二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re:第一話 ( No.79 )
- 日時: 2013/03/17 17:43
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
- 参照: 久しぶりにまともな小説書いた気がする……。
僕は今、塔で本を読んでいる。恐ろしく大きな本を……。
昨日の夕方、学生寮へ帰ったらテツさんとシランさんが案の定飛んで来た。その後、色々あって部屋に戻ろうとした時にテツさんが、
「明日はとりあえず塔へ行け。そして言葉を徹底的に覚えろ!!」
と言ってきた。そして、今に至る。頭がパンクしそうな量の言葉が世の中にあるんだな、と思った。
僕は、出された分で最後の本を閉じた。
「お〜い、聞いてんの?」
不意に下の方から声が聞こえてきた。見てみると、僕と同じくらいの身長の男の子がしゃがんで僕を見ていた。
「……うわあ!!」
「俺ずっとここいたから!!」
僕が驚くと、その子はバッと立ち上がりそう言った。そして全く気付かなかった僕は一体……。
「んで、要件なんだけど。」
「はい。」
「お前、新入生だろ!!」
「……? 多分……。」
いきなり新入生と言われてもいまいちピンと来ない。で、それがどうしたんだろう。
「お前、魔法使えんの?」
その男の子がそう言った……。……使えないよ!!悪いか!!
「……なんかごめん。まあ、俺も使えないけど。」
「はぁ!?」
「酷いなお前!! 俺の魔力を兄貴が全部持ってったんだよ!!」
「はぁ!?」
「うっせぇな!!」
「まあ、冗談は置いといて、その兄貴さんはなんなの?」
「少し前まで、学校で魔力が誰よりも強いって言われてたんだ。」
少し前……って事は、僕が来る前かな……。魔力持っていくってもの凄い人だな。魔法使いとかの問題じゃないよもう。
でも、“少し前まで”って事は————
「少し前までって、今は違うの?」
「そうなんだ。最近は登校どころか俺に顔すら見せてくれない。」
「……引き籠り?」
「部屋にいないから違うと思うなぁ……。」
「ふぅん。……その人探さないとね。」
引き籠りではないって事は、家出じゃないの? と考えながら、僕は自分でもよく分からない事を言った。
「「よしっ!! 探そう!!」」
僕じゃない誰かと男の子の声が盛大に重なった。
そして直後に僕は呆然。
「シランさん!? 何してるの!?」
「え、何って……。狩り?」
「狩りじゃないよ!!」
シランさんが塔の入り口でもう人とは思えないほど無様な姿の男子を持っていた。
「まあ、とりあえずカノンの兄さん探せばいいんでしょ?」
「へぇ〜、カノン君かぁ。」
「うぅ……。言うなよ!! もう良いよ!! 君つけんな!!」
「じゃあ、カノン!! これからよろしくね!!」
「あ、じゃあ私も呼び捨てで良いよ!!」
「やったぁ!! シランもカノンも頑張ろうね!!」
その後、僕とシランの笑い声とカノンの絶叫が誰もいない塔に響き渡った。