二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 参照100突破*とんがり 〜ほしぞら魔法学校より〜【短編集】 ( No.13 )
- 日時: 2013/03/31 23:51
- 名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: Lx/DculX)
- 参照: 制服orジャージ生活は作者の日常
————そんなこんなで、ゆうきとりんねはオレ用の子供服を買いに出掛けてしまった。
しかもやたらはしゃいでいたのが何か気に食わない。
「それにしてもやることないな……」
今はゆうきの部屋にいるから勝手なことできないし、かと言って自室に戻るとき万が一アイツに会ってしまったら大変なことになる。
何でオレばっかりこんな目に遭うのだろうか。
と、そんなことを思っているとゆうきたちが戻ってきた。
「ただいまー! いい子にしてた?」
「こ、子供扱いすんな! というか何でこんなに早いんだよ……」
「てんまのために決まってるじゃない。流石にその服でずっといるのは辛いでしょ」
……まぁ、そうなんだけど。
それにしても、これって大体どんくらいの年齢の時の体型なんだろう。
あ、よくよく考えたら昔はやたら背低かったし伸びなかったからアレか……。三歳のオレと六歳のオレの身長差二センチだもんな……。
「身長測ってないから大きさ合うのか微妙だけど、まぁ何とかなるでしょ。というわけでハイこれ着てみて」
「分かったけど……どこで着替えりゃいいんだよ」
「え? ここでそのまま着替えりゃいいじゃない」
りんねは何を言ってるのだろう。一応年頃の女のくせに……。
まぁ確かに外見は幼児期ですけどね? 心は十五歳の健全な男子中学生なんですよ……!
「別にショタてんま見たって……ねぇ?」
「というか十五歳のてんま見たって何とも思わないわよ」
「お前らヒドいな! いいよ自分の部屋行くよ畜生!」
あいつらヒドい、ヒドすぎる!
……というか、部屋行くまでにアイツとすれ違ったりしませんように……!
*
全力疾走で部屋に戻ったせいか、途中アイツとすれ違うことはなかった。
ただ、ゆうきの部屋からオレの部屋に行くまでに管理人室があるため、テツに変な目で見られたけど……そういやゆうきの部屋行くときテツいなかったけど何してたんだろう。
「む……意外にピッタリだ……あいつらスゲェ」
あまり褒めたくはないけど、合ってなかったら困るしよかったっちゃよかったんだけどな。
さて、今まで着てた服はタンスに戻さなきゃな。いつ戻るのか知らないけど、少なくとも今はこの服は着れないしな……。
「よしっ、じゃあゆうきの部屋に戻るか!」
戻りたくはないけど、戻らないと後が怖いし……何よりいつまでこの姿でいるのか分からないし、この服だけじゃ生活できないから他にも買ってもらわないといけないし……。
正直自分のセンスじゃどんな服買っても変になるだろうしな……。
普段は制服かジャージという洒落っ気のない生活しかしてなかったからなぁ。
「……あれ……?」
「え?」
「君、だぁれ?」
…………!!?? う、っそだろ……!?
何でこいつがここにいるんだよ! 今一番会いたくなかったのに!
弟ンとこいりゃいいじゃないか!
っていうか、これはどうすりゃいいんだ!!??
- Re: 参照100突破*とんがり 〜ほしぞら魔法学校より〜【短編集】 ( No.14 )
- 日時: 2013/04/01 14:31
- 名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: Lx/DculX)
- 参照: ショートが嬉しそうなのはある意味同じショートさんだからかな←
「え、えぇと……あの……」
オレが言いよどんでいると、アイツはいきなり幼少化したオレに抱きついてきた。
「かわいーっ! 何でこんなとこにいるか分かんないけど、すっごい可愛い!」
「え、えぇっ……?」
何を言ってるんだろう。いやその前に何でコイツはオレのこと抱きしめて……って、マジで何でだよっ!!??
「あ、あの……」
「めっちゃ可愛い! 超可愛い! あっ、でもどこの子だろう……?」
ダメだ聞いてない。というかいつの間にか抱きつかれてるというより抱っこされてるんだけど……。
「とりあえずゆうきとりんねのとこに戻ろうっと」
もうダメだ! ホントに人の話聞かないヤツだな、おい!
まぁゆうきとりんねの場所に行くのはオレもだったからいいけど……せめて降ろして欲しい……。
外見上はショタかもしれないけど、中身は十五歳なんだっつの!
「ゆうきーっ、りんねーっ!」
と、そうこうしてるうちにゆうきの部屋に到着してしまった。
一瞬ビックリしたような表情になるも、あの二人は中身が十五歳のままということを知っているせいか、笑いを堪えるのに必死、という感じになっていた。
何でオレばっかりこんな目に遭うんだろう……。
「ねぇねぇ、この可愛い子誰?」
「えっ? あー……うん、翔くんっていうのよ」
またテキトーに名前つける! このアホゆうき! 誰だよ翔って!
「へぇー! ところでこの子はどこから来たの?」
「え、えーと……」
二人が口ごもる。そりゃそうだ。だってほしぞら魔法学校にいたんだから。
そもそもオレはてんまだしな……。つかいい加減降ろして欲しいんだけど……。
「そ、そう! 迷子なのよ!」
「えっ……そうなの!?」
「だ、だから暫くここにいさせてあげようかなって!」
こいつらウソつくのやたら上手い気がするのは気のせいだろうか。
それともこのアホが気付かなすぎなのだろうか……きっとエイプリルフールは騙されまくるんだろうな、この様子だと。
ていうかオレは十五歳にもなって学生寮内で迷子ですか。
「そうだ、ショートに懐いてる(?)みたいだし、ショートが面倒見てあげてよ!」
「そ、そうね! それがいいわ!」
オレがコイツに懐いてるんじゃなくて、コイツがオレに懐いてるような気がするんだけど。
「いいの!? 分かったじゃあそうするね!」
マジっすか。まぁ多分コイツがオレに懐いてようが懐いてなかろうが押し付けてたんだろうけどな……。
と、いろいろ考えているといつの間にかコイツの部屋の前に到着していた。
……そういや、コイツの部屋とか殆ど入らないから無駄に緊張するんですけど……。ゆうきの部屋は無駄に行ってる気がするから緊張しないけど。あとゆうきの性格的にも緊張する要素ねぇしな。
「散らかってるけど気にしないで、自分の家みたいな感じでくつろいでいいからねっ!」
「う、うん……」
何でコイツはこんなに嬉しそうなんだろう……。同じ年下でも弟のことは嫌いとか言ってたくせに。
弟とは別なのか?
- Re: 参照100突破*とんがり 〜ほしぞら魔法学校より〜【短編集】 ( No.15 )
- 日時: 2013/04/02 01:26
- 名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: Lx/DculX)
ショートは自分の部屋の扉を開けたかと思うと、いきなり勢いよく閉じてしまった。一体何があったというのだろうか。
「あの、どうし……」
「か、翔くん……ちょ、ちょちょちょーっと待っててもらえるかな?」
「? うん」
オレがそう言うと、忍者かのように部屋の扉を開けて、一瞬で中に入り思い切り扉を閉めた。
……部屋の中に何があったんだろう。散らかってたとか?
っていってもアイツの部屋が綺麗だったことなんかないだろ……。なんせ大晦日の大掃除が一日じゃ足りなくて、三十日から始めるくらいだし。オレの部屋も結構散らかってるけど流石に一日で片付くし……。今更じゃないのだろうか。
「はぁ……はぁ……。あっ、ごめんね、入っていいよ!」
「あ、はぁ……」
用が済んだらしく、部屋の中に案内された。一応片付いてはいるようだが、やはり少し散らかってるような気がする。
……ていうか、割と散らかってるな。何を片付けたんだろう。
「あ、そうだ、お茶出すね! って言ってもあたし熱いお茶より冷たいお茶の方が好きだから冷たいのしかないんだけど、いいかな?」
「うん……」
それは知ってたから別にいいけどな。ていうかそれしか無いならそれ飲むか我慢するかしかないしな……。
どうでもいいけど、女のふりするのも大変だったけど、幼児のふりするのもなかなか大変だな……。
と、そんなことを思っていると……。
「きゃあああああっ!!??」
少し離れた方からアイツの悲鳴が聞こえた。
声のした方に行ってみると、アイツが自分の衣服につまずいたのか、転んでいた。そして、その拍子にスカートが捲れてしまったのか、完全にパンツが丸見えな状態になっていた。
「いたた……」
しかし、コイツはそのことに全く気付いていなかった。
……教えたほうがいいのだろうか。いやでも教えないと目のやり場に困るし……。
「あの……スカート……」
「へっ? あ、うわぁっ!!??」
オレがスカートのことを教えると、一気に顔を赤くさせ、直していた。
そして、立ち上がって台所へ向かおうとしたのだが、目の前にあった壁に激突していた。コイツは本物のドジだな。
「あ、あうぅっ……痛い……。今日だけで三回目だよう……」
三回目? 三回目って……ええぇっ!!??
ドジなのは何となく分かってたけど一日で三回も壁に激突ってどういうことなんだろう。しかもまだ午前中だぞ。
「っと、あ、お茶お茶っ!」
今度は壁にぶつからないように台所の方へ向かっていった。
コイツもなかなか大変そうだな……いろんな意味で。
「よしっ! ……お茶持ってきたよー」
バカが笑顔で戻ってくる。今度は何も起きなかったようだ。よかったよかった。
オレとアイツは椅子に座って、冷たい麦茶を飲んだ。
「……ふふ」
「? な、何?」
「いや、翔くんってお茶飲んでる姿も可愛いなぁって思って」
……なんかフクザツだ。オレ男なのに……。
というか……オレなんかより、お前の方がよっぽど可愛いと、思うけどな……。
まぁ、そんなこと口が裂けても言わねぇけど。
「あ、そうだ、テレビつけよっか」
そう言ってリモコンを取ると、テレビに向かって電源ボタンを押す。
テレビが付くと、何だか「弟特集」なるものがやっていた。
「……いいなぁ、こういう可愛い弟がいる人は」
お前も弟いるだろ……可愛いかはおいといて。
「あたしの弟なんか暴力振るうし、生まれてから一度もあたしのこと「お姉ちゃん」って呼んだことないし……」
……前に「今更弟があたしのこと「お姉ちゃん」とか呼んだら気持ち悪い!」って言ってたじゃん……。
オレは弟も妹もいないから姉とか兄の気持ち分かんないし、なんとも言えねぇけどさ。
「はぁ……。あたしのことを笑顔で「お姉ちゃん」って呼んでくれるような弟欲しいなぁ……」
「………………」
そういえば、今のオレはコイツのことを何て呼んだらいいんだろう。
いつも通りは流石にヤバイだろうしなぁ……。でも、そしたら何て呼べばいいんだ……?
- Re: 参照100突破*とんがり 〜ほしぞら魔法学校より〜【短編集】 ( No.16 )
- 日時: 2013/04/02 02:48
- 名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: Lx/DculX)
……ショートさん? うーん、何か……ちょっとなぁ。
でも呼び捨ては色々な意味でできないし……。こういう時は本人に聞いたほうがいいだろうか。
「あ、あの……」
「ん? どうしたの?」
「えーと……その、なんて、呼んだらいいですか?」
「ほぇ? 別に何でもいいよ? あと別に敬語じゃなくてもいいよー」
……正直それが一番困るんだけど。敬語じゃなくていいのは分かったから、呼び方決めてください……。
………………もう、いっそ、あれでいいかな……。
「じゃあ、お姉ちゃん……で、いい?」
「…………ッ!! うん、全然いいよ!!!!」
……ゆうきとりんねに知られたら笑われるだろうけど……コイツが喜んでくれるなら、それでいいや。
オレはコイツのことを……まぁ、騙してるわけだし。それくらいやってって、いいよな。
少し恥ずかしいけど……な。
「翔くんは兄弟とかいるの?」
「えっ……いないよ。どうして?」
「何となく……かな。でも、翔くんだったら本物の弟でもいいなぁ、なんて」
それは流石にヤバいだろう。一応十五歳ですよ……。
「うぅ……今朝早く起きたから眠いよ……」
そう言うと机に突っ伏して、寝てしまった。
って、寝るの早すぎるだろ!
「こ、こんなとこで寝たら風邪ひいちゃうよ……」
「んぅ……」
起きない。っていうか……なんというか、寝顔も可愛い……。
ってそんな悠長なことを言ってる場合じゃない。
「お、起きてー。せめてベッドで寝てよー」
「んー、分かったぁ……」
やっと(一応)起きて、ベッドまで行ってくれた……のはいいんだが、何故かオレも連れてかれてしまった。
「えへへ、翔くんも一緒に寝よ?」
………………は? え、いや、何、どういうこと!!??
さっき起きたばっかりだから眠くない……以前に一緒に寝るってどういうことなんだよ!! コイツはアホなのか!!??
「で、でも……」
「一人で寝るの寂しいんだもん……ね?」
いつも一人で寝てるだろ……って言おうと思ったけど、やたらと可愛い顔で頼んでくるので、断れなかった。というか、正直言葉が出なかった。
そんななし崩し的な感じでオレとコイツは一緒に寝ることになってしまった。後で罰がくだったりしないだろうか。
「えへへ……翔くん小さくて、暖かくて気持ちいい……あたし、翔くんのこと、大好きだよ」
「………………」
……そういう事、言わないでください……。お前は知らないだろうけど、中身は十五歳のてんまなんです……。
勘違いってわけじゃないけど、でもやっぱり……。
「……おやすみ、翔くん……」
そう言うと、すぐに眠ってしまった。
オレは眠かったわけでもなかったから、寝ないでいた。というか眠くてもこんな状況じゃ寝れないし……。
……オレの隣でスースーと寝息を立てるショート。向かい合って寝ているため、寝顔がよく見える。
今までコイツの顔を真面目に見たことなかったけど……思ってた以上に可愛い顔してたんだな。……ってオレは何を思っているんだろう。
「…………オレも、相当なバカだよな……」
コイツのこと騙して……、告白する勇気さえ無いのに。でも、それでも……コイツのこと、好きだから、色々知りたいとか思うし……。
本音を言えば、本当の姿でこういうことできたらなって思ってなくも無いさ。まぁ、そんなの無理だろうけどな。
……あぁ、ゆうきが言っていた「子供の特権」ってこういうことなのかな。
そんなことを考えていると、アイツが思いもよらぬ発言、いや寝言を言った。
「……好き……だよ、…………ずっと……のこと……」
「え………?」
好き……って、誰が? 肝心なとこが聞こえなかった……。
…………コイツは、一体誰のことが好きなんだろう……。
少なくとも、オレではないんだろう、な……嫌いって言われたし。いや、嫌い……でなくなってたとしても、好かれてはいないだろうな。
何だろ……分かってるのに、分かってたはずなのに、すごく悲しい。どうにもならないのに……何でだろう。オレ……自分で思ってる以上にコイツのこと、好きだったのかもしれない。
……そう思ったら、オレは自分でも信じられない行動を起こしていた。
「……好きだよ、ショート……」
眠っているショートの額に、軽く口づけをして、何だかんだでそのままオレも眠ってしまった————。