やその近くではなさそう。
 とりあえず、どこか建物がないか探そう。
「那穂海、大丈夫?」
 那穂海はゆっくりと起き上がる。
「う、うん大丈夫だけど……ここは?」
「私もわかんないわ」
「どこなんだろう?」
「とりあえず、どこか建物かひとを探すよ。動ける?」
「うん」
 私は立つ際、少し強打していたので全身が痛みを感じた。
 対して、那穂海はどこも痛そうにはしない。特に強打しなかったようだ。
「お姉ちゃん大丈夫?」
「うん大丈夫」
 気遣ってくれたので、安心させるための言葉を返す。
「とりあえずこの湖の周りを歩くよ」
 私たちは歩き出す。


 結構この湖は広く、多分一時間ほどは歩いたと思うが森だけしか見えない。
 更に、進むにつれて少しずつ寒さが増してきている。
 まだ日は西に傾き始めているが熱いはずだが。
「見つかんないね」
「そうだね」
 そろそろ歩くのも嫌になってきていた。
「あのね、お姉ちゃん」
 那穂海が何か伝えたげに、もじもじしながら話しかけてきた。
「なに?」
「そのね……お姉ちゃんまで、こんなことに巻き込んで……その、ごめんなさい……」
「そのことね。いいのよ、那穂海のせいじゃない」
 それに、救うことのできなかった私にも責任はある。
 確かに、あの男子組はやっては行けない、法に触れるようなことをした。
 でも飛ばされた那穂海を助けてあげることのできなかった私も姉としてダメダメだと思う。
「お姉ちゃん、ごめんなさい……」
 しきりに謝る那穂海。
「いいのよ。それより早く建物探そうね」
 今はどこか入れてもらえそうな家を寄る前には探そう。
 さっきのできごとについてはその後だ。
「うん、分かった」
 そう言って、私たちはまた歩き出そうとした。
 私が一歩動こうとした、その時……

「氷符『アイシクルフォール』!!」

 鋭い氷が数弾空から飛んできて私達の周りに落ちてきた。
「きゃっ!」
 私達は突然の出来事に驚いて身体が硬直する。
 そんな中、空の方から小さい少女の声が。
「大ちゃん、やったよ!」
「チ、チルノちゃん……」
 どうやら二人居るようだ。
 その子達が、空の方から? 降りてきた。
「やっとかかったよ!」
「チルノちゃん、この人達人間だよ」
「ホント!やっぱりあたいは最強ね!!」
 そう言った子は、氷の羽のようなのが付いた青髪、青い目をした子。
 もう一人の方は、妖精の羽のようなのがついてる、青い子より少し高めの子だった。
(へっ?よ、妖精?)
「でも、見ない顔だね、大ちゃん」
「そうだね。チルノちゃん、氷溶かしてあげて」
「う、うん」
 渋々と氷を全部溶かしてくれた。
「あ、あの」
 思い切って、私はこの子たちに話しかけてみた。
「あなた達は一体誰?」
「う?あたい達?」
「うん。妖精さんみたい」
 那穂海がそう言うと、
「そうだよ。あたい達、妖精だよ」
 どうやら、当たりのようだった。
「そうなの?」
「うん。あたいはチルノだよ! こっちは大ちゃん」
 チルノと言う青い子が言った。
「あなた達は人間のようだけど、どうしたの?」
 大ちゃんと呼ばれている子が問いかけてきた。
「今、どこか家がないか探してるんです。どこか近くにありますか」
 私がいうと、
「お家?それならあそこかな?」
チルノが言った。
「あそこね。巫女さんのところが一番安全だと思うけど、近い所ならそこに行ってみたほうがいいと思うよ」
「そうですか。どこに行けばありますか」
「じゃ、あたい達が教えてあげる!」
 チルノが元気よく言った。
「いいの!?」
 那穂海が聞くと、
「いいよ!」
と返してきた。
「ありがと、妖精さん」
「あたい最強だもん!」
 どうやら、那穂海はこの子と仲が良くなったようだ。
「あなたは誰?」
「私?私は那穂海っていうの。こっちはお姉ちゃんの直海姉ちゃん」
「そうなんだ。今度一緒に遊ぼ!」
「うん!」
(良かった、那穂海が元気になって……)
 この子と仲良くなって、私は少し安心した。