二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【どうぶつの森】この広い世界の中で 次回作アンケート実施 ( No.36 )
日時: 2013/04/10 20:56
名前: レモン (ID: leOS3oG6)

第14話 想いを伝える為に

♪更新を〜しなければ〜いけないと〜気付いた〜
おかげさまで〜コメがこない〜
ランランラ〜ン……
前話はとてつもなく短いです。今話は長くしたいなぁ。



「雄、二……?」
由美はようやく出たという感じの掠れ声で雄二を揺すり、話し掛ける。しかし、雄二はうずくまり荒い息のまま微動だにしない。
雄二を刺した男は、いかにも古い友人に会ったかのような笑みを浮かべて言った。

「あれ、死んでなかった? 失敗しちゃった!」

まるで友達にする悪戯が失敗したような顔で雄二に言う。由美は耐えきれなくなり、怒鳴った。
「なにするの?! 雄二が死んじゃうじゃない!」

男は、表情を一変させる。
まるで、何でも見透かしそうな冷たい目を浮かべ、由美以上に力を込めて怒鳴った。

「お前等に言えた事じゃねぇ!」

そうして、男は自分の過去を話し始めた。

「俺のなぁ……俺のお袋が、俺の親父が、あの村の奴等に殺されたんだ!」

由美も雄二も表情を変える。恨みの目から、戸惑い、驚きの目へと。男は、なお恨みのこもった目で話し続ける。

「俺のお袋と親父はなぁ……あの村で起きた殺人事件でなぁ……勝手に犯人扱いされて、挙げ句の果てには死刑になったんだ!」

「えっ?」

二人共、これは驚きが隠せなかった。

「それで俺は一人になって、いつまで恨み続けたか! そして、俺に似た恨みを持つ奴等と組んで村を潰そうと思ったんだ! でも、何人かに逃げられた。だがな……?」

男は一度切る。二人とも唾を飲み込み、男の言葉を待った。

「あの村の奴等は、後お前等三人だけなんだよ……?」

「え……?」

由美は、驚きの余りに体を硬直させる。雄二も、明らかに驚いた様子がある。
男は、叫んだ。
「よし、今だ!」

由美がやめてと言う暇も無く
雄二が逃げる暇も無く

雄二は胸を刺された。

「ん……!」

雄二は小さな声を漏らすと、静かになった。

「……え?」

「……え?」

由美は、恐る恐る雄二の手首ひ触れる。

脈は…………動いていなかった。

由美は、突然叫ぶ。

「あああぁぁ!」

目から涙がこぼれ落ち、たえまなく雫が滴り落ちる。
由美は、自分が置かれている状況に気付かずに、ただただ泣き続けた。

「ふわあぁぁぁ!」

突然、男は由美にナイフを持って突進した。由美は、涙で視界がぼやけていた為に、気付くのが遅れた。突然目の前にいるのを見た為、逃げられも出来ない。

「え……?」

由美は、一瞬自分の状況も忘れ、ただただ恐怖に怯えた。
足も棒になったように動かない。このままでは……

「こ、殺される……!」

由美は、急いで逃げようとする。まだ春真に想いを伝えていない。死ぬには早すぎる。
しかし、もう男は手を伸ばせばナイフが届くような所に接近していた。そして、ナイフを由美ひ向かって……
振りかざした。

由美は、絶望に目を閉じる。強烈な痛みを感じるのはいつか、しかし、いつまでたっても痛みは走らない。
思わず目を開けた由美に、驚くような光景が浮かんでいた。

目の前には、自分を庇うように腕を広げて立ち塞がってる人がいた。しかし、腹にはナイフが刺さっている。
その人は……

「春、真……?」

そう、春真だった。