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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 玉響懐中時計 ( No.2 )
- 日時: 2013/02/12 21:02
- 名前: 黒依 ◆kuB5mqYaRs (ID: y4sGUByi)
カッと光ったあの白い空間の中、俺の体が引き戻される感覚に襲われた。
静かに降る雨が俺の体を打つ。それはまるで弾丸の様に硬く、刃の様に鋭く、このまま此処に居続けてしまったら貫かれて死んでしまいそうなくらいに。
だが此処から離れようとは思わなかった。目の前でぐったりとしている彼女を見て、離れようと思うなど到底出来ない。出来る訳が無いじゃないか、彼女が此処に居るのだから。
雨の匂いと鉄の匂いがぐちゃぐちゃに混ざったこの空間で、ほろりほろりと滴が零れる。それは同時に、俺の視界をまたぐちゃぐちゃに歪ませていた。今のどんよりとした天気のように、この雫も耐える事は無かった。
真っ暗な闇の中で、あまりにも眩し過ぎる光が彩る。嗚呼、きっとこの光さえ無ければ彼女と一緒に溶けて消えてしまえたのに。
「ッ、ぁ、あ、ぁああぁあぁッ」
雨に濡れた赤い水溜まりをただ握り締める。気味が悪い事に、その水は暖かく感じた。
( 嬉しいことに、その慟哭は降りしきる音によって打ち消されましたとさ )
@ 哀雨スカイスクレイパー
最初に上げる短編が死ネタってどういう事なの(・ω・`)
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