二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜【短編集】 ( No.381 )
- 日時: 2015/01/31 01:30
- 名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: dVgfgJj/)
「……よし、これでさっきよりはマシでしょ」
「ホント? ありがとうゆうき」
「ちょっと、どこ行こうとしてるのよ、まだ終わってないわよ」
「へ?」
終わってない? これ以上何するんだろう……?
不思議に思いながらゆうきを見ていると、何やら怪しげな箱を出してきた。本当に何をする気なんだろう。
「ジャーン! これよこれ。メイク!」
「えええっ!!?? あ、あたしそんなのやったこと……七五三のときくらいしか!」
ないって言おうと思ったらあった。七五三でやった覚えがある。でもあの時着物着るのも、ジッとしてるのも嫌で、メイクも着物も全部ヤダって思ってた気がする。
そもそも、あたしなんかがそんなことしたって似合わないと思うんだけど!
「うるさい! 無駄口叩いてないでさっさと座りなさい!」
「は、はいっ!」
ものすごく嫌な笑顔を浮かべながらゆうきがあたしに化粧をする。かゆいしさっさと終わらせて欲しかったりして……。ていうかこれ4割くらい遊び感覚でやってるでしょ! なんかそういう顔してるもん!
まぁ……文句は言えないけど……。
「よしこれでオッケー」
「う……あ、あり、がとう?」
「うーん、なんか……化粧しててもしてなくてもあんま変わらないわね」
「おい!」
あたしは何のために痒いの我慢させられたんだろう!? こんなのってないよ!
「とりあえずそれで愛しのてんまくんのところ行ってきたらぁ?」
「いっ……愛しのとか言うなバカ! そんなんじゃないもん!」
好きだけど……そういうのじゃない! 多分!
た、ただ好きなだけで……そんな……愛しいだとか、思ったことないもん!
「グダグダ言ってないでさっさと行きなさいよ。アンタが今まで着てた制服はアンタの部屋に戻しておいてあげるから」
「わ、分かったよ……! どーもありがとうございましたっ!」
バタン! と大きな音を立てながら扉が閉まる。
……そういえば、てんまはどこにいるんだろう? 校長室行く前にてんまの部屋の前通った時は、部屋の電気ついてなかったけど。とりあえず部屋に行ってみようかな。
*
「おーい、てんまぁー、いるー?」
ノックもせずに部屋の前で大きな声をあげながら呼ぶ。その声に返答はない。
……ってことは、まだ外にいるのかな? ……まさか寝てるわけじゃないよね? いくら休日だからってこんな昼過ぎにまで寝てるわけ……いや、てんまならありえるかも。
てんまには申し訳ないけど、また朝起きれなくて学校遅刻なんてしたらマズいだろうし、寝てるなら起こさないと! ってわけで勝手に入ってしまえ!
「しっつれーい! てんま! 起きてる!?」
勢いよく扉を開けると、部屋の中にはベッドの上で爆睡しているてんまの姿が。
ほ、ホントに寝てやがった……! ゆうきより遅く起きるなんてどうかしてるよ。とにかく起こさなきゃ。
「てんま、起きてよ。もうお昼だよ。昨日何時まで起きてたのー!?」
「……んん……あと5分……」
「いやもうお昼過ぎてるんだってばぁ! 早く起きてよー!」
てんまの体を揺らすも一向に起きてくれない。こうなったら……!
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30日のうちに終わらせる予定だったのに……ぐぬぬ。
教習所に通えるようになるまではできる限り毎日更新(予定)
- Re: とんがりボウシ 〜ほしぞら魔法学校より〜【短編集】 ( No.382 )
- 日時: 2015/01/31 23:25
- 名前: ショート ◆RNBm3A/DrQ (ID: dVgfgJj/)
「……よし」
この前千夏が遊びに来た時に教えてくれたんだよね。てんまがどうしても起きないときは女装の話をチラつかせれば絶対に起きる……って。
そういやなんか昔似たような出来事があったような……気のせいかな?
「てんまー、今起きないと女装させちゃうよー?」
「起きますっ!」
あたしがそう言うとてんまが青い顔をして起き上がる。
女装ネタ……強い! ていうか普通に起きてくれよう……。
「…………っ!? なんで、お前がここにっ……!」
「いや……昼過ぎまで爆睡してるのが悪いんじゃん?」
ホントはそんな理由じゃないけど……本当の理由なんか言えるわけない! あと寝過ぎなのは事実だからいいよね!
「……ところで、ショートサン……で合ってますよね」
「なんでいきなりさん付けになるの!? ショートだよ合ってるよ!」
「いやなんかいつもとイロイロ違う気がして……ホントに本人か確かめるべきかと思って」
い、いつもと違う……ってことには気付いてもらえた……! てんまのことだから気付いてくれないと思ってたけど、そんなことはなかった……!
「あのさ……なんかこんなこと言ったらまた『変態』とか言われそうでスゲー嫌だけどよ……なんというか、お前いつもより肌出しすぎじゃね……?」
「……! そ、それ……は、その——……お、大人っぽく……なりたかった、から!」
「は……?」
「そ、それで……ゆうきに言ったら……こうなった……的な……?」
ま、間違っては……いない、よね? でも、(ゆうき曰く)てんまは大人っぽい子が好き……で、そうなりたかったなんて言ったら、気付かれちゃうかなあ……? いやでもっ! てんまはクソニブ男だから……だ、大丈夫だよね?
「…………ぶふっ」
「な、なな何笑ってるの!? こっちは真剣なのに!!」
「いや……悪い。お前が大人っぽくとか……ぷぷっ……絶対ねーだろ……」
「な、なんだとー!?」
ゆうきといい、てんまといい、酷すぎじゃないかな? ていうか一応18歳の姿でそういうこと言われると微妙にヘコむ……。
「ていうか何でいきなり大人っぽくなろうとかいう話になったんだ? お前もそういうよく分からないお年頃なの?」
「うぐっ……そ、それは……! ————っ! あ、あたしの……好き、な人が……大人っぽい子が好きだって聞いた、から……だよ」
ここまで言ったら気付かれちゃうのかな? 伝わって欲しいような、そうでもないような……?
「ふ、ふーん…………でもお前が大人っぽくなるのは100年かかっても無理だと思うからいつものままがいい……と思うぞ」
「へ? ていうかそれあたしのこと貶してるよね!?」
な、なんかよく分からなくなってきた……! あたしは普段のままがいいの? かな? え?
「うん、めっちゃ貶してる」
「うわ肯定したな!?」
「だ、だけど……いつものままがいいってのはホントだから! そっちの方がお前らしいし……その、可愛いと思う! 以上!」
「……!? そ、それってどういう意味——……って、てんまどこ行くの!? 話は終わってない! 待てー!」
「るっせぇついてくんじゃねぇ! バーカ!」
*おわり*
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今回の話の中でショートちゃんが盛大なブーメラン投げてるけど気にしたら負け
あとショートちゃんに可愛いって言ってるてんまが一番かわいい オチがあれだけどこれでおわり
この二人早く結婚すればいいと思う