二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 参照200突破*とんがり 〜ほしぞら魔法学校より〜【短編集】 ( No.19 )
- 日時: 2013/04/08 18:17
- 名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: Lx/DculX)
- 参照: てんまらびゅんな作者はてんまの元になった天馬くんを見てニヤついてます
————あれから、数時間くらい経って、オレは目を覚ました。
寝る直前にしたことを思い出し、一人で勝手に頬を火照らせていた。
「……オレ、何てことしちゃったんだろ……」
無理だってわかってるくせに……やっぱオレ、自分が思っている以上にバカなのかもしれない……。
というか、コイツはいつになったら起きるんだろう。いや、コイツが起きてもただ気まずくなるだけなんだけど。……主にオレが。
そろそろ十二時になるし、起きてくれないと昼ごはん食えないんだが……。
「ん、んん……あれ……? 翔くんもう起きてたんだ……」
「う……うん…………」
結局起きたし……。でも、なんていうかやっぱり目を合わせ辛い……。なんていうか、あれって言い方変えたら寝込みを襲った……ようなもんだよな……。
「って、ああっ! もうこんな時間!? りんねとかゆうき、今日いないんだよね……」
そ、そういえば……。いつもはりんねが昼飯作ってくれるけど、もしいなかったらゆうき……で、そのゆうきもいないのか。
何でこういう時に限って二人揃って出掛けるのだろうか。あいつらはオレとアイツの料理レベルを知らないのだろうか。いや知ってるはず。
特にアイツはオレより出来ないという残念な女子だというのに。正直アイツの作った昼飯とか食えるはずがない。……って言ったらものすごく失礼なんだけど。
「うーん、どうしよ……あたしが作ったら死人が出るしなぁ」
自覚してたか。いや、自覚してもらわないと困るレベルだけど。そもそも自発的に料理しないから料理レベル上がらないんだよ。経験値増やそうぜ。
「かと言って何かあるわけでもないし……どうしようかなぁ。外食するお金はないし……」
お前はどんだけ別のことに金を使い込んでるんだ。
「うーん……よしっ!」
「ど、どうするの?」
「こういうときは、ゆうきとりんねの部屋にある冷蔵庫を探るしか!」
ど、泥棒する気か!? 見つかったら殺されるだろ!
「あ、あの……いくら何でも部屋に鍵かけてあると思う……」
「あーそっかぁー……でもどうしよう。あたしもまだ死にたくないし……」
どうでもいいけど、お前の料理は殺人級だったのか。今度嫌いな奴に食わせていいかな。
「でもでも食べないわけにはいかないし……やっぱりあたしが作るしかないのかなぁ」
!? 殺人級のごはん作るんですか!?
というかお前は何をどうしたらあんなもん作れるの!?
「とりあえずレシピとか確認してからにしよう……」
うん、そうするといいと思う。というか、レシピ見ないでやってるからああなのだろうか。
「まぁ普段も見てるんだけど」
あれで見てるんですか。これはきっと途中でアレンジなるものをしてるからなんじゃないかと思えてくるな。
もしそうだったら困るし、そしたら阻止しないといけないから、監視……いやそれは怪しまれるか。こうなったら堂々と見てればいいんだ!
「あ、あのさ、手伝うよ」
「ホント!? ありがとう! あ、でも気をつけてね、台所は火とか包丁とかあるからね!」
「うん……」
むしろお前の料理の方が危険だと思うのは、オレだけだろうか……。
ま、なにはともあれこれで監視できるし、阻止もできる。オレも料理とかしないから分からないけど、できる限り普通のメシが出来るように頑張ろう……!
- Re: 参照200突破*とんがり 〜ほしぞら魔法学校より〜【短編集】 ( No.20 )
- 日時: 2013/04/09 15:49
- 名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: Lx/DculX)
- 参照: 私と弟がとんがりで通信すると大抵私が弟から金を巻き上げry
「よぉーしっ、作るぞぉーっ!」
「お、おーっ……!」
オレたちはエプロンを着けて台所に立っていた。
とにかく、食えるものを作ろう。
「今日のお昼は簡単なものということでチャーハンにするよ」
そう言ってレシピを確認し始めた。
ま、まぁ下手に難しいモン作って失敗するより全然いいけどな。ナイス判断だと思う。
「えーと、材料は準備したし……作ろうっと」
「まず何するの?」
「うんとね、えー……ごはん焼けばいいんだよ」
コイツの場合焼くというより焦がすという表現のほうが似合いそうなことしか出来ないようなきがするのはオレだけなのだろうか。いやでもオレが注意してればなんとか……なるだろきっと。
「テキトーに野菜とか入れてけばいいよね。えーいっ!」
「えええぇぇぇっ!!?? て、テキトーでいいの!?」
「だってよく分からないんだもん!」
それでいいのか!!?? ていうかスーパーとかに売ってるチャーハンの素みたいなもんはないのか!? いや無いからこうなってるんだろうか。
……その前に何のためにレシピ見たの!?
「あ、どうしよ、ごはん焦げてる……水入れたらいいのかな……」
「ああああ、ちょっとそれはいくら何でも入れすぎっ……」
「えええっ!? ど、どどどどうしよ、水捨てなきゃ……えいっ」
「うわあああごはんと野菜は捨てちゃダメでしょぉぉぉ!!」
「わわわっ、ひ、ひひ拾ったらダメかな!?」
「汚いよ!」
なんてことだ、既にヤバい気がする。というかチャーハンって水入れるもんなの?
作ったことないからよく分かんないんだけど。まぁ入れるとしても二百ミリリットルも必要ないと思うけどな……。
「こ、こういうときは魔法でどうにかしよう!」
「ままま魔法使うの!?」
「えーと、えーと、雷の魔法ーっ!」
ショートが変身して呪文を唱えてフライパンに雷の魔法をぶつける。
……多分それ、焦げるだけだと思う。
「ぎゃあああああっ、こ、こここ焦げちゃったぁぁぁぁ!」
「やっぱり……」
「えーとっ、えーとっ……! ハッ! そ、そうだこの際「魔女のツメ」を入れちゃおう!」
「どうして!?」
オレが止めたにも関わらずパニックになってるせいか魔法の材料をチャーハンみたいな何かにぶち込んだ。
「うわああああ何か変な色になってるぅぅぅぅ!」
「そ、そりゃそうもなるでしょ……!」
ていうかこんなだからコイツは変な料理しかできないのだろうか。
ごはんに魔法の材料とか入れるのやめようぜ……!
「で、ででででもやっぱり捨てたら勿体無いよね……」
「さっき盛大に捨ててたでしょ!? 今更何言ってるの!」
「あああそういえばそうだったぁぁ……ど、どうしよう。これ以上食べるものないよ……」
えええ!? コイツの部屋、これしかなかったの!?
魔法の材料買う前に食い物買えよ! オレらの昼ごはんどうするんだ!
……と、オレが困っていると……。
「おーい、ショートッ! 遊びに来た!」
「か、杜若!?」
なんと、天敵杜若がやって来た。
……コイツ、部屋入ってくる前ノックしてなかった気がするんだけど。いつもそうなのだろうか……。
- Re: 参照200突破*とんがり 〜ほしぞら魔法学校より〜【短編集】 ( No.21 )
- 日時: 2013/04/10 22:44
- 名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: Lx/DculX)
- 参照: 学校楽しくなーい。授業始まって欲しくなーい。課題やってなry
「ちょ、ちょちょちょちょっと! ノックくらいしてよ! いつも言ってるじゃん!」
「あ、そーだった。悪い悪い。姉ちゃんの部屋行く時のノリでやっちまうんだよ」
むしろ菖蒲の部屋に入るときノックしなくていいのか……? 菖蒲だったら怒りそう……。
……ていうか。いつもってナニ? たまにコイツの声すると思ったら学生寮来てたのかよ……。
「ところで、この小さいの誰?」
「!」
「あ、えっとね〜、翔くんって言うの。迷子らしいから預かってるの」
「あ……預かっちゃっていいのか? 母親とか探さないの?」
ま、まぁ……普通はそうだよな。って言ってもここにオレの母親なんかいないし。つか、まぁ、当然だけど……オレの母親はオレの小さい頃を知ってるわけで……別人だと偽れなくなるから勘弁してください。
ホントは正直に言ったほうがいいのかも、しれないけど……。
「んー、だってゆうきが預かっててとか言うし……あ、ゆうきとりんねは翔くんのお母さん探しに行ったのかも」
「ふーん……ならいいけどよ。で、ショートは何してるの?」
「え? えーと……ははははは」
苦笑しながら先ほど出来た物体エックスなるものを杜若に見せる。いくら杜若でもこれのもとが食い物だったとは思わないだろうな……何も知らない人がこんなもん見て食べ物だと分かったらその人は天才だと思う。そういうレベル。
「ショートは実験でもしてたの?」
「いや、あたし理科苦手だし! 英語よりはマシだけど……」
「うん、知ってた。で、結局これは何なの?」
「い、一応……チャーハンを作ろうと思ってたんだけど……失敗しちゃって」
いやこれ失敗というより大失敗。……大失敗でも足りないかも。
「え!? これ元はチャーハンなの!? 原形留めてないどころの騒ぎじゃないだろコレ!」
「う、うぅ……だ、だってお料理出来ないんだもん……!」
いや料理が出来る出来ないというより、余計なもん加えすぎたのが原因だと思うけどな。
魔女のツメとか魔女のツメとか魔女のツメとかな!
「……あれ? てことはお前ら二人は昼飯食ってないとか?」
「そ、そうですね……」
「これお昼ごはんの予定だったから……」
しかもこの部屋にある全ての食材使った挙句不要な魔法の材料とかも使っちゃったしな。
もはや食い物に魔法の食材を入れない、が教訓になった気がするわ。普通そんなもん入れないと思うけどな……。
「ふーん、じゃあ俺が作ってやるよ」
「えっ!? 杜若料理できるの!? 初耳だよ!」
「……うん、まぁ、お前よりはな……」
というかコイツより料理できないヤツとかいないと思う。オレよりできねぇしな……。
しかし杜若が料理できるってのは意外だなぁ。まぁ女子より上手ではないんだろうけど……あ、魔女のツメぶち込んだ人女でした。
「あ、で、でも食材何もないよ?」
「そうなのか? じゃあ買い物行ってくる」
「えぇっ!? い、いいよ、それくらいあたしが行くよ……! も、元はといえばあたしが料理できないからこうなったんだし……」
「いやぁ、だってお前絶対荷物持って歩くとヘバるだろ」
「ぬ、ぬぬぅ……そ、そんなことないもん! 頑張るもん!」
「いいから、いいから。女の子は大人しくしててください」
「ひゃうっ」
杜若があのアホをデコピンする。それと同時にアイツがしりもちをついた。
「ていうか、お前ら二人でその物体エックスなんとかしといてくれ……じゃ、行ってくる」
「あ、ありがとう……か、片付けときまーす」
…………なんか、何だろう……モヤモヤする……。よく分かんないけど、モヤモヤする。
コイツら、こんなに仲良かったっけ? ていうか、そこまでたくさん会ってたんだな…………。
この二人の関係なんか、オレには関係ないのに……何で、だろう。友達なんだし、それくらいしてたっていいはずなのに。きっと、ほかのヤツらがここまで仲良くても、こんなに気にならないはずなのに……。
なん、か……ホント、オレ、いつの間にこんな風になってたんだろ。自分のことなのに、自分が一番、分からない……。