二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 玉響懐中時計 ( 雑食 ) ( No.34 )
- 日時: 2013/07/15 21:09
- 名前: 黒依 ◆kuB5mqYaRs (ID: VO1nXPfA)
- 参照: Happy Birthday Ichigo.K !!*.
「い、いちご!」
ぐちゃぐちゃと伸び貫く摩天楼と、無限に広がる大空が支配する俺の中に、高い男性が響き渡った。
振り向くと、肌の白い青年が頬を赤らめてこっちを見つめている。黒いショートヘアに、黒いコートの様な服が風で靡く。普段なら余裕と冷静の雰囲気を纏っているはずだが、今回ばかりはどうも違う。まるで一人の女子の様な、そんな可愛らしいものだった。
「……何だ? ざんげ——ッ、うおっ!?」
途端、視界が急に閉ざされる。世界が暗転したのだろうか——そう錯覚してしまった。
だが、目の周りがどうも違和感を感じる。冷たいのだ。ひんやりとし、そして虚しさに襲われそうになる。
「王サマ。今日は何の日か……知らねェ訳無ェよナァ?」
自分とは似て非なるその声が、右耳でそっと囁かれる。ノイズが混じったかのようなそれのお陰で、今の状態に陥った犯人がすぐに分かった。
「ッ、てめっ、何しやがる!」
「ソレを言う前に俺達に言わなきゃなんねェことがあるはずだゼ?」
視界を閉ざされていても分かる。今のコイツの表情は、意地悪く微笑んでいる——微笑む、というよりは嗤うの方が正しいのかもしれない——。
と、此処で。
「一護から離れろ!」
「おおっと、ホントはお前も言ってほしいクセに。おたんじょうび——」
「黙れ小僧ッ!!」
介入してきた斬月が怒っているのも目に浮かぶ。余裕のノイズと反発のテノールが何だかんだで煩い。
そして、目隠しをした犯人の途切れた台詞が、頭の中でぐるぐると回った。ぐるぐる、グルグル、ぐるぐる……
「……ぁ」
「ん、ようやく気付いたみてェだナ」
何で今の今まで気付かなかったんだろうか。ついさっきまでの自分に問い質したいくらいだ。幸いにも今の時間はみんな寝ているはずだから、何で忘れているんだよ、なんて言葉が投げ飛ばされることは無い。
理解した、という意味も含めて視界を閉ざさせている原因の手を叩く。肌に触れた時、自分とコイツの体温の違いに悲しくなったのは何故だろうか。
ふわりと視界が晴れると、真っ先に飛び込んできたのは、目元がほんのり赤くなった天鎖斬月の姿だった。涙も浮かべ、どうしてそうなるのかいまいち理解出来ないが、此処はあえて触れないでおく。
背後に回っていた虚の俺も、斬月の隣に立った。
こうして向かい合うということは、やはり言われるのだろうか。——いいや、違う。まず俺が言うんだ。自分で自分のことを言うのはどうかと思うが、それを言ってしまったら此処に居る奴ら全員に同じことが言えてしまう。
大きく息を吐き、口を開く。
「ハッピーバースデー。天鎖斬月、虚の俺」
にこり、と微笑みも付け合わせてみる。
斬月は俺の言葉を聞いて、顔が真っ赤になる。隣に居る奴ほどではないが、それでも常人よりはずっと白い肌が一気に染まったのだ。そして一旦目を伏せた後、
「……は、はっぴー、ばーすでぇ……」
「オイ、声が小さい上に最後の方消えてンじゃねェか」
どうやら声の大きさに違和感を感じたのは間違いではなかったらしい。
「俺も一緒にやってやるヨ」とくつくつ笑いつつ、虚の俺がもう一度俺の方に面を向かわせる。この二人が自分の中に居て、自分の斬魄刀だと考えると、思わず噴き出しそうになった。
「……何が可笑しい」
「いや、何でもねぇよ。気にすんな」
それでも、やはり俺の斬魄刀は不服そうだ。
俺と同じ様に、息を深く吸う。そして吐く。
「「ハッピーバースデー、黒崎一護」」
そう告げた二人の顔は、どこか嬉しそうに見えた。
( つかヨォ、虚の俺って……他にも良い呼び方あるんじゃねェか? )
( フン、貴様などカビの生えたヨーグルトで充分だ )
( それ此処に居る俺達全員のことになるぞ、斬月 )
■ 僕と貴方に、告げる □
取り敢えず祝うことが出来ればそれで良し。白崎さんの語尾に関しては諸事情により統一していません。ごめんよ!
一護は初めて主人公という存在に対してトラウマを抱えたキャラクターでもあり、紆余曲折あってBLEACHの中で、そして二次元の中で一番好きなキャラクターです。“仲間を大切に思う”というのはこういうことなのか、と教えられたキャラクターでもあります。そして腐ったネタを考える時にまず初めに代償にさせられるキャラでもあります。全部頭の中に収まってるけどな!
BLEACHという作品に関しては、アニメでストーリーも終わっちゃってる、所謂アニメ派というかアニメで満足な人なので原作についてはよく分かったり分からなかったり。でも一護が凄いことになっていたり斬魄刀がまた変わったりするのは知ってる。
強くて弱くてヘタレでツンデレ気味ていたり所々というか全部がエロい一護が大好きです。そして精神世界組も大好きです。
今の私が居るのは、彼のお陰と言っても過言ではない気がします。細かく言うと、他の作品のキャラも入るのですが。
私は、黒崎一護というキャラクターに出会えて本当に嬉しいです。後悔も何も無いし、寧ろ有るのは感謝。こんなに素敵なキャラクターを生み出した久保先生に感謝。そして、誕生日おめでとう、一護。一護は私の中の、永遠の主人公だ!
———— Happy Birthday Ichigo Kurosaki !! *. (07.15) ————