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Re: 東方姉妹記 ( No.10 )
日時: 2013/02/16 17:23
名前: 河城こいし ◆y4sWQj6Fr6 (ID: iTW0Fx5P)

紅魔編 第八話「決断の日」
(※直海視点に戻ります。)


 あれから一週間。
 私の方は咲夜さんのお手伝いをするため、紅魔館の中でお仕事をたくさんした。
 那穂海は紫さん、霊夢さんのお陰である程度能力が扱えるようになったらしい。
 私も、那穂海も、とても楽しい日々だった。

 しかし、この日、衝撃の事を伝えられた。
 
 レミリアに呼ばれ、彼女の部屋に行った私達。
 そこには咲夜さんもいた。
 私達二人が入ってくることを確認し、レミリアがこういった。

「ふたりとも、幻想郷を離れ、現実に帰れる日が来るわ」

 突然の報告だった。
「現実に……帰れるんですか……」
 私が半信半疑に聞くと、
「そう。現実よ」
 レミリアはきっぱりと言った。
(現実かぁ。久しぶりに聞いた気がするな……)
 とうとう現実に帰るための道が開いたのだ。
 でもなぁ……
「二日後、賢者がお迎えに来るそうです」
 咲夜さんが言った。
「でも、現実に帰るのは今回限りよ」
 レミリアの言葉に、
「……え?」
といってしまった。
「ど、どういう事ですか?」
「幻想郷が結界で隔絶された場所、と言うことはわかるはずよ」
「はい」
「結界を何度も無理やりこじ開けると、幻想郷が崩れる。だから、賢者は今回限りしかできない、っと言っていたわ」
「今回……限り……」
 まさかだった。
 もし今回帰らなくとも、もう一度ぐらいはあると思っていたからだ。
「お悩みのようですね。二日後、お答えを伝えにこちらにきなさい」
「……はい」
私たちは黙ってレミリアの部屋を出ていった。



 自分たちの部屋に戻るが、話がなく、静寂だけが空間を包んだ。
(どうする……)
「……ねぇ、お姉ちゃん」
 那穂海がゆっくりと口を開く。
「お姉ちゃんは、お家に帰りたい?」
「私は……家には帰りたい。お母さん達が心配してるから。ただ……」
 それ以外には面白みを感じていなず、行きたくなかった……
「わたしは……ここにいたい……」
 那穂海はそう言った。
「もちろん、お母さんとお父さんには会いたいよ。でも……」
 一拍おいて、
「学校には……絶対に行きたくない……」
 私と大きな意見は一緒だった。
 でも、那穂海はもういじめには耐えられないといっている。
 私の理由よりも、もっと深刻な事が理由だ。
「ねぇ、もし私が家に帰ると言ったら、どうするの」
 最後にこれだけは聞きたかった。
「その時は……お姉ちゃんと行く……」
 そう言うと、那穂海は黙ってしまった。
 私もかける言葉がなく、自分の判断を決めるべく、思考を自分のことだけにした。

 その日から、私たちはほとんど話さなくなった。







 次の日、咲夜さんに布と糸、綿などを頼んだ。
 咲夜さんは、全て持ってきてくれた。