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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ボトル詰めの宇宙空間 ( 雑食 ) ( No.92 )
- 日時: 2014/02/11 22:35
- 名前: 燎火 ◆kuB5mqYaRs (ID: jxbxTUdV)
- 参照: 260211:本文訂正
ふと見上げた空は、あの時とは違ってやや曇っていた。普通は晴れている方が良いというのに、今日に限ってそうとは思わない。あの時から丁度五年経つから、だからこんな風に思うのか。皮肉だと自分に対する嘲笑をしながら、目の前の盾に伸びた直方体の石に花を添えた。苗字が刻まれたそれは誰かが毎日手入れをしてくれているお陰で、研磨されて出来た綺麗さは失われていない。その誰かには、私も含まれている。
「みんな、元気よ」
涼風が、そっと頬を撫でた。
命無き物に返る声などある訳がない。命亡き者に温もりなど帰る訳がない。人間としての常識であり、そして私にとっては——いや、みんなにとってはとっくの昔に慣れとして形成されていた。本来ならそんなことなんていけないはずなのに。しかし、そうでもしなければ自分そのものが脆くなり、砕け、崩れ、壊れてしまうような気がしてならないのだ。恐れているとも。私だって、何に対しても恐れがない訳ではないのだ。ただ、どうしても周りはそんな目で見ているようなのだが。
私の声は石に染み渡っただろうか。それとも、空に溶けて消えてしまったのだろうか。到底、私が知る由も無く、ただ二つの脚が動かないままでいた。
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お久しぶりです。
取り敢えずオリキャラ勢の一人のエピソードにも満たない何かを。どう考えても生存報告代わりですね承知しています。
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