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Re: とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜【短編集】 ( No.341 )
日時: 2014/06/18 22:04
名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: myDpNyTl)

 **意識**


ある日の放課後、あたしは教室の窓から外を眺めていた。ため息をつきながら空模様をうかがう。……が、さっきから何度見ても雨雲からいくつもの雨粒が降り注いでいた。

「……あたしが帰るときだけ、やんでくれないかな……」

なんて、ありえもしない希望を口にする。
今は6月の中旬。梅雨の時期だ。最近はほとんど毎日雨が降っているし、今日の今も降っている。にも関わらずあたしは傘を持ってきていない。しかも折りたたみ傘はこの前壊れて使い物にならなくなってしまった。
天気予報士のお姉さんが今日は雨降らないって言ってたのになぁ。所詮予報は予報ってか。……ってそりゃ失礼か。折りたたみ傘買い直さなかったあたしも悪いし。

「あーあ……走って帰るしかないかなぁ」

走って帰ると濡れるから嫌なんだよね。ベタベタするし、気持ち悪い。あとついでにりんねにビチョ濡れのまま寮内に入るなと怒られる。

「なぁ、外まだ雨降ってんのか?」
「ん? うん……やみそうにないよ」
「うげー……こんなことになるなら傘持ってくりゃよかった」
「えっ、てんまも傘持ってないの……」

状況で察しろよ、というてんま。

「よし、じゃあ一緒に走って帰ろう! 一人で怒られるのは嫌だけど、二人だったらまだマシだと思うんだ!」
「別にいいけど……怒られる前提かよ」
「だって絶対怒られるでしょ!」

怒られたくないけどりんねの方が先に帰ったし! あと多分傘持ってないのバレてるし! 終わってる!

「とりあえず帰るぞ。いつまでもここにいて雨強くなったら嫌だし」
「あ、うん!」

靴を履き替え、ドアを開けると土砂降りの雨があたしたちのことを出迎えてくれた。いや、出迎えなくていいんですけどね。しかも、さっき窓から見たときより確実に強くなってる。

「ほら、走るぞ!」

てんまに腕を引かれ、そのまま走り出す。雨が強すぎるせいか、あまり視界がよくない。一応カバンを頭に乗せてみたけど意味なし。こんな悲しいことってないよ。
うう、既に服ビチョビチョだよ……。気持ち悪いー!
なんて思っていると、てんまが突然ゆっくり歩き、狭い道を通り出す。

「て、てんま?」
「ごめん、ちょっと目にゴミ入って前見辛くなったから雨宿りみたいな……」
「大丈夫……?」

それにしてもよくここまでたどり着いたよね。ていうかホントに大丈夫なのかな?

「てんまー、ねってばー、大丈夫なの?」
「もう平気だよ。それにしても雨すごいな……制服着たままシャワーでも浴びたみたいだ」
「ははは……確かにね。スカートは雨に濡れると本当に気持ち悪いから嫌なんだよねー……」

ズボンも嫌だけどスカートはスカートでなんか違う感じで気持ち悪い。
あ、そういえばカバンの中身濡れてないかなぁ……。

「あのさぁ……」
「んっ、何?」
「……お前さ、なんていうか……その、もう少し女らしくしろよバカ」
「ばっ、バカ!? いきなりなんなの!」

バカてんまにいきなりバカといわれるようなことをした覚えはない!

「だ、から……ああもう!」

ドン、という音と共にあたしは何故か壁に追い詰められる。ただでさえ狭い通路で身動き取りづらかったのに、さらに身動きが取りづらく……というか、動けない。

「えっ? えっ? あの……てんま?」
「何? もしかしてワザと? 誘ってんの?」
「ふぁ!? ち、ちち違う! そんなわけないでしょ!」

あたしがそう言うと、ふぅん、と言っててんまが離れた。
さ、さっきのは本当になんだったのか。意味わかんないし顔熱いし……もー!

「……あのさ」
「ひゃい」
「お前も一応の一応の一応、女なんだからさ、服が濡れて透けたら隠すくらいしろよ」
「……!? は、はい!」

普通に気付かなかった……。っていうか一応つけすぎだし! 失礼なやつめ! ……そんなこと言えないけど。

 *

その後あたしたちはまたダッシュで学生寮に戻り、ビチョビチョのまま帰ったあたしたちはりんねに超怒られましたとさ……めでたしめでたし。……めでたくない!



=====作者より=====

久しぶりにお題投稿。
壁ドンいいよね。てんショちゃん可愛いよね。ホント可愛い。雨はクソ。

わたし未だに制服の下に体操服着て学校行ってるんだけど中学の時なんて逆に着てない人のが変レベルだったなーwww

お題完全にてんショちゃんだけど気が向いたらあさゆうとかコハりんとかをやらないこともないこともないこともないこともない(?)