二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜*短編集 ( No.111 )
日時: 2013/07/06 21:14
名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: 27y4eURD)
参照: わたしの家族が仲良くないのは事実

「……ハァ……なんかもう疲れた……オレもう部屋戻るから……。父さんも母さんもこいつらに変なこと教えるなよ」
「もう戻るの? 折角来たのに……」
「来たからだよ!」

再びてんまがギャーギャー喚く。でも、ホント羨ましいなぁ、家族皆仲良さそうで。あたしの家族なんか全然仲良くないよ……。
とか言ってる場合ではなかった! 折角てんまが自分から消えると言ってくれたのだ! ここはてんまの恥ずかしい過去を聞き出す盛大なチャンスではないか!

「じゃあな」

バタン、とてんまが部屋のドアを締める。そして、少しの間静寂に包まれた。

「……はぁ、ごめんなさいね二人共。私たちが来ちゃったせいで面倒なことになっちゃって」
「え、大丈夫ですよ。普段からあんなですし」

ゆうきが真顔で言い放つ。確かにそうなんだけど……。

「あ、そういえば、貴方の名前はなんていうのかしら?」
「あたしですか? あたしはゆうきです。お二人はなんていうんですか?」

……そういや、てんまのご両親の名前聞いてなかった。

「私は奏よ」
「私は昴っていうんだ」

奏さんに昴さんかぁ……名前も素敵だなぁ。ていうか、何でこんな素敵な二人の間にてんまが生まれたんだろう……とか言ったらてんまに殴られるから言わないでおこう。
変なとこ耳いいんだよねぇ、アイツ……。未だに変態とかストーカーって言うと殴ってくるし……。

「おお……なんか納得って感じです」
「あ、あの! あたしてんまの昔のこと聞きたいです!」
「え? 別にいいわよ?」

と、奏さんがアッサリ言う。てんまに言われたこと、まったく気にしてないところが素晴らしい。
でもそういう人でよかったかもしれない。そうじゃなきゃ、多分断られてただろうからね……。

「えっ、何てんまの昔のこと!? あたしも聞きたいです!」
「ゆ、ゆうき! 静かにして! てんまに聞こえたら怒られるでしょ!」
「あ、そ、そうね。いいですか?」
「全然いいわよ〜」

相変わらずアッサリだなぁ……。この二人はてんまのことをどう思ってるんだろう。息子に止められたことを、こともなげに許可するってある意味すごいわ。

「でもここだとてんまにバレちゃうかもしれないから、別の場所でもいいかしら?」
「じゃあ、ショートの部屋が近……あ、でも遠いほうがいいか……というわけであたしの部屋でいいですか?」
「そうしてもらえると助かるわ」

……なんか、奏さん自身も楽しんでるような……? 昴さんもなんか……楽しみ、みたいな感じだし。

 *

——というわけであたし達はゆうきの部屋にやって来た。……そして、相変わらずの汚さだった。これちゃんとに四人入れるのかな……?

「……ゆうき、掃除しようよ」
「あ、あはは……普段来客なんてないし、自分で過ごせればいいかと思ってるからさ」

来客があるとかないとかの次元じゃないって、これ。どう生活するとこんなに部屋を汚せるんだろう。別にゴミ屋敷ってわけじゃないのに……どうなってるんだこれ。

「奏さん、昴さんすいません……こんな汚い部屋、嫌ですよね。他のとこ行きますか?」
「ちょっ、こんな汚い部屋って……どういう意味よ!」

そのままだし、反論できるほどキレイじゃないでしょ。むしろ素直に受け止めて掃除しろ。

「別に大丈夫よ。私も片付けるのとか苦手だから、気持ちは分からなくもないし……狭い部屋によくいたものだわ」
「私も別に構わないよ」

……成程。てんまが片付け下手くそなのは遺伝なのかもしれない。あたしもそうだと思うけどね。